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異世界は続くよどこまでも

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みーつーけたー♪

[  あぁ、亜希、今こんな姿なんだな。
 あー、やだやだ、やっぱまた醜い姿なんだ。
 凄くお似合いだなぁ、ふふふ。
 さあて、捕まえに行こうかなぁ。
 僕を見てどんな顔するかなぁ。
 すご~く愉しみぃ]






ライカスをお昼寝させるために、子供部屋のベッドで添い寝をしていたら、ウトウトと眠ってしまったみたいだ。

「え!?」

知らない天井!

勢いよく体を起こそうとして、激痛が走りそのまま蹲った。

翼は小さくしていたが、飛ぶのに必要な羽を切られ骨を折り、辛うじて歩ける程度に脹脛を切られていた。

「ぐっ!あ!」

体が言う事を聞かない。

タロー様!
ライカス!

俺だけがここに居るんだろうか?
真名があるから、きっと繋がってるはず。

タロー様!
どこ?


走る痛みに顔を歪めながら、体を起こして今いる場所の確認をした。

まるで知らない部屋。

造りや置いてある物をみると、かなり裕福そうだ。

突然扉が開き現れたのは、トリスタンだった。

「醜いな。
 その姿。
 羽を折られ、足も切られ、走るも飛ぶも叶わずか。
 あーはっはっはっは!!!
 いや、悪い、楽しくてな。
 やっと、地に這いつくばるお前を見ることが出来て、俺の溜飲が下がると言うものよ。」

「トリスタン、お前!! 
 何をした!」

「俺は何もしてないぞ
 まあ、コイツを使ってお前を捕らえただけだ。」

後ろから出てきた男は、見知らぬ顔だったが醜悪な顔に、憎悪と蔑むような笑いを浮かべて、トシキと名乗った。
大魔法使いトシキだと。

「と、しき、?
 まさか!?」

「そう、そのまさかだよ、亜希
 気持ち悪い亜希」

「兄貴、なのか」

「兄じゃないな。
 僕はひとりっ子だしな。」

「あぁ、そうだね。」

「お前は大人しく、僕の言うとうりにしてくれれば良いんだよ。」
 
こっちの世界に来ると、本来の性格とかが顕著になるって、神様は言ってた。
あの兄貴の本来の性格はこんなに歪んでたんだ。
俺を飛島の家に迎えても、あの両親の圧に負けてた訳じゃなく、計算だったんだ。
だから、小さい俺を突き放すことも、俺だけを残して出掛けることにも、全く動じる事も無かったんだ。
あの家は、兄貴が中心になって動かされてたんだ。

都合良く、お金も引き出せる。

親すら、コイツのコマだったんだ。

「いやだ、あんたの思い通りにはならない!」

「なるしか無いよね?
 このチビ、殺しちゃうよ?」
 
「ライカス!!」

「また、気持ち悪いの産んだねー
 大体さ、男同士で子供とか、マジキモいわ
 ほんと、ケモノだな。
 こんなツノに羽?
 まあ、お前も似たようなもんか。
 な、このチビ殺されたくなかったら、言うこと聞けよ。」

醜悪な顔を歪める兄貴、いや俊樹に吐き気すら覚えた。


 




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