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269 大量生産と反省
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タマの独演会が終わって、皆のんびりとして過ごしていた。
いつの間にか12時は過ぎていたから、もう正式なリリースが開始されている。
大量の一般プレイヤーがこの世界に流れ込んできている頃だろう。
家の外もなんとなく騒がしい。
だけど外には出ない。
村の中でPKは出来ない筈だけど、何に巻き込まれるか分からないからな。
家族全員、今日はその方針に従ってもらった。
葵はもう明日からは独り立ちだけど、一応今日一日は俺が保護者だ。
身の安全を考えてお願いした。
快く頷いてくれたから、今はタマとおろし金の頭の上に石のようなものを積み重ねる遊びをしている。
崩したら負けのようだ。
金剛は放牧スペースにある城へ戻った。
明日以降村の各家を周るかどうかは、様子を見て決めるらしい。
ミルキーとミゼルは広くなったキッチンで料理の下ごしらえをしている。
葵の送別会に備えて、ご馳走を作るんだと張り切っていた。
食材もばっちり用意済みだ。
俺も手伝いたいと言ったが、やんわりと断られてしまった。
結婚の約束をしたばかりだし、俺の為に料理がしたいんだと言われたらそれ以上何も言えない。
嬉しいのと恥ずかしいのとびっくりしたので、頭の中真っ白だったしな。
あ、うん、なんて返すので精一杯だった。
ミゼルの笑顔とミルキーの照れた顔のダブルパンチは強すぎる。
そんなわけで、時間がぽっかりと空いてしまった。
畑の様子を見に……は行けない。
他にも案は浮かぶが、どれも家の外に出る必要がある。
引きこもるって自分で決めたのに、アホだな。
うーん、そうだ。装備を作ろう。
一昨日に一通りの練習用武器を作ったのと、ミルキーにプレゼントした≪新月のネックレス≫くらいしか作ってないからな。
「ミルキー、ミゼル、部屋で作業してくるね」
「はい、わかりました」
「精一杯腕によりをかけて準備しますので、楽しみにしておいてくださいな」
「17時半くらいには降りてきてくださいね」
「はーい」
二人に声を掛けてから階段を上る。
リビングでやってもいいんだけど、タマ達の邪魔になるかもしれないし自分の部屋でやることにした。
思いつきだけど、葵用のアクセサリーを作ってみるのもいいかもしれないし。
サプライズの準備を目の前でやる度胸は俺にはない。
「さーて、何を作ろうかな」
前回はノービス専用装備である≪初心者用短剣≫を数本と、誰でも装備出来る練習用シリーズを一通り作ったんだったな。
とりあえず肩慣らしに初心者用にするか。
スキルを起動。
項目をさくさくっと埋めていく。
メイン素材と種別、作者名くらいしかないからすぐに完了する。
成功のエフェクトが頭上で踊り、光が集まって一振りの短剣が現れる。
出来上がった短剣に名前をつけて、完成。
何の捻りもない、前回と同じ名前だ。
そのまま更に何本か作る。
材料は山ほどある。
腐りはしないが、掃いて集めればきっとこの家くらいには積み上がる筈だ。
初心者は沢山増えるだろうから、作り過ぎなければそうそう余ることはないだろう。
普通の装備よりも性能が良いからな。
そうだ。ポーションで出来たんだから武器でも出来る筈。
数の方を100倍してスキルを起動してみる。
一斉に百回分のエフェクトが現れた。
音が重なって中々の迫力が有る。
けどこれで一度に百本作れた。
いやー、簡単簡単。
それにしても、短剣だけっていうのも面白くないな。
せっかくなら初心者用も各種別で作っておくか。
剣と短剣は多めで、短槍は少な目でいいかな。
俺が今作成出来る武器の種別はこの三種類だけだ。
上位のスキルがスキルツリーにあるから、これを取得すれば多分種類は増える。
だけどそれは一旦保留にしておく。
武器作りにハマったら取得する。
多分取得することになるとは思うけど、一旦保留。
最終的に、短剣三百、剣三百、短槍百をまとめて作成した。
プラス何振りか作った端数がある。
これはとっておくか。
次は練習用だな。
これも、ある程度数があった方がいいだろう。
初心者用と同じ数だけ作成しておく。
一昨日作った端数は、こっちもとっておく。
初心者と知り合った時とかにプレゼントする機会があるかもしれないから、それ用だ。
俺はこの世界に来てすぐの頃に、モグラにお世話になった。
それはもう、大変お世話になった。
勿論モグラ自身への恩返しは必須だ。
それに加えて、同じように初心者に優しくしてあげたい。
モグラにもそうしてあげて欲しいと言われた。
今日を境に突然増える初心者は、俺達と違って死んでも本当に死ぬわけじゃない。
ただのゲームだ。
効率を重視した育成したところで、後でいくらでも死んで経験は積める。
強い武器を使ってノービス時代をさっさと終わらせたって問題ないだろう。
まぁ、俺にそんなこと出来るか分からないけど。
見知らぬ人と話すのはそれなりに緊張する。
ましてや相手は一般プレイヤーだしな。
あくまでもそういう機会が来れば、というふわっふわな話だ。
ちょっと風が吹いたらどこかへ飛んでいく程度の未来でしかない
初心者用は一先ずこれで充分だな。
後はちょっと良い物をいくつか作りたい。
素材は……石と宝石しかないな。
今回は宝石系にしておこう。
どんな武器が出来るかな。
それが終わったら葵にあげるアクセサリーを作ろう。
性能重視の、なるべく強い奴を。
……ネックレス以外で。
いつの間にか12時は過ぎていたから、もう正式なリリースが開始されている。
大量の一般プレイヤーがこの世界に流れ込んできている頃だろう。
家の外もなんとなく騒がしい。
だけど外には出ない。
村の中でPKは出来ない筈だけど、何に巻き込まれるか分からないからな。
家族全員、今日はその方針に従ってもらった。
葵はもう明日からは独り立ちだけど、一応今日一日は俺が保護者だ。
身の安全を考えてお願いした。
快く頷いてくれたから、今はタマとおろし金の頭の上に石のようなものを積み重ねる遊びをしている。
崩したら負けのようだ。
金剛は放牧スペースにある城へ戻った。
明日以降村の各家を周るかどうかは、様子を見て決めるらしい。
ミルキーとミゼルは広くなったキッチンで料理の下ごしらえをしている。
葵の送別会に備えて、ご馳走を作るんだと張り切っていた。
食材もばっちり用意済みだ。
俺も手伝いたいと言ったが、やんわりと断られてしまった。
結婚の約束をしたばかりだし、俺の為に料理がしたいんだと言われたらそれ以上何も言えない。
嬉しいのと恥ずかしいのとびっくりしたので、頭の中真っ白だったしな。
あ、うん、なんて返すので精一杯だった。
ミゼルの笑顔とミルキーの照れた顔のダブルパンチは強すぎる。
そんなわけで、時間がぽっかりと空いてしまった。
畑の様子を見に……は行けない。
他にも案は浮かぶが、どれも家の外に出る必要がある。
引きこもるって自分で決めたのに、アホだな。
うーん、そうだ。装備を作ろう。
一昨日に一通りの練習用武器を作ったのと、ミルキーにプレゼントした≪新月のネックレス≫くらいしか作ってないからな。
「ミルキー、ミゼル、部屋で作業してくるね」
「はい、わかりました」
「精一杯腕によりをかけて準備しますので、楽しみにしておいてくださいな」
「17時半くらいには降りてきてくださいね」
「はーい」
二人に声を掛けてから階段を上る。
リビングでやってもいいんだけど、タマ達の邪魔になるかもしれないし自分の部屋でやることにした。
思いつきだけど、葵用のアクセサリーを作ってみるのもいいかもしれないし。
サプライズの準備を目の前でやる度胸は俺にはない。
「さーて、何を作ろうかな」
前回はノービス専用装備である≪初心者用短剣≫を数本と、誰でも装備出来る練習用シリーズを一通り作ったんだったな。
とりあえず肩慣らしに初心者用にするか。
スキルを起動。
項目をさくさくっと埋めていく。
メイン素材と種別、作者名くらいしかないからすぐに完了する。
成功のエフェクトが頭上で踊り、光が集まって一振りの短剣が現れる。
出来上がった短剣に名前をつけて、完成。
何の捻りもない、前回と同じ名前だ。
そのまま更に何本か作る。
材料は山ほどある。
腐りはしないが、掃いて集めればきっとこの家くらいには積み上がる筈だ。
初心者は沢山増えるだろうから、作り過ぎなければそうそう余ることはないだろう。
普通の装備よりも性能が良いからな。
そうだ。ポーションで出来たんだから武器でも出来る筈。
数の方を100倍してスキルを起動してみる。
一斉に百回分のエフェクトが現れた。
音が重なって中々の迫力が有る。
けどこれで一度に百本作れた。
いやー、簡単簡単。
それにしても、短剣だけっていうのも面白くないな。
せっかくなら初心者用も各種別で作っておくか。
剣と短剣は多めで、短槍は少な目でいいかな。
俺が今作成出来る武器の種別はこの三種類だけだ。
上位のスキルがスキルツリーにあるから、これを取得すれば多分種類は増える。
だけどそれは一旦保留にしておく。
武器作りにハマったら取得する。
多分取得することになるとは思うけど、一旦保留。
最終的に、短剣三百、剣三百、短槍百をまとめて作成した。
プラス何振りか作った端数がある。
これはとっておくか。
次は練習用だな。
これも、ある程度数があった方がいいだろう。
初心者用と同じ数だけ作成しておく。
一昨日作った端数は、こっちもとっておく。
初心者と知り合った時とかにプレゼントする機会があるかもしれないから、それ用だ。
俺はこの世界に来てすぐの頃に、モグラにお世話になった。
それはもう、大変お世話になった。
勿論モグラ自身への恩返しは必須だ。
それに加えて、同じように初心者に優しくしてあげたい。
モグラにもそうしてあげて欲しいと言われた。
今日を境に突然増える初心者は、俺達と違って死んでも本当に死ぬわけじゃない。
ただのゲームだ。
効率を重視した育成したところで、後でいくらでも死んで経験は積める。
強い武器を使ってノービス時代をさっさと終わらせたって問題ないだろう。
まぁ、俺にそんなこと出来るか分からないけど。
見知らぬ人と話すのはそれなりに緊張する。
ましてや相手は一般プレイヤーだしな。
あくまでもそういう機会が来れば、というふわっふわな話だ。
ちょっと風が吹いたらどこかへ飛んでいく程度の未来でしかない
初心者用は一先ずこれで充分だな。
後はちょっと良い物をいくつか作りたい。
素材は……石と宝石しかないな。
今回は宝石系にしておこう。
どんな武器が出来るかな。
それが終わったら葵にあげるアクセサリーを作ろう。
性能重視の、なるべく強い奴を。
……ネックレス以外で。
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