俺と俺の天使と俺の上司

天界よいとこ一度はおいで

ごはんですよ！

メタトロンとご飯を一緒にする約束もしていたから、みんなでと言った。

ウリエルはちょっと残念な顔をしたけど、それでも良いと言ってくれた。

なんか、絆されてる気がする。

でも、抱きしめてくれたあの安心感は本物だったから、仕方ないんだ。
段々、ウリエルの言葉や眼差しが、気になって仕方ない。

困った。
第二次性徴の前に思春期来たみたいな、複雑な感情が俺を素直にさせてくれなかった。
あれだけの事されてたんだし。

体に、精神年齢も引きずられているようなきもするし、明日、成長したらまた変わってくるのかもしれないし、取り敢えず微妙な感情に蓋をした。





天使は食堂自体が違ってた。
俺たち奉仕する者たちが食べる場所が大広間で、その奥に個室があるような。
入り口も別だった。

初めて入る天使用の個室に、ドキドキワクワクしていた。

メタトロンが俺を抱っこするって言うから、抱っこされたまま、座った。

そりゃそうだ。

乳幼児用の椅子が無かったから。

普通の天使は生まれ落ちてすぐ大人になるらしい。
花が実をつけて熟して落ちたら、天使なんだとさ。

俺は花が咲いた中に、親指姫のように赤ん坊で生まれてて、しかも人からの転生だから、奇跡なんだとさ。

色々よく分からん天使の世界だけど、ご飯は楽しみだ。

メタトロンが膝の上に座らせて高さ調節してくれたけど、俺いたら食べにくいだろうよ？

「メタしゃん、僕、自分で食べられましゅよ？」

「えー、イズくんにあーんてしてあげたい～」

そんなやり取りをしていたら、目の前に俺だけお子様ランチが！！
天使たち、何故お子様ランチの存在をしってるんだ！？

メタトロンやウリエルは、全く違う料理だから俺だけ特別みたいだった。

しかも、電車の車両が二つくっ付いた形のトレー！
ケチャップご飯に、エビフライ、小さいハンバーグに卵焼き！
小さいグラタン！
めっちゃ美味そうだし、電車の車両の一つが今ので、もう一つはプリンアラモード！

すげーテンションバク上がりしたわ！

いや、ホント、体に精神年齢が引きずられてる。
ヤバイわ。

先割れスプーンが出されたので、握ってみたが、握力ないのと、指が短くて持つのに一苦労。
だから、子供って握り箸みたいな持ち方すんだな。
指先に力足りないんだよ。
摘んでられないの。

メタトロンが、先割れスプーンでケチャップご飯を口に運んでくれた。

少し甘くつけられたケチャップとチキンやら玉ねぎ、コーンが細かく刻まれて入ってて、ウマウマだった。

ほっぺを両手で押さえた。

「おいちい！
　ウマウマでしゅ～」

「美味しいかい？」

「はい、メタしゃん
　初めてのご飯でしゅ！
　天界は美味しいご飯を食べてるんでしゅね～」

「え？
　今まで食べてなかったの？」
「食べたことがないだと？」

「あい、食べたことないでしゅ」

リンゴジュースがマグストローのカップに入ってて、これがまた、美味しい。

はあ、ご飯いつぶりに食べたんだろう。