神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界は続くよどこまでも

33

城内はライカスが生まれた事で大騒ぎだった。

あ、お母さんに、言ってない！

「タロー様、おかあさんに教えてない！
　怒るかな？」

あんなに楽しみにしてたし。　　

でも今の状況じゃ、面倒を見に来てもらう方が危ない。
　
「母君には、色々落ち着いたらにしよう。
　今はシムラクルムの所が安全だ。」　

「やっぱりそうだよね」

ライカスはもう、5歳の姿でちゃんと言葉もしゃべる。

「おかあたま、大好き」

「ライカス、私は？」

「おとうたまは、好きだけど、ちらい」

えぇ～！ライカス、いきなりタロー様に嫌い発言！
でも、舌がうまく回ってなくて可愛い！！

「ライカス、どうしてお父様は嫌いなの？」

「おかあたまに、酷いことちたから。
　ぼく、ちゃんと知ってます。
　おかあたまに、みっともないところを、みちぇたくないっていいながら
　ほかの人たちと、あちょんでまちた！！
　ちかも！！
　おかあたまいがいの人を！」

「あわわわ！！　
　わー！！！わー！！！」

「浮気したんですか？！！！！」

「お、おいライカス！
　一緒に飲んだだけで、何もなかっただろうが！
　生まれてすぐ、夫婦の危機を引き起こさせるんじゃない！」

「おかあたま、こんなおとうたまはやめて、
　ライちゃんと一緒になってくらちゃい」

「ライちゃん…、
　ライちゃん、可愛い！！
　もう、可愛すぎる！！！」

俺がメロメロになってどうすんだ！
厳しい躾をしなきゃいけないのに！

「アキ、これは、ライカスは子供部屋で寝るようにしなければ危ないな」

う、確かに。

「ライちゃん、ちゃんとまずはお勉強したり
　色々な人の話をちゃんと聞いて
　賢い大人になってからにしましょうね」

中身は赤ちゃんなのに、人生設計考えてるなんて。
恐ろしい子！

ライカスの騒動がありそうな予感。











人の国では、神獣と皇太子との婚姻が発表された。

いるはずのない神獣。

「トシキ！　
　アキを捕まえてもないのに、皇太子と婚姻などとデマを流しおって！！
　どうするつもりだ！」

「どうするも何も、もうすぐ捕まえますよ。
　捕まえたらすぐにでも、婚姻をさせて傀儡にしたいじゃないですか」

［時間を空けると、対策されてしまうからな。
　トリスタンの奴が、何かバカをやらかしてくれれば、こちらの服従魔法もどうにかできるんだがな］

トリスタンの魔法で、俊樹は服従魔法で縛られていたが、それでもアキを捕まえるという事では重宝する待遇だった。

［そろそろこのバカと離れたいんだよな。
　解除に必要なのは、こいつの死だからな］

トリスタンを死に追いやれる立場の人間、もしくは魔族を使うことを考え皇太子とアキの婚姻を流布したのだった。