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220.眠りに落ちるまでの小話
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「昨日動画サイト立ち上げたまんま寝ちまって。朝起きたら人間の声がすっからビビった」
「自動再生してたんだ」
「そー。スリープ解除してぐるぐる」
「そんなに見たいものがあったの?」
「や、寝付けなかったから。動画見てたっつーより、なんか聞いてたらそのうち寝落ちるだろ」
「僕に電話してくれたらお話ししたのに」
「深夜だし。とっくに湊は寝てんじゃん」
「晴海の電話なら起きるよ」
「寝てんのに? わかんの?」
「ビビッとくるよ」
「マジか」
「それにさ」
「うん」
「僕の声のほうが好きでしょう」
「……好き。めちゃくちゃ好き」
「よろしい」
我儘である自覚はある。ひとりを感じたときには湊のことを呼んでほしいのだ、他の誰かではなくて。
(了)220117
「自動再生してたんだ」
「そー。スリープ解除してぐるぐる」
「そんなに見たいものがあったの?」
「や、寝付けなかったから。動画見てたっつーより、なんか聞いてたらそのうち寝落ちるだろ」
「僕に電話してくれたらお話ししたのに」
「深夜だし。とっくに湊は寝てんじゃん」
「晴海の電話なら起きるよ」
「寝てんのに? わかんの?」
「ビビッとくるよ」
「マジか」
「それにさ」
「うん」
「僕の声のほうが好きでしょう」
「……好き。めちゃくちゃ好き」
「よろしい」
我儘である自覚はある。ひとりを感じたときには湊のことを呼んでほしいのだ、他の誰かではなくて。
(了)220117
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