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異世界来ちゃったのかな?

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「アキ、様
 これ、まさか、命をつくったんですか!?」

「アキ様!
 とうとう命を作り出せましたね!
 素晴らしいです!
 しかも、使役獣ですか。」

ラドルが獅子をみて感嘆していた。
ラゼルは、絶句してる?

 
命を、って言われれば、そうかも。

「禁忌とかでしょうか?
 だめだった?」

戻せって言われても、もう、無理だよ。

「命を作り出せるのは、神と神獣だけです。」

え、て事は、俺、ちゃんと神獣として魔法が使えたの?
俺、神獣になれてた?

嬉しい、嬉しい!

作り出した焔の獅子は、力強い瞳で俺を見つめ、静かに伏せた。


神様がやっぱり現れたよ。

「アキ、気配がして来たけど、すごいじゃない!!
 カッコいい子、作り出したね~
 守りであり、武器、良いねー、この子。
 名前つけてあげた?」

「えーと、まだ、です」

「名前をつける、それは、真名だからよく考えてね。
 でも真名で何かが左右されるのはあんまり無いかな。
 使役獣だしね。」

神様が、この子に触ろうとしたらもの凄い威嚇をした。

「あ、チカちゃん、メッ!」
「ぎゅうん」

伏せをして、なんだか泣きそうな顔をして、名前を呼んだ途端、焔に包まれていた全身が綺麗な紅い被毛に変わった。
可愛い!

「あのさ、アキ、ちかちゃんて、この子?」

「はい、真名はちからって意味で別につけました。
 真名は内緒です!
 呼び名はチカちゃんです!」

すごいドヤ顔で言った!
だって、俺の子だもん!
チカちゃん、大事にするね。

「チカちゃん、宜しくね。
 神様には噛みついちゃダメだよ、わかる?」

「ガウ」

「お返事できて偉いね。」

伏せたチカちゃんの頭を撫でると、言葉が流れてきた。

『アキ様、私の真名はマイトですね。
 貴方様の側にいられる事、存外の幸せです。
 これから、存分に私をお使い下さい。』

「触ると会話できるの?」

『いえ、真名をいただいた事と、触れていただいた事で絆が出来ました。
 回路が繋がったのです。
 どんなに離れても、会話が出来ますよ』

「すごいねー
 チカちゃん、大好き!」 

気持ちいいもふもふの背中に顔を埋めていたら、チカちゃんが乗りますか?って。

「乗って良いの?
 俺重いよ?」
『アキ様の神獣なれば、容易い事です。』

おずおずと、跨いだら毛がフカフカで気持ち良くって、最高だった。

『アキ様、しっかり掴まっててくださいね。
 駆けますから。』

「みんな、チカちゃんが乗せてくれるって言うから、乗ってくるよ」

神様も、ラドルもラゼルも、待って!!って止められた。

「ダメ!ダメ!
 アキ!ダメだから!!」

「なんで?」

チカちゃん、優しいよ?




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