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言い訳にも程がある

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 シイラは悪びれもせず、ライカのお陰、とか言いやがった。
 口悪いけど、愛してるか?って聞かれて答えてたよな?あぁん?

「へぇ、どこのライカなんだろうね?」

「え?やだなあ、ヤキモチ?」

 どの口が言うんだ、どの口が。

「ライカ殿!
 謝罪します!
 どうか、水の精霊だけでも、我が国に力を貸していただけないでしょうか!?」

 王太子が土下座する勢いで飛び出して来た。
 魅了魔法はユアが勝手に使ってたからだし、うーん、でも利用されるのは嫌だし。

「ライカ、シイラに任せて私たちは他の精霊王が待つ国に行きましょう。
 ね?シイラ?貴方は最初の救世主でやらかしたんですから、その契約解除にライカを使うとは、本当に呆れましたよ。
 しかも、額に印まで付けて。」

 ターセルがかなりの嫌味で、シイラがつけたこのデコに有るらしい印の事を言ったから、何の意味が有るのか気になった。

「ライカ、シイラは自分が魅了魔法に掛からないと言いつつ、掛かってしまった時の解呪の為に、ライカの印を使ったんですよ。」

 はい?、はいー?
 額にタコマークが浮かんでいたか、青筋が浮かんでいたと思う。

「あー、じゃあ、アイシテル、はやっぱりユアに言ってたんですね。
 そして、君なんか求めてない、と。」

 あれはかなり傷ついた。

「シイラ、カシュクールの水事情をどうにかしてから来てくださいね。
 私たちは先にライカと行ってますから。
 あ、間に合わなくてもいいですよ?
 ライカを娶るのは私たち三人で十分ですからね」

 ターセルがしっかり釘を刺して、俺たちは移動するために車を出した。
 別にもう隠す必要も無いし、三人も凄く乗りたがってたからね。

「は?ライカ殿、それは?!」

 クラン騎士隊長も王太子も宰相も、その辺で騒いでた王侯貴族も、顎が落ちそうなほど口を開けて驚いていた。
 まず見た事ない物だろうけど、それよりも魔力も無いと思われていた俺が、インベントリを使っていた事とか、そこから車を出した事とか、どっかで馬鹿にしていた俺の事をバカに出来なくなった事実に驚いていた。

「ライカ殿!
 お願いです!
 この国に留まって、伴侶を迎えていただけないか!?
 私なんかどうです?
 この国の王太子ですし、将来的にも有望ですし、顔も体もかなり良い方だと自負しております!」

「王太子殿下、俺をバカにしていたのに、手の平を返されても無理とか思いませんか?
 どこまで恥知らずなんですか、カシュクールって国は!」

 縋ろうとする王侯貴族を退けたのはサリューだった。

「厚顔無恥ってこういう事なんだな
 大地の精霊王が待っている、ライカ行こう」

 この騒動で、ユグドラシルを育てる大地に力を貸してくれただろう、大地の精霊に会いに行くと言ってくれて邪魔をするなら、力技で押し退けると言ったらやっと引いてくれた。

「さぁ、乗って。後ろの席は少し窮屈かもしれないけど」

「いやぁ、私たちが少し体を小さくすればいいのさ。」

 ターセルなんかワクワクした子供のような目で、助手席に乗り込んできた。

「こんなのが動くんだ、凄いなぁ」

「確かに狭いな…
 少し体を小さくするから、サリューもしてくれ。」

 体を小さくして後部座席でキョロキョロとする彼らを見てると、車があって良かったなんて思った。
 










☆短くてすみません。
 飼い猫が亡くなってしまって…申し訳ありません。
 更新が遅くなると思います。

 

 
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