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三章 天下一暗黒天空武道会

023 半径6300㌔(地球の半径)がこの手の届く距離

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「ふぅ…勝負に負けて、試合に勝ったって感じだけど…なんとか勝てた。応援ありがとうね、リーシャ。」
  
笑顔で勝利を祝福してくれるかと思いきや、リーシャは少し機嫌が悪そうな表情だった。
  
「………おめでとう。」
  
そういうと、リーシャはすぐにそっぽを向いてしまった。
  
「あっ、ありがとう…。」
  
リーシャがなぜ機嫌悪そうにしているのかがわからず、勇者ワタルは戸惑った。
  
「続いて…予選Bブロックが始まります!参加者はリングの上に集まってください!!」
  
会場アナウンスが闘技場内に響き、屈強な身体の男たちがリングに姿を現した。
  
「ワタル、予選で疲れたでしょ?ちょっと休んで来たら?」
  
リーシャから気遣う声をかけられ、ワタルはほっと安堵の息を吐いた。どうやら彼女の機嫌が悪いと思ったのは気のせいだったようだ。
  
「うん。ありがとう、リーシャ。でも、このブロックの優勝者が僕の本選の相手だからね。このブロックの予選だけは見ていくよ。」
  
ワタルはリーシャの隣に腰を下ろした。Bブロックの開始が近づくにつれ、会場のボルテージがは上がっていった。
  
「ねぇ、ワタル!あれっ見てっ!」
  
リーシャが指さす先には、この町に来た時に出会った格闘家であるゴッサムの姿があった。リングの上にたつ屈強な男たちの中でも、一際目を引く体格である。
  
「あのゴッサムって人は、この大会のBブロックで出てたんだね。」
  
嵐のような静けさが会場を包み、予選Bブロック開始のゴングが鳴った。
  
あからさまにガタイの大きなゴッサムに、他の参加者は最初から集団で狙う戦法を立てていた。
  
「あのでかいやつが残ったらやっかいだ。あのおっさんを最初にやっちまえ!!」
  
三人組のモヒカンの男が、一斉にゴッサムに襲い掛かった。
  
「くだらんっ。」
  
ゴッサムは、両腕を広げて竹トンボのように回転した。
  
「くらえ、ダブルラリアット!!!」
  
ゴッサムが技名を叫ぶと、ボー〇ロイドの音楽が流れ始めた。
  
「半径6300キロメートル(地球の半径)がこの手の届く距離!!今から振り回すので離れていてください!!!!」
  
ゴッサムは腕をぶんぶん振り回し、回転のスピードを増していった。まるで竜巻が踊っているように、ゴッサムのダブルラリアットは他のリング状の選手を吹き飛ばしていった。
  
「すごい!一瞬で他の敵を蹴散らし、予選Bブロック突破は格闘家ゴッサム選手に決定しました。」
  
会場の歓声とともに、ゴッサムはリングを降りていった。
  

タグ:ダブルラリアット ストリートファイター 

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