上 下
34 / 623

34.感謝の気持ちを伝えたい小話(中元)

しおりを挟む
「湊んちにお中元しよーかな」
「お中元? 晴海から?」
「そう。箱崎家にオセワになってるから」
「上下関係でも義務でもないしそもそもお世話してるつもりもないからお中元は遠慮しておくけど、ちなみにもし贈るとしたら何を? そこんとこ興味ある」
「んー、ちょっとイイ墨のセットとか……?」
「んんー、書道部は僕オンリーワンだからなー。誕プレにとっといてよ」
「そっか。なんか湊にも湊のお父さんお母さんにもミサキにも、アリガトーってしたかったっつーか。チャンス到来と思った」
「晴海が元気なら充分というのが箱崎家の総意」
「まじで?」
「なんなら元気な上いい子で申し分ないまである」
「まじかあ」
 湊は自信を持って頷いた。



(了)210715
しおりを挟む

処理中です...