302 / 338
新たな始まり
5
しおりを挟むスキルの説明をざっくりと受けた。
少しだけややこしいが、大丈夫。
まだ理解出来る範囲だ。
まず、スキルは大きく二つに分類される。
パーソナルスキルと職業スキルだ。
パーソナルスキルはその名の通り個人的なスキルで、俺の行動や適性によって取得出来るスキルが変わる。
一部に、ユニークスキルと呼ばれる個人専用のスキルも存在するが、それもこのパーソナルスキルに分類される。
基本レベルを上げることで手に入るポイントを消費して、取得することが出来る。
職業スキルは、その名の通り、自分の職業に応じて取得出来るスキルだ。
職業レベルが上がった時にもらえるポイントで取得することが出来る。
更に、基本レベル分のポイントはこっちにも使用できる。
ここが、こんがらがりそうになるんだよな。
基本レベルのポイントは、パーソナルでも職業でもどちらでも、更に言えば転職前の職業にも使用出来る。
職業レベルのポイントは、現在就いている職業の職業スキルにしか使用出来ない。
……忘れないように、しっかり覚えておかないといけない。
一度転職をしてしまうと、転職前の職業スキルは基本レベル分でしか取得出来ない。
よし、覚えた。
「己の力を信じるか、職業の技能を信じるか、それを決めるのは全て己だ! 分かったか!」
「押忍!」
「よろしい!」
「あざす!」
気合いを込めて礼をすると、なんか頭上で花火が上がった。
パンッて感じの小さいやつだ。
どうやらこれは職業レベルが上がった時の演出らしい。
「早速、スキルを一つ取ってみるが良い」
「押忍」
今の俺の職業は、ノービス。
冒険者見習い的な扱いのようだ。
一体どんなスキルがあるんだろうか。
スキルリストを開いてみる。
うーん、結構種類が多い。
そういえば、このノービスのスキルが転職先に影響するってどこかで見たな。
公式だったか、掲示板だったか。
記憶が曖昧だが、書いてあったのは確かだ。
それじゃあなんか魔法っぽいやつを取るべきか。
えーっと……おっ、この辺りが魔法っぽいな。
よし、決めた。
職業:ノービス
職業Lv:2(1↑)
スキル:魔法の心構え Lv1(New)
取得したのは、≪魔法の心構え≫。
魔法のほんの威力が少しだけ上がるスキルだ。
1%とかだから現時点ではほんとに誤差でしかないけど、まだノービスだからな。
魔法系統のスキルはまだいくつもあるし、どんどん取っていこう。
「教官、スキルを取得出来ました」
「うむ、良くやったな。そのスキルこそが、卒業の証だ!」
「押忍!」
『いつまでそのノリやってんのよ……』
教官にお礼を感謝を込めて礼をすると、またしても花火が上がった。
チュートリアルでもう一つ上がるとは。
気前がいいな。
ルインの呆れた声なんて気にしない。
いいじゃないか別に。
こういうのは、ノリノリでやった方が楽しいんだよ。
「よし、私からの説明は以上だ! 精進するんだぞ!」
「押忍!」
最後に返事をすると、またしても視界が切り替わっていく。
チュートリアル終わりか?
いや、まだ相棒の方も有る筈だ。
「ここは……?」
「よく来たわね。ここは、あなたみたいな特別な存在を導く為の場よ」
怪しげで、かつセクシーな魔女っぽいお姉さんがいた。
袖も裾も長いローブなのに、胸元だけはやけに開いていてその豊満なバストを激しく主張させている。
思わず視線が吸い寄せられてしまう。
が、視界の端に光が集まって行くのを見て正気に戻った。
「よっ」
「やっと私の出番ね!」
「待たせたな」
「ほんとよ!」
掌に収まったルインは、何故か張り切っている。
落とさなくて良かった。
あのまま谷間に見惚れてスルーしてたら、煩そうだ。
思った通り、ここでは相棒のチュートリアルだった。
相棒は、この世界では特別な存在とされる。
この相棒を持つ者もまた特別とされ、≪プレイヤー≫と呼ばれているそうだ。
この辺りの世界観的な説明も面白い。
NPCや資料から集めるのは大変そうだから、誰か纏めてくれないだろうか。
この魔女は、そのプレイヤーを手助けする為に遣わされた存在だそうだ。
まずは、相棒の育成方法を教えてくれた。
相棒も、俺達と同じようにレベルアップして、ステータスを振ったりスキルを取得したりして成長する。
しかし、その方法はプレイヤーとは違う。
プレイヤーは、モンスターを倒したりクエストを達成することで、経験値を得る。
でもその経験値は、1%しか相棒に入らない。
じゃあどうするか。
それは、相棒の種別と同じものを破壊するか、吸収することで経験値を得るらしい。
なるほど。
木の枝なんかのそこら辺にある弱そうなものは、強化が簡単。
逆に、銃なんかの珍しくて強そうなものは強化が難しいのか。
それじゃあルインはどうなんだ?
「ルイン、お前の種別って何か分かるか?」
「分からないわね」
「そうか」
本人に聞いた方が早いと思ったら、把握してなかった。
まぁNPCだしな。
そんなこと確かめようがないか。
ルインのステータス画面を開く。
種別は……相棒、金貨、魔法道具、???。
なるほど。
これと同じものをルインに与えるか、破壊すればいいんだな。
でも、???ってなんだろうか。
ルインに聞いても分からないだろうしなぁ。
……ま、いっか。
多分イベントか何かで解放するタイプなんだろう。
チュートリアルは続く。
次は、スキルに関してだ。
0
お気に入りに追加
1,181
あなたにおすすめの小説
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた
甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。
降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。
森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。
その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。
協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍2巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる