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酔っ払いとトライガ
しおりを挟む「あんね、俺ね、お酒ってあんま飲んだこと無いのね、でもね、このお酒はね、すっごく美味しいのね、」
うふふ~って笑いながら、サリューにもふんってなだれ込んだ。
皆んな半分動物になっていたり、サリューなんか熊になってるし、もふもふが気持ちよくて抱っこされながら、チビチビと飲んでいた。
「なんで、俺だったのかな~っていつも思うんだけど、俺を選んでくれて嬉しかったなーとも思うんだよ。」
「ライカはね、一番強くて綺麗な魂だったからだよ。」
そんなの信じられなかった。
「トライガが来たら、分かるんじゃ無いかな。」
ターセルがふふって笑った。
思わせぶりなその笑顔が気になったけど、トライガに会ったら分かるって言われたのが気になり過ぎた。
「ライカ、起きて~
トライガ来たよー」
サリューに抱っこされたまま寝落ちした上に、ダラシなくヨダレまで垂らして、もふもふが、カピカピになってた!
ガバッと起きた時には既にサリューの毛皮は酷いものだった。
「ごめん!サリュー!」
急いでタオルを出して拭いたけど、お風呂に入って欲しい案件だった。
「だいじょ~ぶ~。
ライカが軽くて小さくて可愛かったから~」
サリューはそう言いながら、トライガだよ、って紹介してくれたのは、俺には昔話とか、アニメに出てくる様な、所謂、丘が実は背中でした、って世界の大きな亀だった。
「トライガさんて、大地の精霊王?ですよね?」
「そうだ。
私がトライガだ。」
目の前にいるのは、大きな亀で大地と一体化していた。
地形が変わっちゃってるわ。
「初めまして、ライカです。」
「ライカ、会いたかった」
トライガがそう言いながら人の形に変わり始めた。
「これの方が話しやすいかな?
ライカ、可愛い子よ」
一番歳上らしいトライガは、茶色い髪を無造作に切った様な髪型に、無精髭のワイルド系で笑顔が人好きする様な、ちょい悪オヤジなイケメンだった。
大きい岩に腰掛けると、足を上げて胡座を組んだ。
「すまんな、私の足は大地の地脈とでもあり、止まっていると、つい根が生えてしまうんだ。」
足を地につけてると、根が生えるって言うなら、少しだけな離してあげれば、いいんじゃないかな?
一歩一歩歩くたびに、そこから根っこみたいに大地に惹かれてしまうなら、移動が大変なのはすぐに分かった。
地脈から世界は分かるけど動けない、他の精霊王の様に自由に見て回ることも出来ないのか。
ターセルの表情の正体が漸く理解できた。
それなら、バッグの中にある車椅子を自動で動かせる様なら良いんじゃ無いだろうか?
車がエコカーになった様に、車椅子もなってくれないかな?
取り敢えず出してみて、今とかなら押してあげるられるし、と。
「トライガさん、これに座ってみてくれませんか?」
バッグから、車椅子を取り出した。
ビックリ!はもうあんまりしなかったけど、車椅子が自律移動出来る物に、仕様変更されていた。
動力は電気でもなんでもない、精霊の力。
所謂、魔法でした。
「うわっ!
なんじゃ、こりゃ!
思った方向に楽々動いてくれるぞ!?」
ちょい悪オヤジなイケメンが、遊園地に来て、はしゃいじゃってる様なそんな感じで、ものすごい勢いで、車椅子を乗りこなしていた。
車椅子って、乗りこなす様な物じゃないと思うんだけど。
MTBとか言うんだっけ?あの自転車の前輪をクルクル回転させちゃったり、やたら高いとこ飛んだり、止まったりするやつ。
アレを車椅子でやる必要は無いかと思うんだよね、俺はさ。
そして他の精霊王たちまで!群がって遊んじゃってるし!
「自転車があれば、カッコついたかもだけど、車椅子でもアクロバティックな事出来るんだ。
トライガさん、これなら移動したい時は使えるんじゃないですか?」
「あぁ、いいな、これは。
だが、あまり必要ないかもしれない。
これからは、ライカの側にいれば良いからな。」
ん?
「サイズを小さい亀にするさ
そうしたら、運んでくれるだろ?」
それ前提でしたか、ははは。
「良いですよ、抱っこしましょう」
嬉しそうにトライガは車椅子の上で笑った。
一緒に遊んでいた精霊王たちも、小さくなるから抱っこして、と、どこの子供だ!って争いが起きてたけど。
「改めて、ライカ我らに娶られる約束をありがとう。
誓いに我らからの口づけを
それと、トライガ、な。」
トライガは俺の前に立ち、口づけと言うには随分と官能的なキスをした。
そして、次々に淫猥なキスをされながら、四人の精霊王の手によって、快感を与えられていった。
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