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164.泣くまで笑わせる小話(day22「泣き笑い」) #ノベルバー

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「みーなーと、えい」
「わっ、なになに」
 晴海が不意に大きな手を伸ばしてきたので驚いた。
「オラオラオラ」
 それも容赦なく体側を擽ってくる。湊は身を捩って逃げようとするのだが、いかんせん晴海のほうが体格がいい。晴海の手が届く場所から抜け出せない。
「ふふふ、あははははっ。くすぐった……コラ晴海、ストップストップ」
 晴海は湊が本当に駄目だといえば素直だけれど、冗談半分の「待て」は聞いてくれないこともある。さんざん笑わされてからようやく解放された。
「もー、どうしたの」
 笑いすぎて涙さえ出てきた。息もすっかり上がっている。湊が目元を押さえていると、同じ場所を晴海も指でなぞってくる。
「なんか疲れてそうな感じ、したから」
 元気でた? と首をかしげ、晴海は湊の顔を覗き込む。



(了)211122
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