【共依存DK】幼なじみのハルミナト

616.二百円付き添いの小話（図書館記念日）

「晴海、二百円とドーナツで僕の付き添いしない？」
「そんなんなくても一緒に行くけど、どーしたんだよ」
「一人で行くのは心細いなーって思う場所があって」
「ふうん？　その名は？」
「毎日書道図書館！」
「すっげー湊のテンションが上がりそうな図書館じゃん」
「そう！　日本で唯一、書道関係の資料専門の図書館なんだ。公共図書館じゃないから入場料もかかる。それが二百円」
「アー。基本プロ向け？　みてーな？」
「ちょっとドキドキでしょ。でも書道の専門資料に埋もれてみたい気持ちはすごーくあるんだ。だから」
「任せろ。オレが隣からむちゃくちゃ勇気付けっから」
「やったあ。晴海がひとりで行きにくい場所があるときも、僕がちゃあんと付いてくからね」
「ちげーな」
「違うの？」
「さっきもゆったろ。オレはどこだろーと湊に付いていきてーし、付いてきてほしーの」
　晴海は堂々と胸を張る。なるほどアウェーであってもホームであっても、つまり一緒に行けばいいのだ。



（了）230430