上 下
613 / 623

613.ひとたまりもない小話(植物学の日)

しおりを挟む
「うおっと、危ねー」 
「さすが晴海、ナイス回避。危うくお花を潰しちゃうところだったね」 
「スケボーの車輪でいっちまったらかなりヤベーよなたぶん」 
「すかさず飛び越えられるなんてカッコいい」 
「ふふん」 
「このお花も晴海に感謝してるんじゃないかな」 
「この花って名前あんの」 
「もちろん。本邦植物学の父曰く、雑草という草はない、っていうくらいだから」 
「へー! どんな草花でも名前アリって?」 
「分類されてるってことなんだろうねえ」 
 ちなみに晴海の足下で可憐に揺れているのはサクラソウだ。それを晴海に教えると、晴海は長い足を折り畳んでしゃがみ込み、「サクラソウごめんな」と謝った。きちんと目線を合わせて真摯に名前を呼ぶのだから、これが人間だったらひとたまりもないだろう。 



(了)230424
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

浮気な彼氏

月夜の晩に
BL
同棲する年下彼氏が別の女に気持ちが行ってるみたい…。それでも健気に奮闘する受け。なのに攻めが裏切って…?

【R18】平凡な男子が女好きのモテ男に告白したら…

ぽぽ
BL
"気持ち悪いから近づかないでください" 好きな相手からそんなことを言われた あんなに嫌われていたはずなのに… 平凡大学生の千秋先輩が非凡なイケメン大学生臣と恋する話 美形×平凡の2人の日常です。 ※R18場面がある場合は※つけます

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話

雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。  諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。  実は翔には諒平に隠している事実があり——。 諒平(20)攻め。大学生。 翔(20) 受け。大学生。 慶介(21)翔と同じサークルの友人。

告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした

雨宮里玖
BL
《あらすじ》 昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。 その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。 その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。 早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。 乃木(18)普通の高校三年生。 波田野(17)早坂の友人。 蓑島(17)早坂の友人。 石井(18)乃木の友人。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

処理中です...