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異世界来ちゃったのかな?
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『なんで、君まで来れちゃったんだよ!』
少し怒りを含んだ声色が聞こえた。
正確には、頭に響いた。
「え?」
『あのさ、アキはお前らから離れて新しい生をやり直してんだから、邪魔しないで欲しいんだよね』
「亜希は!?
亜希のとこに行きたいんだ!
あの子を独りにしたらだめだ!」
『お前、何勝手に言ってんの?
全然大事にしなかった癖に!
私がこっちに連れてこなかったら、あの子死んじゃってたよ?』
だから、帰ってと。
「今度こそ守る!
だから、亜希の」
言い掛けた所で、新たにフィルが落ちてきた。
『だから、何でこいつもだよ!!
アキが苦しんだ原因をお前が連れて来んなよ!!』
「いやだ!
亜希が大事なんだ!」
『はぁ~めんどくさい。
アキからは一番、遠いところにしてやるよ。
今は姿も全部変わってるから、すれ違ったところでわかんないだろうしね』
「何で!そんなひどい!」
『何でだ?あぁ?
お前らに愛想尽かしてんだよ。
人にはもうなりたくないってな!
少しは、アキの気持ちを考えろ!
いいか、お前らにできる選択は二つだ。
今すぐ、このまま元の世界に帰るか、
同じ世界で、2人仲良くひっそり生きていくか、だ』
「そ、んな。
でも一緒の世界なら、会えなくはない!
フィルはどうでもいいから、俺をこの世界のどこかへ」
『意外に胆座ってんな。
じゃぁ、お前も今の姿を変えてやる。
アキもお前に気づかない、それでいいよな?』
「亜希を絶対に見つける!」
『そか、じゃぁな』
俊樹の目の前が暗くなり、次に目が覚めた時は知らない天井だった。
川の水は美味しかった。
普通の猫よりは指が長くて、肉球も大きい。
これって、トラとかの大型獣の手じゃね?
俺はきっともっと大きく成長するんだ。
水に映る俺の姿は、確かにモフモフで可愛くツノも小っちゃいからそんなに気にならない。
背中の小さくて白い羽根も、う~ん、俺しかいないって種族だからかもだけど。
このツノ万能なら、隠せないかな?
「ツノを隠す」
ゲームとかしたことないから、呪文?とか分かんないし、とにかく俺のしたいことを口に出してみた。
すると、ツノが小さくなり、模様のようになって見えなくなった。
自分の手で触ってみても、まったく分からない。
やった!
これで、羽根の生えた猫だ!
少し安心したら、ぎゅるるるるる~ってお腹が鳴った。
「何が食べられるんだろう?」
来る途中に実がなってる気を何本も見つけたけど、美味しそうな匂いはしなかった。
やっぱり、猫は魚なのかな?
川へ近づいてみると、魚は泳いでるが、捕れそうもなかった。
あんまりお腹がすいて、その場で丸くなってとりあえず寝てみた。
現代っ子には、サバイバルは厳しかった。
少し怒りを含んだ声色が聞こえた。
正確には、頭に響いた。
「え?」
『あのさ、アキはお前らから離れて新しい生をやり直してんだから、邪魔しないで欲しいんだよね』
「亜希は!?
亜希のとこに行きたいんだ!
あの子を独りにしたらだめだ!」
『お前、何勝手に言ってんの?
全然大事にしなかった癖に!
私がこっちに連れてこなかったら、あの子死んじゃってたよ?』
だから、帰ってと。
「今度こそ守る!
だから、亜希の」
言い掛けた所で、新たにフィルが落ちてきた。
『だから、何でこいつもだよ!!
アキが苦しんだ原因をお前が連れて来んなよ!!』
「いやだ!
亜希が大事なんだ!」
『はぁ~めんどくさい。
アキからは一番、遠いところにしてやるよ。
今は姿も全部変わってるから、すれ違ったところでわかんないだろうしね』
「何で!そんなひどい!」
『何でだ?あぁ?
お前らに愛想尽かしてんだよ。
人にはもうなりたくないってな!
少しは、アキの気持ちを考えろ!
いいか、お前らにできる選択は二つだ。
今すぐ、このまま元の世界に帰るか、
同じ世界で、2人仲良くひっそり生きていくか、だ』
「そ、んな。
でも一緒の世界なら、会えなくはない!
フィルはどうでもいいから、俺をこの世界のどこかへ」
『意外に胆座ってんな。
じゃぁ、お前も今の姿を変えてやる。
アキもお前に気づかない、それでいいよな?』
「亜希を絶対に見つける!」
『そか、じゃぁな』
俊樹の目の前が暗くなり、次に目が覚めた時は知らない天井だった。
川の水は美味しかった。
普通の猫よりは指が長くて、肉球も大きい。
これって、トラとかの大型獣の手じゃね?
俺はきっともっと大きく成長するんだ。
水に映る俺の姿は、確かにモフモフで可愛くツノも小っちゃいからそんなに気にならない。
背中の小さくて白い羽根も、う~ん、俺しかいないって種族だからかもだけど。
このツノ万能なら、隠せないかな?
「ツノを隠す」
ゲームとかしたことないから、呪文?とか分かんないし、とにかく俺のしたいことを口に出してみた。
すると、ツノが小さくなり、模様のようになって見えなくなった。
自分の手で触ってみても、まったく分からない。
やった!
これで、羽根の生えた猫だ!
少し安心したら、ぎゅるるるるる~ってお腹が鳴った。
「何が食べられるんだろう?」
来る途中に実がなってる気を何本も見つけたけど、美味しそうな匂いはしなかった。
やっぱり、猫は魚なのかな?
川へ近づいてみると、魚は泳いでるが、捕れそうもなかった。
あんまりお腹がすいて、その場で丸くなってとりあえず寝てみた。
現代っ子には、サバイバルは厳しかった。
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