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新たな始まり

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 スキルの説明をざっくりと受けた。
 少しだけややこしいが、大丈夫。
 まだ理解出来る範囲だ。

 まず、スキルは大きく二つに分類される。
 パーソナルスキルと職業スキルだ。

 パーソナルスキルはその名の通り個人的なスキルで、俺の行動や適性によって取得出来るスキルが変わる。
 一部に、ユニークスキルと呼ばれる個人専用のスキルも存在するが、それもこのパーソナルスキルに分類される。

 基本レベルを上げることで手に入るポイントを消費して、取得することが出来る。

 職業スキルは、その名の通り、自分の職業に応じて取得出来るスキルだ。
 職業レベルが上がった時にもらえるポイントで取得することが出来る。
 更に、基本レベル分のポイントはこっちにも使用できる。

 ここが、こんがらがりそうになるんだよな。
 基本レベルのポイントは、パーソナルでも職業でもどちらでも、更に言えば転職前の職業にも使用出来る。
 職業レベルのポイントは、現在就いている職業の職業スキルにしか使用出来ない。

 ……忘れないように、しっかり覚えておかないといけない。
 一度転職をしてしまうと、転職前の職業スキルは基本レベル分でしか取得出来ない。
 よし、覚えた。

「己の力を信じるか、職業の技能を信じるか、それを決めるのは全て己だ! 分かったか!」
「押忍!」
「よろしい!」
「あざす!」

 気合いを込めて礼をすると、なんか頭上で花火が上がった。
 パンッて感じの小さいやつだ。
 どうやらこれは職業レベルが上がった時の演出らしい。

「早速、スキルを一つ取ってみるが良い」
「押忍」

 今の俺の職業は、ノービス。
 冒険者見習い的な扱いのようだ。
 一体どんなスキルがあるんだろうか。

 スキルリストを開いてみる。
 うーん、結構種類が多い。

 そういえば、このノービスのスキルが転職先に影響するってどこかで見たな。
 公式だったか、掲示板だったか。
 記憶が曖昧だが、書いてあったのは確かだ。

 それじゃあなんか魔法っぽいやつを取るべきか。
 えーっと……おっ、この辺りが魔法っぽいな。
 よし、決めた。

職業:ノービス
職業Lv:2(1↑)
スキル:魔法の心構え Lv1(New)

 取得したのは、≪魔法の心構え≫。
 魔法のほんの威力が少しだけ上がるスキルだ。
 1%とかだから現時点ではほんとに誤差でしかないけど、まだノービスだからな。

 魔法系統のスキルはまだいくつもあるし、どんどん取っていこう。

「教官、スキルを取得出来ました」
「うむ、良くやったな。そのスキルこそが、卒業の証だ!」
「押忍!」
『いつまでそのノリやってんのよ……』

 教官にお礼を感謝を込めて礼をすると、またしても花火が上がった。
 チュートリアルでもう一つ上がるとは。
 気前がいいな。

 ルインの呆れた声なんて気にしない。
 いいじゃないか別に。
 こういうのは、ノリノリでやった方が楽しいんだよ。

「よし、私からの説明は以上だ! 精進するんだぞ!」
「押忍!」

 最後に返事をすると、またしても視界が切り替わっていく。
 チュートリアル終わりか?
 いや、まだ相棒の方も有る筈だ。

「ここは……?」
「よく来たわね。ここは、あなたみたいな特別な存在を導く為の場よ」

 怪しげで、かつセクシーな魔女っぽいお姉さんがいた。
 袖も裾も長いローブなのに、胸元だけはやけに開いていてその豊満なバストを激しく主張させている。

 思わず視線が吸い寄せられてしまう。
 が、視界の端に光が集まって行くのを見て正気に戻った。

「よっ」
「やっと私の出番ね!」
「待たせたな」
「ほんとよ!」

 掌に収まったルインは、何故か張り切っている。
 落とさなくて良かった。
 あのまま谷間に見惚れてスルーしてたら、煩そうだ。

 思った通り、ここでは相棒のチュートリアルだった。

 相棒は、この世界では特別な存在とされる。
 この相棒を持つ者もまた特別とされ、≪プレイヤー≫と呼ばれているそうだ。
 
 この辺りの世界観的な説明も面白い。
 NPCや資料から集めるのは大変そうだから、誰か纏めてくれないだろうか。

 この魔女は、そのプレイヤーを手助けする為に遣わされた存在だそうだ。
 まずは、相棒の育成方法を教えてくれた。

 相棒も、俺達と同じようにレベルアップして、ステータスを振ったりスキルを取得したりして成長する。
 しかし、その方法はプレイヤーとは違う。
 プレイヤーは、モンスターを倒したりクエストを達成することで、経験値を得る。
 でもその経験値は、1%しか相棒に入らない。

 じゃあどうするか。
 それは、相棒の種別と同じものを破壊するか、吸収することで経験値を得るらしい。

 なるほど。
 木の枝なんかのそこら辺にある弱そうなものは、強化が簡単。
 逆に、銃なんかの珍しくて強そうなものは強化が難しいのか。

 それじゃあルインはどうなんだ?

「ルイン、お前の種別って何か分かるか?」
「分からないわね」
「そうか」

 本人に聞いた方が早いと思ったら、把握してなかった。
 まぁNPCだしな。
 そんなこと確かめようがないか。

 ルインのステータス画面を開く。
 種別は……相棒、金貨、魔法道具、???。

 なるほど。
 これと同じものをルインに与えるか、破壊すればいいんだな。
 でも、???ってなんだろうか。

 ルインに聞いても分からないだろうしなぁ。
 ……ま、いっか。
 多分イベントか何かで解放するタイプなんだろう。

 チュートリアルは続く。
 次は、スキルに関してだ。

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