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109.靴で繋がる小話(くつの日)

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「服は頑張れば着回せなくないけど、靴はちょっと大きさが違うだけでも歩きにくいよなー」
「晴海は僕の靴履けないもんね。僕は晴海の靴、履けるけど少しゆるい」
「そう。湊とシェアできねーもののひとつ。だから靴はなんかさみしい」
「晴海がさみしいのは困るなあ。あ……そうだ」
「なに」
 湊は自分のスニーカーと晴海のスニーカーの靴紐を交換する。どこかで少しだけ繋がっていると、これで思うことができるだろうか。



(了)210928
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