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異世界来ちゃったのかな?
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しおりを挟む「え、笑い過ぎです。
タロー様、俺のチカちゃんは凄いんですよ!」
「ははは!
いや、だから、なんでアキがドヤ顔してんだ」
タローさんでは不敬かなと思ったので、一応、様をつけてみた。
タローさんより、タロー様の方が似合ってるって思ったんだけど。
結局最後まで、お姫様抱っこでタロー様のお屋敷まで連れて来られた。
まさに、正統なお屋敷!
正統がどんなか、実はわからないけど。
自然の洞窟みたいなのを想像してた。
ごめんなさい。
漫画に出てくる貴族のお城のようなお屋敷。
俺に表現力があれば!
庭には懐かしいような花が咲き乱れて、刈り込まれた生垣に、行った事ないけどネズミの国にある様な、可愛い形に刈り込まれて形作った灌木が点在してた。
この庭の趣味はタロー様なのかな?
「このお庭は、タロー様が作らせているのですか?」
抱っこされたまま訊ねる。
いい加減降りたいけど、マントでぐるぐる巻き状態なので、無理なのですよ。
「庭師に好きにさせている。
楽しめる庭であれば良い」
優しいんだな。
楽しめる、確かに。
綺麗なだけじゃなくて、楽しむって大事だ。
「あの!
先ほど、魔王軍があそこに居たのは、人間と戦争でも始めるところだったのですか?」
もう、戦いなら魔王として抜けてきちゃダメなやつじゃない?
「いや、訓練中だっただけだ」
いやいや、なんか無きゃわざわざ魔王まで出張らないでしょ!
「俺、迷惑にはなりたくないから、
嘘は言わないでくださいね?」
「うむ、そうか
実は、ちょっと争っている。
魔獣を人間が服従魔法を使って使役していてな。
合意なら従属魔法だが、服従魔法は許せん。
そこで解放しに赴いていた。」
「なら、いないとダメじゃないですか!」
「アキを置いたら」
「ダメでしょ!
ちゃんとして!
服従なんて許しちゃいけないんですよ!」
もう、降ろして!
「はい、もう、俺は置かれました!
タロー様は戻る!」
「アキ、ではすぐに戻るからここに居てくれ」
「居ますよ。
行くとこないですし。」
「分かった!
すぐに済ませてくるからな!」
踵を返すと、タロー様は戦場へと戻って行った。
お屋敷に勝手に入るのも躊躇われたので、チカちゃん、スズキくん、こうもりちゃんと庭の探検をした。
こうもりちゃん、んー、イーリスってどうかな。
「ね、君達、七精霊なんだろ?
なら、イーリスって呼んでいい?」
いつまでもこうもりちゃんは可愛そうな気がするし。
「チカちゃん、スズキくん、この子七精霊の集合体って言うのかな、イーリスちゃん
仲良くしてね」
『アキ様、先程は余りにも悲しまれていた様子でしたので、控えましたが
此奴らはあのアホの配下でもあり、あまり賛同し兼ねます。』
『我も、チカ殿の意見に同意しますな』
「んー、イーリス、うちの子になる?」
パタパタと小さなこうもりの翼と小さな毛玉で、うんうん、と頷いた。
「じゃあ、真名が有ればいいのかな?
真名はアエル、どうかな?」
俺が作り出した子じゃないけど、真名ってつくのかな?
分からないけど、真名としてアエル。
呼び名はイーリス。
毛玉こうもりちゃんに真名をつける時に少し俺の魔力を練り込んでみた。
すると、真名が付けられた毛玉こうもりちゃんは、デジ○ンが進化する様に七色の光から違う姿で現れた。
鱗に毛も生え、龍の様な顔。
体は馬みたいな。
これ、麒麟だよね?
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