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閑話休題
しおりを挟むトルクは僕の側を離れるのを嫌がった。
「仕事なんかしない
咲季がいるところにいる」
半獣化したまま僕を抱きしめてくれてるから、モフモフが気持ちよくてそれもありかなぁ、なんて思った。
しょうがないので、僕が抱っこされて執務室へ行くことになりました。
今更ながらの子豚です。
不思議なことに、子豚のお腹のサイズに、赤ちゃんもなるんだよ、凄くない?
「もう、咲季に暴言を吐いた奴は死刑な」
これ法案化してってお兄様に言ってるし!
お兄様もお兄様で、おーそれいいな!だし。
「そんな独裁政治ダメですよ
それに豚は種族なんで暴言じゃないですよ」
「癖にとか、呼び捨てが気に入らん
子豚様なら許す」
「子豚様も法案化ね~
しかし、ほんと可愛いなぁ
ちょっと、俺にも抱っこさせてくれない?」
「ダメです。
咲季の抱っこは緊急時以外、権利は動きませんから
でも、赤ん坊の抱っこ権利なら、そのうち整理券配るから並べ」
これでちゃんと書類が流れてるんだから、二人とも凄いよ。
「しかし、咲季ちゃんが目覚めたことで、レオハルトがどう出て来るか、だな。
もういっそ滅ぼさね?
俺、あそこの国嫌いなんだよね。」
「あーそれ、私も思うわ。
脳筋バカな。
でも意外と鋭いとこもあるんだよな」
手元の書類を見ながら、時々計算して、たまに字を書き加えたりして、でも会話がこれだ。
この国の王族が最強って言うのは、力だけじゃなくて、頭の出来も最強なんだ。
「知らないから言うがな、咲季は子豚の時ぷきゅぷきゅ言って喋ってたんだ
どうだ、凄く可愛いだろ?
羨ましいだろ?」
「咲季ちゃん、ぷきゅって言ってみて」
え、これ何なの?
「咲季、喋るくらいなら兄上に見せてやってもいい」
えーっと、スキルを発動しなきゃいいだけなんで。
お兄様、こんなんでいいですか?
〔ぷきゅう、ぷきゅきゅぅきゅ?〕
「お前、さいこうか!!
癒しだな、癒し」
あの、二人とも壊れてませんか?
〔ぷきゅ、ぷきゅうぷきゅぷひぷきゅ?〕
「咲季が目覚めるまで、私は仕事をしなくて良かったんだ。
でもその間やっててくれても良いと思わないか?
なんで自分まで仕事休むかな?
休んで良いって言ったよね?
それって仕事は引き受けたって普通思うよね?」
「俺も咲季ちゃんが心配で、仕事なんか手につくわけないじゃん」
「言い訳にもほどがある。」
「してましたー
ちゃんとしてましたー」
「子供か!
せめて税とか急ぎのとか、経費とか予算くらいやっとけよ」
「やってたよ、
非常用の備蓄の棚卸とか」
「それ、今やんなくてもいいやつだよな?」
「いつ災害来るかわかんないじゃん」
「災害級の魔物が出たって話聞いてないけどな」
「災害級に可愛い魔獣出てんじゃん、イマココ」
「あ、いたな、可愛い魔獣
確かに災害級だわ」
山のようにあった書類が物凄い勢いで減っていくし。
こんなバカ話、兄弟だからだよね~
もういいや、僕ねよっと。
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