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ギルドからの依頼
しおりを挟むギルド長は真剣な表情で、作って欲しいポーションがあると言い出した。
「こんな効能を追加出来る君なら、なんとかなるのではないか、と思ってな」
まるで某アニメの、碇○○ドウポーズで。
「調合しか出来ませんけど」
「調合、と言う事にしておいてやる、だから、」
「な、なんですか」
「頼む! 頭髪に効くポーションを作ってくれないか?!」
土下座せんばかりの勢いで、二人が僕に頭を下げて来た。
「ちょ、ちょっと! 毛生え薬って事ですか?」
「そうだ、そして維持とか、願わくば美髪に!!」
そう言えばこの世界って、かなり頭髪で左右されてるところがあったわ。
髪の毛を切っただけであれほどの反応があったくらいだし、頭髪が人生を左右しかねないんだろう。
「あの、まずは頭を上げて下さい。
その頭髪関係の薬って作った事が無いので、何が必要か分からないのですが」
本当なら、真実の目を使って鑑定すれば、素材が何に使えるか分かるんだけど。
「ギルドの倉庫にある素材を使ってもらって構わない!!
だから、頼む! お願いします! 段々薄くなる恐怖が」
そこまでなの?
「うぅ、分かりました。
出来るか分かりませんが、それで良ければ」
「あぁ、頼む! 宿での滞在費はギルド持ちにするし、素材は好きなだけ使って良いから」
「私もお願いします! サラサラヘアって言われても、抜け毛が気になって気になって、洗うたびにごっそり抜けてるんです」
肩を震わせて涙ぐむ二人に、禿って辛いよな、特に若禿ってさ。
ちょっと身につまされてしまった。
「頑張りますね」
「ありがとう! 本当に君は神様の様だ!」
うぉぉぉって意味不明な雄叫びを二人であげていた。
私のローレンツォを探しに行かなくては。
陛下は何と言っていた? 既にこの街を出たと言っていた。
ならば、この数日で行ける範囲なんぞ限られている。
すぐに見つけ出して、私の胸で歓喜の悦びを与えてやろう。
「あっ!!
公爵様! こんなところでお会いできるなんて! 私たちやっぱり運命なんですわ」
王城の裏門にあたるところで、ピンクの髪の女に出会った。
「顔色が悪うございますわ、私がベッドで癒して差し上げますわよ?」
なんだ、この牝牛の様な女は。
「いらぬ、また牢獄から出て来られたのか」
「えぇ、だって私たちの間には真実の愛が」
「その胸、不快だ。
そぎ落とすか小さく出来たなら、一考してやろう。
そうじゃなければ近づくでない。
衛兵! いい加減にこの牝牛を檻からだすな!!
魅了魔法を使われていると知って尚、魅了されるとは恥をしれ!!」
裏門に衛兵が集まって来ると、さすがに学習したのかピンクの髪の女はものすごい勢いで城外へと走り去っていった。
腕輪が教えてくれる。
この魅了を使えば、愛しい彼が我が物になると。
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