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5.アンラッキーな日も肉があればだいたいオッケーになるDK小話(手羽トロの日)
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「今日は雨のせいでついてなかった」
「なんで」
「廊下は滑るし、半紙がしけって書が書きにくいし、傘を学校に忘れるし」
「ふふん。そんな湊に朗報がある」
「朗報?」
「聞いて驚け! ここに取り出したるは伝説の鶏肉、手羽トロだっ!」
「え! 売ってたの!?」
「ラスイチ。争奪戦で勝った」
「晴海……おまえって天才かもしれない」
「かもじゃなくて天才なんだよ。今夜の湊ファミリーにはトクベツに、オレ作・手羽トロの唐揚げを食べさせてやろう」
「ははーっ、晴海さま」
「傘もある」
晴海がぽん、と軽快な音を立てて傘を開く。海のような紺色の傘を共有して家路を急いだ。ささやかな不運は、どうやらこれで帳消しだった。
(了)210616
「なんで」
「廊下は滑るし、半紙がしけって書が書きにくいし、傘を学校に忘れるし」
「ふふん。そんな湊に朗報がある」
「朗報?」
「聞いて驚け! ここに取り出したるは伝説の鶏肉、手羽トロだっ!」
「え! 売ってたの!?」
「ラスイチ。争奪戦で勝った」
「晴海……おまえって天才かもしれない」
「かもじゃなくて天才なんだよ。今夜の湊ファミリーにはトクベツに、オレ作・手羽トロの唐揚げを食べさせてやろう」
「ははーっ、晴海さま」
「傘もある」
晴海がぽん、と軽快な音を立てて傘を開く。海のような紺色の傘を共有して家路を急いだ。ささやかな不運は、どうやらこれで帳消しだった。
(了)210616
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