上 下
178 / 623

178.靴とプレゼントの小話(聖ニコラウスの日)

しおりを挟む
「晴海、靴下の準備して」
「靴下? まだクリスマスじゃねーのに?」
「聖ニコラウスの日だからね。ドイツではもともとこの日にプレゼントをもらってたんだって」
「聖ニコラウス誰?」
「キリスト教の聖人で、サンタクロースのモデル説があるひとだよ。今日は命日なんだって」
「命日が記念日なんだ」
「靴下じゃなく靴にプレゼントを入れるのでもいいみたい。一年間頑張った晴海にお菓子をあげていい?」
「んー、靴にプレゼントくれんならチャームかシューレースがいい。湊とずっと一緒ってかんじすっから」
「いいでしょう。晴海の靴も頑張ったもんね」
「よし。オレも湊の靴になんかやろ」
 いつの間にか話が少しずれている。とはいえ、今年も二人で色々なところへ行った。湊も晴海も足に馴染んだスニーカーも、頑張ったことに間違いはない。



(了)211206
しおりを挟む

処理中です...