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異世界は続くよどこまでも
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しおりを挟む俺たちは先触も出すことなく、人間の王室にいきなり訪問した。
先ずは、王の代行なのか取って変わったか分からないが、辺境伯を押さえる。
その次に、ロークの息子を使い姫を押さえる。
逃す事は命で贖うことになる、それを厳命した。
二手に分かれ、ライカスと神様は姫を押さえる方に。
精鋭の斥候部隊をを連れ、俺は駆けた。
獣の形を取るのは久しぶりだったけど、地を這う様に駆けた。
ついて来れたのはタロー様だけだった。
不思議だ。
体が軽い。
さっきまで、迷っていたのも本当だけど、今は肚が決まったからか。
そう思ったら、目的の辺境伯を狩り、姫の腹のトリスタンを狩る。
自分の力がこんなにも昂るとは思っていなかった。
辺境伯の気配をみつけた。
扉を吹き飛ばし、スピードを緩める事なく滑り込んだ。
体を横滑りにし反転させた。
そのまま、獣の長く鋭い爪で辺境伯の首を落とした。
ごとん。
一瞬だった。
辺境伯、トリスタンを手引きし姫の腹に宿らせたやつ。
あの騒ぎで王宮に来ていなかった遠い血筋。
だが、何かしらの神の怒りが落ちると知っていれば、来るわけがない。
それを予測できるのは、関わった人物だけだ。
俺の足を切り裂き、翼を折った人間。
覚えのある臭いが、あいつから漂っていた。
あの嫌な痛みと感触は、俺の手で斬り捨てるしか拭えない。
タロー様は知らない、俺の翼を足を切り裂かれ拘束されていた事を。
だから、あの人をこれ以上苦しめるわけにはいかない。
あの人の大事だったトリスタンを討たねばならないから。
その場にいた全員を、討ち落とした。
タロー様に気づかれる前に、落とさねばならなかった。
「アキ!
終わった!
止めい!」
「はあ、はぁ
タロー様、すみません」
「アキ、この男がお前の翼を折り、足を引き裂いた奴か?」
「え!!?」
「知っておったよ。
ライカスが教えてくれたからな」
あの時ライカスは眠っていたはずでは?
「ライカスは逃すために死の国に、お前が送ってくれたのも、ちゃんと知っていた。
アキを助けるために、あの子は成長したのだから。」
そうか。
ライカスが成長した理由はわかっていたけど。
ダメだなあ。
小さなライカスにあんなに負担をかけて、ごめんね、ライカス。
「これで、終わりではない。
アキ、シムラクルムとライカスの方に回るぞ」
「はい!」
タロー様は何もかもを理解して、俺のために動いてくれてるんだ。
嫉妬ばかりして、ごめんなさい。
心の中で、謝ったつもりが、聞こえちゃってたみたいで、抱き寄せられチュッとキスをされた。
私も嫉妬はしてるさ、と。
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