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592.雪からガードの小話

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「雪、そんなに強くならなくてよかったね」
「まーなー。でも早めに帰ってきたのは正解だったかもな」
「滑らないようにゆっくり行こう」
「おーよ。ついでにオレに掴まっとかね?」
「転ばぬ先の晴海だ」
「ツルっといってからじゃ遅えだろ。……っつーのは後付けの理屈でー、たんに湊とくっつく大義名分が欲しーだけだけど」
「ふふふ。じゃあその大義名分に乗っかっちゃおうかな」
 湊は晴海のダウンコートの肘を掴まえる。覚束ない足下も氷点下の寒さも解消できる、魔法のような幼なじみである。



(了)230210
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