神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界来ちゃったのかな？

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「お初にお目にかかります。
　次代の精霊王候補、フィル・アスラ？です。
　アキ様でよろしいですか？」

精霊王になるためにアスラがつくのかな？
俺もフィルって名前しか知らないし。

「あ、いえ、貴方にはブランカと呼んでください。
　アキは精霊王との絆なので。」

あのバカ領主がつけた、どうでもいい愛称。

「私もアキ様と呼ばせてくださいよ。」

この人は俺が、イラつくほど嫌いな亜希だとは気づいてないんだ。
まあ、興味もないからだろうけど。

「フェースライザー、ずいぶん品の無いのを連れて来たね？
　お前は先代の神獣といい、厄介なのを。」

「と、言うと、こいつがですか？」

神様は頷いた。

「さて、フィルとやら、何故ここに？」

「友達を追いかけたら、ここに来てしまいました。
　異世界に来るって事は、きっと理由があったのかと。
　ですから、この世界で恋人の俊樹を探そうとしていた所です。
　俊樹もこの世界に居るはずなんですよ。
　まったく、出来損ないの弟なんかほっときゃいいのに、優しいんですよ、俊樹って。
　血も繋がらないのに、引き取るって聞かないから、親も折れたらしいけど、その分色々枷が付いて、可哀想だったんです。
　だから、あのバカ弟とやっと離れられたのに、追いかけて来るし。」

引き取られたのは兄貴が、なの？
兄貴だけ期待されてたと思ったけど、俺を家に居させるために、だったの？
何にも知らなかった。

「ほぅ、それで？」

「とにかく、気持ち悪い奴なんですよ。
　俺が好きだったんでしょうけど、俺は嫌いだったし、いつも突き放してやってたのに、うざいったら無い。」

ラドルが怒りを冷たい笑みに変えて尋ねた。

「この世界で俊樹とやらが見つからなければどうするのだ？」

「精霊王になって、ゆっくり探します。
　それに、こんなに綺麗な子見たことないですから。
　俺もアキ様の番い候補になりたいです。」

「見つからなかった、アキ様でもいいってことか？！」

火の精霊王ラゼルが吠えた。

「フェースライザー様から聞いてます。
　すごく聡明で、そのくせ、何もかもが初めてで、可愛いって。
　だから、俺もアキ様が欲しいって思ったんです！
　一目惚れです！」

フィルって、バカだったんだ。
そりゃ、話したこともあんまり無いし、俺が勝手に持ってた幻想だから。
でも、ここまでかけ離れるものなのかな？

「世界を渡ると、その人が持ってる一番強い性格や思考が強調されてしまうんだよ。
　元々はこんな性格で、それを上手く隠していい人そうにしてただけだよ。」

神様が多少性格変わっても、元々の資質だって。

「そうですか、でも、俺のどこを好きだなんて思えますか？
　だって、イラつくほど嫌いって言われたのに。
　言った本人が忘れてるとか、そんなバカな話無いですよね？」

「えぇ？
　お前、俊樹の弟か！！」

「はい。
　向こうの世界では色々お世話になりました。」

「生まれ変わって顔きれいにしてもらうって、どんだけコンプレックスなんだ。」

「ぶはっ！
　いや、アキは最初からこの顔してたよ？
　私が好きだから、お前みたいなバカから守る為に連れて来たし。
　何にも見てなかったんだよ。」

「今なら、俺もお前と付き合ってもいいぞ」

はあ？ほんとバカなの？
あれか、男は別れてもまだ俺のこと好きで待ってるみたいな？


「えっと、それならまずは、神様を倒してからにして下さい！」


え、それ。
違くね？と。