【共依存DK】幼なじみのハルミナト

107.機械に弱い箱崎家の小話

「よし、これでネットふつーに繋がった」
「ありがと、晴海。ほんとに助かったよ。急になんにも見られなくなっちゃうから」
「急にっつーか、誰かなんかはしたんじゃねーの？」
「うちの共有パソコンに？　まあ家族はみんな疑わしいよね、僕を含めて」
「触れる電子機器を軒並みよくわかんねー感じにしがちなファミリーだ」
「晴海が機械に強くてよかった」
「いや、つってもこれも機内モードになってただけだかんな」
「機内モード」
「飛行機マーク。電波が出なくなるやつ」
「んん……？　妹といつの間にか格好いいマークが出てるねって話をしたよーな……？」
「だからぜってーどっかで誰かが何かしら……や、いいや。皆まで言うまい。箱崎家のあれそれはオレが守る」
「あれえ」
　晴海は静かに拳を握りしめている。



（了）210926