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170.隙間産業の小話(day28「隙間」) #ノベルバー

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「今日は書くの終わり? 硯の墨、拭いといてやろーか」
「ほんと? じゃあお願いしようかな。反古紙がいつものとこにあるから」
「すすぎはどーする」
「僕が筆といっしょにやるから、流しに持ってきてくれるかな」
「りょーかい」
「ありがとう。……ふふ、ニッチなお手伝いだねえ」
「世界でオレだけの仕事だろ」
 晴海は大事そうに湊の硯を捧げ持つ。



(了)211128
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