上 下
518 / 623

518.繋がりたくなる小話(皮膚の日)

しおりを挟む
「あ。ヤベ」
「うわ、接着剤」
「指くっついた。剥がれっかな」
「晴海、ストップ。無理やり剥がしたら傷になるかもしれないからマテ。晴海の指に傷がついたら僕は卒倒するからね」
「湊ソットーは困っけどどーすんの」
「お湯かな」
「お湯」
「マニキュアの除光液でも取れるみたいだけど持ってないから。熱いお湯に浸して少しずつ剥がそ」
「リョーカイ」
 湊は晴海の手首を握り、軽く引いて先導する。親指と中指がくっついて手を繋げないのだ。できないとなれば尚のこと、手のひらを合わせたくて仕方がなかった。



(了)221112
しおりを挟む

処理中です...