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218.もこもこの小話

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「今日はサッカー部の助っ人するんだったよね」
「おー。午後から練習試合、出てくる。湊来る?」
「行くよ。スマホの充電満タンにして」
「やった。外だからあったかくして来いよ」
「一応ねえ、ダウンと手袋は用意してる」
「マフラーも巻けよ。あと耳当て?」
「そこまで寒いかな? 晴れてるよ」
「念には念をだろ……と思ったけど、やっぱダメかもしんねえ」
「ダメなんだ」
「モコモコの湊とか間違いなく可愛さがマッハなんだよな」
「着膨れはするだろうねえ」
「目を奪われ過ぎる。ボールどころじゃなくなる。それで負けたら助っ人失格じゃねえ?」
「ふふふ、晴海はほんとうにいい子だね」
 なんだかんだ言って助っ人業に手を抜かない。けれど晴海は口元をへの字に曲げた。
「ちがくて。湊にカッコ悪ィとこ見せんのがヤなの」
 晴海の根がけっこう真面目なことを、湊はよく知っている。


(了)220115
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