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天界よいとこ一度はおいで

おむつはしましぇん!

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「私の仕事は今、お前の世話だ。
 おとなしく、何がしたいのか言ってみなさい」

脇から抱き上げ?持ち上げ?られて、行動できなくされてしまった。

嫌、放して、漏れるから。

「はなちてくだしゃい!
 お願いぃ~!!」

「だから、」

あー、出ちゃったよ。
出ちゃったじゃねーか!!

「お漏らしをしゃせてくれて、ありがとうごじゃいます」

「おむつを」
「いえ、ぱんちゅをはきましゅ」

こいつら、嫌いだ。

もう、漏らしてしまったら、あとは我慢するものもないので、普通に伝い歩きをサカサカして、お風呂場に行った。

乳幼児ながら、洗濯だってできます。
えぇ、色々やりましたし、元々貧乏人の子でしたから、知恵だけはあるんですよ。

「何を怒っているのだ?」

「え?何にも怒ってましぇんよ?」
 
乳幼児のシャワーシーン見て楽しいんか、あんた。

ぽてんなお腹をゴシゴシして、ちょっと手が届かないお尻もゴシゴシして、お湯をよろよろしながらかぶって、お風呂場を出た。
タオルを自分で取り、体に一生懸命巻いて終わらせた。

「ふぅ」

もう、それだけでぐったりだった。

あ、ウリエルってまだいたんだ。

「見守って頂いてありがとうございましゅ」

お前は何にもしてねーよって言外に入れましたよ。

「イズラエル!
 私は、お前に酷いことをした。
 だから、私の手を借りたくないのは分かる。
 だが、世話をさせてくれないか」

あれの蔑む様な目は何だったんだ。

「ウリエリュしゃま、わたちは大丈夫でしゅ。
 きっとこれも試練なのでしゅよ。
 でしゅから、見守っていてくだしゃい」

ね、って小首を傾げてきらっきらの笑顔を浮かべた。


「イズラエル!
 可愛い!
 偉いねー」

ミカエルが俺の可憐な赤ちゃん唇にチュッとしやがった!

「~!!」

俺のファーストキスが!!

そして、それを見ていたウリエルがまた、蔑むような目で俺を見ていた。

何だかそれが悔しくて、でっかいグレーの瞳から、ダバダバと涙が流れ落ちた。
そんなに嫌だったかって聞かれたら、そんな事は無いんだけど。

なんか、奔放?とか思われたような気がして悔しかった。

なんだか、感情とかも体に引きずられてるような感じだった。

子供の俺が、子供らしい感情と前世?の大人の振る舞いに翻弄されていた。

「しゅきで、ここにいるわけじゃないでしゅし、揶揄われるオモチャじゃないでしゅよ!!」

うわああん

号泣した。
癇癪を起こした子供の様に、いや、子供なんだけどね。

眠くてグズる子供だった。

「イズラエル、あまり泣くな。
 私はお前を揶揄ったりしない。
 ただ、ミカエルや、ラファエルにくっ付いてるのを見ると、何だか嫌な気持ちがしただけだ。
 すまなかった。」

ウリエルが俺を抱き上げて、背中をさすってくれていた。

それが気持ち良くて、お昼寝に突入してしまっていた。

まだ、ご飯もたべてないし、午前中に二度寝みたいなもんだけどな。
お風呂で疲れたのもあるし、何だか子供になっていってる気がした。

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