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執着の終わりとピンク砲
しおりを挟む結局、土龍探索を早々に達成して、ここのギルドから離れる事にした。
「依頼は達成です。
ギルマスから、謝罪の品を預かっております」
いやいや、いらないし。
「食べ物ならみなさんで、高価な物なら換金していただいて、孤児院にでも寄付してください」
そう言うと、受け取る事以前に物を見る事も無く、その場を後にした。
ロイズは絡んでこなかったし、公爵はあの返事を貰ってから姿を見せなくなっていた。
これが正しい形だ。
僕たちは相容れないと最初から否定していたのはモンブラン公爵だったんだし、今更だ。
心に残った澱の様な感情を殺して、僕は隠遁できる場所を探すと言う自由に生きる自分を想像した。
あら? あそこに見えるのは私を置いて行った船じゃないかしら?
「うぉん! ガウゥ! ウウー!」
「よーしよしよし、いい子ねぇ。
この広い海で良く見つけたわ~、ゴブリンちゃん達! あの船に突撃ー!!」
「きゅー!!」
まるで海賊の如き勢いで、アイツらの船に横付けすると、ゴブリンちゃん達は一斉に乗り移って一人一人倒しては捕縛するを繰り返した。
「あらあら、ご無沙汰していましたわ、まだこんな所をうろついていましたのね?」
「お前! あの島からどうやって!? しかもこの魔物たちは!」
「これってヒロイン補正なのかしらねぇ?
魔物も私に懐いてくれるのよ。
だから簡単に追えちゃったわ」
「いやいやいや! 絶対おかしいだろ! お前、魔法かなんか使ってるだろ!」
うーん、あるかもねぇ。
「だから何? 私は使おうと思って使ってないもの~」
「俺たちをどうしよって言うんだ!」
「アンタたち、私をあの島に置き去りにしといてどの口が言ってるのかしら?」
つい腰に巻いてた鞭を取り出して、彼らの体すれすれに叩きつけた。
ピシ―! ピシ―!
「わ、悪かった! 怖かったんだよ! お前さんが俺たちに乱暴したじゃないか!」
「簡単なお願いだったじゃない。
ポセイドンの海へ連れて行って、それだけよ?」
海と海がぶつかるところに出来る渦の底、そこにポセイドンの宮殿があって王子様がいるのよ。
「ポセイドン様は海の神様で俺たちはたどり着けねぇよ」
「私は行き方を知ってるから大丈夫なの!
いい? 私の言う通り海と海がぶつかる渦の場所で、月が出るまで待てばいいの」
そうよ、月が出ればポセイドン宮が海面に上がって来て入れる様になるんだから。
「あそこは悪魔の海だ、俺たちは命が惜しい、絶対行かねー!!」
「きゅ、きゅー」
「あら、そうね。
確かにこの船とあっちの船を合体して強い船にしたらいいのよね。
ゴブリンちゃん達ったら、良いこと言うわねぇ」
早速、アイツらの船を使って私達の船を強化することになった。
あ、アイツらは邪魔だからイカダに乗せて、さよーならーってしちゃったわ!
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