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天界よいとこ一度はおいで
日々の糧は
しおりを挟む今朝は遅刻せずに、何とか重い体を引きずってカミツキガメ上司の前にいた。
「今日は遅刻しなかったんですね。
では、君が食べる為に命を捧げてくれる家畜の世話をお願いします。
キチンと世話をしなければ、すぐに分かりますからね。」
「はい、今日も良いお仕事ができるよう、心を込めて尽くします。」
家畜の世話は主に、いわゆるシモの世話だ。
綺麗に清潔にしてあげて、美味しい糧とする為のお世話をする。
一人でするわけじゃないから、初めて他の人との共同作業だった。
付かず離れず、下級天使様たちが俺たちの作業を見て、指示を出してくれていた。
この人達も大変だなぁなんて思ったり、社畜ばりに働いてるのを見ると、天使もらくじゃないし、まあ、無いだろうけど天使には転生しなくていいや。
家畜って言っても案外可愛くて、鶏やそのヒヨコ、卵、雄鶏とまあ、様々な手が必要でとにかく周りと連携を取らなきゃやれない仕事なのはよく分かった。
仲良くなった人もいる。
「キホ、いい卵産んだねー」
おばあちゃんの名前つけると、何だか愛着が湧いて、キホも俺に懐いてくれた。
「ねえねぇ、いずみんは、何やらかして来ちゃったん?」
同い年くらいでちょっとヤンチャな見た目の吉田くんが、やらかしたのかって。
「んー?
上司から仕事が出来ないって言われて、かな」
「えー?
こんだけやっても?
出来ない奴って言われんの?
俺なんか適当よ、テキトー」
「体動かすのは嫌いじゃないんだよ。
なんか要領悪くて、説明するのも下手くそで、諦めちゃうんだ。
だから、余計にね。」
鶏達が足元に集まってきたよ。
心配すんなって、俺は元気だからさ。
カミツキガメ上司のいい子ちゃんが、わざわざ、こんなとこにまで来て絡んできた。
面倒くさい。
「こんな仕事も出来ないってまた言われちゃうかもね。」
「そうかもな。
どうでもいいから、こっち来んな!
さすがに、次は許さないから」
「いずみん、なにこの子?
すげ~、性格悪そうじゃん」
吉田くん、良くわかったなー
カミツキガメ上司は全く分かってなかったけど。
「頭悪そうな二人で消えちゃえばいいんだよ!」
捨て台詞を残して走るってどこの青春ドラマか、アニメかってーの!
「なあ、あれ何だったの?」
「ずっと嫌がらせされてるんだよね。
意味わかんないんだけど、ウリ坊が好きらしいんだよね。」
「ウリ坊好きでいずみんに絡む必要なくね?」
「そうなんだよねー
困っててさー
ちゃんとポイント稼ぎしないと、魂も消えちゃうらしいのに、あの子大丈夫なのかね?」
吉田くんに話すと、ポイントは上の采配も多分に有るらしく、実務と心根?の評価で出るらしい。
「そしたら俺、確実に消えちゃうなー
カミツキガメ上司に嫌われてるし。」
はははって笑ったら吉田くんが凄い怒ってくれた。
意外といい人だな。
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