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天界革命

訓練

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不機嫌なウリエルを他所に、ミカエルはザキエルを歓迎していた。

「ミカエル、これってどう言う事?」

「イズくん、力天使って所謂神の御技の代行者みたいなもんなんだよ。
 イメージ的な物理的な力を想像するかもしれないけど、能天使のジョフィエルの方が戦いと言う意味では力技だろうね。」

「はい、ですからイズラエル様の訓練に私が適任かと。
 神の御技を上手く使いこなせるように、きっかけがあれば、神の代行者であるイズラエル様ならすぐに素晴らしい力を顕現されるでしょう」

ザキエルが素晴らしく優雅な仕草と、正しく天使の微笑みを浮かべた。

「と言うわけだ。
 その不機嫌な顔をやめろ」

ミカエルがウリエルにイラついてる表情を注意した。

「私達では力の方向を導いてはやれないから、仕方ないのも理解したさ。
 だが、信用したわけではない!
 あのハルカと通じていたのだからな」

そこは、ジョフィエルも気にしていた。

「えぇ、理解しております。
 私の犯した罪は、赦されはしません。
 ですが、その償いのためにも、全てを賭して、イズラエル様をお守りいたします。」

跪いたザキエルに、俺は戸惑いやら、恥ずかしさやらで居た堪れなく、よろしくお願いします、と急いで返した。

「ありがとうございます。」

先程の笑顔とは違う、感情の弾けたような満面の笑顔だった。









庭と呼ぶには広い、裏山の様な敷地内でザキエルとの訓練が始まった。

「ザキエルは、親衛隊に入るつもりなの?」

まずは小さい頃に出せた炎を自在に出せる様になる事、そこを目標にした。

「当然です」

「そっかぁ、
 なら、ジョシーと仲良くしてね。」

「ふふふ、彼、ですね。」

含みのある様な、色気のある笑い方をした。

「親衛隊とか、本当は好きじゃないけど
 それがみんなの安心になるなら
 そう言う形もいいと思ってるんだ。
 でもね、権力を使いたいためなら
 絶対に許さないからね」


特に、真面目なジョシーを傷つけたら、俺はきっと怒りをぶつけてしまうだろう。
そのくらいには、大事な仲間になっていた。


「大丈夫ですよ。
 私だって、彼が大好きですからね」

ん?

大好き?

赤い翼が光を帯びながら、神力を高めていく。

それなのに集中していなくて、いきなり大きな炎が爆発したように地面から立ち上がった。

「うわぁ!!」

「イズ様!
 集中して!!」

立ち上がり、龍が遊んでいるかのようにあちこちへと走る。

炎の龍を制御するために集中して、抑え込もうとしても出来ずに、炎が霧散した。
どちらかというと、神力を抑えで消すほうがうまくできた。

「どうしました? 
 イズ様」

「あ、いや、ザキエルが変な事いうから」

「そうですか?
 ジョフィエル、好きですよ。
 表情が硬いのに、感情が意外と激しかったり
 筋肉もしっかりついてるけど、華奢なところとか
 抱き心地良さそうですよね」

え!
あ、いや、って、えー??!




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