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一学期 一章 後輩からの告白
003 青葉吹雪は「弟くん、髪の毛伸びたね。お姉ちゃんが切ってあげようか?」なんて優しい姉貴ではない。
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俺は常日頃、校内で天使な神崎さんを観察しているが、断じてストーカーなどではない。そこだけは断言しておく。
好きな子が何してるか観察するなんて、思春期ボーイズ&ガールズならみんなやってるはずだ。それくらいでストーカー呼ばわりされる筋合いはない。
しかしまぁ、ガン見するのは気を付ける方が良い。
かく言う俺も、神崎さんがいきなりこっち振り返って焦ったことが度々ある。
そんな時は、左手を額に添えて、前髪をいじっているふりをすればいい。
「あんた前髪いじる癖やめときなよ、まじキモイから。」
姉貴である青葉吹雪は、実の弟である俺に向かって、よくそんな辛辣なことを言う。しかし、好きな子をガン見してるのがばれそうな緊急事態では仕方あるまい。
もっと優しい姉が欲しかったっものだ。
「あ~また、髪の毛さわってるぞ!めっだよ!弟君、髪の毛伸びたね。お姉ちゃんが切ってあげようか?」
なんて言う姉貴がいたらいいのにな。
まぁそんなものこの世には存在しない。全国の姉から不遇な扱いを受ける弟たちが生み出した幻想である。
家の姉貴がそんなこと言いだしたら、むしろ怖くて逃げ出すだろう。姉貴なら鬼の形相で、バリカンを二刀流で追いかけて来る。
姉貴の非道エピソードをあげるとキリがない。
「最近朝起きたらなかなか目が開かないんだよなぁ」
そんな悩みを抱えた中学時代の俺に対して、姉貴は辛辣に言う。
「あんた目開けて寝ててキモイからよ。」
キモイ関係なくね? 正しくは「目開けて寝てて乾燥するからよ。」だろ?
「弟くんったら……可愛いぱっちりおめめを開けて、寝てるからだよ。お姉ちゃんのアイマスクと目薬貸してあげるね。」
というくらい、優しくしてくれないものだろうか。
まぁ本当にされたら、怖すぎて号泣するだろう。それなら目が乾燥しなくて済むけども。
ちなみに姉貴は、俺の通う高校の三年生であり、泣く子も黙る生徒会長様である。
ついでにいうと、吹奏楽部に所属し、愛しの神崎さんの先輩にあたる。俺が神崎さんとの恋愛を発展させるにおいて、姉貴のご機嫌を覗うのはわりと重要である。
好きな子が何してるか観察するなんて、思春期ボーイズ&ガールズならみんなやってるはずだ。それくらいでストーカー呼ばわりされる筋合いはない。
しかしまぁ、ガン見するのは気を付ける方が良い。
かく言う俺も、神崎さんがいきなりこっち振り返って焦ったことが度々ある。
そんな時は、左手を額に添えて、前髪をいじっているふりをすればいい。
「あんた前髪いじる癖やめときなよ、まじキモイから。」
姉貴である青葉吹雪は、実の弟である俺に向かって、よくそんな辛辣なことを言う。しかし、好きな子をガン見してるのがばれそうな緊急事態では仕方あるまい。
もっと優しい姉が欲しかったっものだ。
「あ~また、髪の毛さわってるぞ!めっだよ!弟君、髪の毛伸びたね。お姉ちゃんが切ってあげようか?」
なんて言う姉貴がいたらいいのにな。
まぁそんなものこの世には存在しない。全国の姉から不遇な扱いを受ける弟たちが生み出した幻想である。
家の姉貴がそんなこと言いだしたら、むしろ怖くて逃げ出すだろう。姉貴なら鬼の形相で、バリカンを二刀流で追いかけて来る。
姉貴の非道エピソードをあげるとキリがない。
「最近朝起きたらなかなか目が開かないんだよなぁ」
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「あんた目開けて寝ててキモイからよ。」
キモイ関係なくね? 正しくは「目開けて寝てて乾燥するからよ。」だろ?
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というくらい、優しくしてくれないものだろうか。
まぁ本当にされたら、怖すぎて号泣するだろう。それなら目が乾燥しなくて済むけども。
ちなみに姉貴は、俺の通う高校の三年生であり、泣く子も黙る生徒会長様である。
ついでにいうと、吹奏楽部に所属し、愛しの神崎さんの先輩にあたる。俺が神崎さんとの恋愛を発展させるにおいて、姉貴のご機嫌を覗うのはわりと重要である。
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