16 / 41
第2章
8. 兄弟 (2)
しおりを挟む
景雪に良く頑張ったなと声をかけられた事のない桃弥。もしかして、兄上偽物!?
気持ちを落ち着け景雪を凝視した。貴公子の中の貴公子と異名を持つ美貌は昔と変わらず、むしろ年を重ね落ち着き、しっとりとした色っぽさで男っぷりが上がっている。耳元で囁かれるとどんな女性でも腰が抜けてグダグダになると定評のある声も、偉そうな口調も景雪そのものだ。
よって、導いた答えは不治の病説だった。
「どうして俺が病にかかったんだ」
「えっ……そうで無いのなら良いのです。兄上にはまだまだ長生きしてもらわなければなりませんから」
高齢者にかける様な言葉を本気で言っている桃弥と、呆れ顔の景雪を少し離れた所で見ていた琉晟は笑って見ていた。10年近く側にいるのだ。どちらの思考回路もほぼ正確に理解できた。
どちらに言っても嫌な顔をするだろうが、驚いたり眉を寄せたりする小さな仕種がそっくりだ。やはり兄弟なのだと微笑ましく思っているとやっと朱璃が戻ってきた。手を貸していると景雪が代わりに庭の方へ行ってしまった。
自分の方にやってきた女性とどこかへ行ってしまった兄。桃弥がオロオロとしていると、その女性が恭順の意を表すように片膝をついた。
「桃弥様、あの時は助けていただき、その上やさしくしていただいて本当にありがとうございました。心より感謝しております」
大きな漆黒の瞳を見つめ、目の前の美女の言葉を反復する。
「もっもっ、もしかして……朱璃?」
「はい。朱璃です」
女だったのか……。言葉が通じなかったとはいえ坊主と呼んでいた事を思い出した。
「……いや……申し訳なかった。俺てっきり男の子だと。女性だと気が付かず失礼な事を」
「そんな、謝らないで下さい。私こそ皆さんを騙すような形になってしまい、申し訳ありませんでした。あの時、男の子に間違われている方が安全だと思って否定しなかったんです」
「いや、それは当然だ。警戒しない方がおかしい。気にしなくても良い」
桃弥の言葉に朱璃の緊張がほぐれ、表情が柔らかくなった。そして先ほどの桜雅の言葉を思い出し少し笑った。
「どうかしたのか?」
「先ほど桜雅様は、私が女だとお判りになった時、異国の民は成長すると女に変わるのかと仰って」
「……」
馬鹿だ。友人であり家臣である桃弥も弁明の余地もない。朱璃が気を悪くしていなさそうなのが救いだ。
「琉晟も見てたやんなーーあれは可笑しかったなぁ」
側にいた琉晟に、同意を求める朱璃。薄茶色の綺麗な目を細め頷く琉晟に桃弥はとても驚いていた。先程会った時も感じたのだが、以前に比べて雰囲気が随分と柔らかくなった。と言うか別人?
琉晟は10年位前に、景雪が突然家に連れ帰った。過去に辛い目に会い、記憶を失い、言葉を発する事が出来なくなっていると泉李が言っていた。人間不信という言葉に縁のなかった桃弥は自分がいかにお気楽なのか幸せなのかと気付いたきっかけとなる出来事であった。そのころは琉晟の周りには見えない壁が存在していたが、少しずつ小さくなっているように思える。
『でも、私は貴方がデコピンをした方が驚きましたよ』
手話を見て桃弥が聞き返す。
「デコピンしたのか?」
「はいっ 思いっきり」
「あいつどんな顔してた?」
『豆鉄砲を食らった顔というのがぴったりのお顔ですね』
「うわー見たかったなー」
笑い転げる桃弥に朱璃は内心ホッとしていた。景雪に酷い目に遭わされたのに、こうして何も無かった様にしている桃弥の心の広さに感心したと言っても良いだろう。
「でもさー本当に大変だっただろ? 言葉もわからないのに、あんな変な人のそばに置いていかれて本当に良く頑張ったな」
3年前、今にも泣き出しそうな顔をしていた朱璃が目に焼き付いており、元気に再会できた喜びがこみ上げてきた桃弥は朱璃の頭を撫でた。
「……景先生も琉晟も本当に良くして下さいました」
3年前は弟分的な感じだったのに、なんだろこの抱擁力。一瞬ドキッとし朱璃は目を泳がせた。なんかいい男になってる。
「琉晟も大変だったろう。ありがとう」
恐らく殆ど琉晟が面倒をみたに違いないと確信しての言葉である。
朱璃はどこまでも優しい桃弥に胸が熱くなった。
「桃弥様、本当にお優しいですね」
「な、なんだ急に」
「だって景先生に酷い目に遭わされたのに、さらっと水に流して、私や琉の心配をしてくださいました。普通ならそんなにすぐ切り替えられないと思います」
褒められて(しかもこんなに可愛い子に)悪い気はしないが、今の言葉、凄く引っかかる。
「………!」
桃弥は思い出した。今までの悪戯の中で間違いないなくワースト3には入る あの壺事件をどうして自分は忘れて、心ウキウキと自ら訪問したー!?
そうだ。莉己様が言ったんだ。兄上が女性を連れてきたと。それで嬉しくて……。そのあと朱璃が女だとわかって。
桃弥は自分の思考回路に呆然としていた。我ながら呆れて物も言えない。
しかも、朱璃は優しいと勘違いしてる。
穴があったら入りたい。
突然赤い顔をして、なにやら苦しげに頭を抱えてしゃがみ込んだ桃弥に朱璃は慌てた。琉晟を見ると、苦笑して心配いらないと言う。
「莫迦な奴……。成長してねーな」
長椅子で寝ている景雪の呟きは3人には聞こえなかった。
しばらくして桃弥が顔をあげた。
「取り乱してすまなかった」
「いえっ、そんな、私こそ失礼してしまったのでは」
「違うんだ! えと、お前は悪くない」
桃弥が溜息をついて、朱璃に少し先の縁側に座る様に促した。そして自分も隣に座った。
「あのな、さっき俺が優しいって褒めてくれただろ?あれな、誤解なんだ」
桃弥が何を言おうとしているのか予想出来ず、朱璃は首を傾げた。
「情けないんだけど、あの壺ことすっかり忘れてここに来ただけなんだよ。あのことはまだ許せないし、そんなに出来た男じゃない」
「どうしてすっかり忘れたんですか?」
「うん。兄上が女性を連れていると聞いてだな、まさかお前だと思わず、嬉しくなったんだ」
桃弥の曇った表情を見つめ朱璃はうなづいた。景雪が数年前に恋人を亡くした事は本人から聴いて知っていたので桃弥の考えがなんとなくわかったからだ。
「すいません。ぬか喜びさせてしまって」
「謝る必要はない。勝手に勘違いしただけだしな」
「ふふふっ、桃弥様はやっぱり優しいし、いい男です」
結局のところ、壺の怒りよりも兄の幸せの方が勝ったというだけである。単純で騙されやすいかもしれないが、物の本質は本能で押さえることができるタイプに思える。
「いや、全然だめだ。常に冷静沈着であるべきなのに、直ぐに騙される」
落ち込む桃弥が気の毒になり朱璃は桃弥の頭を撫でた。
「騙すよりいいと思います。桃弥様は悪くありません。むしろ、もっと怒ってもいいんですよ。たまにはやり返さないとっ! お手伝いしますよ!」
桃弥は武官としてかなり優秀なのであろう。でなければ第3公子の側近になる訳がない。恐らく、こういう素直で優しい気質ではあっても、厳しく冷静な部分も持ち合わせているだろうと朱璃は思った。
しかし、桃弥自身の目標はもっと上にあって自分に厳しい。朱璃は桃弥の気持ちが少しわかる気がして、心臓がコトリと脈打つのを消すように明るく言い放った。
実は桜雅、桃弥、朱璃の歳下組は 周りからの要求が過大だったり、皆にからかわれる事が多かったりとで自己評価を下げている。残念なことに師が優秀過ぎるだけでなく性格に問題あり(鬼畜)という点が何よりも不幸の原点だった。
それゆえ彼等は支えあって成長し、祗国の歴史に名を残す名将となっていく運命なのだが、扉が開かれるのはもう少し先のことである。
「お、おう。お前も、やり返したい時は力になるからな」
「ありがとうございます」
2人がニコニコとし出したのを見て琉晟が目を細めた。
『お茶が、入りましたよ。さあ。どうぞ』
甘い菓子を見て頬を緩めるちびっ子らの様子を確認してから景雪は2人に背を向けるように寝返りを打ち、やがて穏やかな寝息をたて始めた。
気持ちを落ち着け景雪を凝視した。貴公子の中の貴公子と異名を持つ美貌は昔と変わらず、むしろ年を重ね落ち着き、しっとりとした色っぽさで男っぷりが上がっている。耳元で囁かれるとどんな女性でも腰が抜けてグダグダになると定評のある声も、偉そうな口調も景雪そのものだ。
よって、導いた答えは不治の病説だった。
「どうして俺が病にかかったんだ」
「えっ……そうで無いのなら良いのです。兄上にはまだまだ長生きしてもらわなければなりませんから」
高齢者にかける様な言葉を本気で言っている桃弥と、呆れ顔の景雪を少し離れた所で見ていた琉晟は笑って見ていた。10年近く側にいるのだ。どちらの思考回路もほぼ正確に理解できた。
どちらに言っても嫌な顔をするだろうが、驚いたり眉を寄せたりする小さな仕種がそっくりだ。やはり兄弟なのだと微笑ましく思っているとやっと朱璃が戻ってきた。手を貸していると景雪が代わりに庭の方へ行ってしまった。
自分の方にやってきた女性とどこかへ行ってしまった兄。桃弥がオロオロとしていると、その女性が恭順の意を表すように片膝をついた。
「桃弥様、あの時は助けていただき、その上やさしくしていただいて本当にありがとうございました。心より感謝しております」
大きな漆黒の瞳を見つめ、目の前の美女の言葉を反復する。
「もっもっ、もしかして……朱璃?」
「はい。朱璃です」
女だったのか……。言葉が通じなかったとはいえ坊主と呼んでいた事を思い出した。
「……いや……申し訳なかった。俺てっきり男の子だと。女性だと気が付かず失礼な事を」
「そんな、謝らないで下さい。私こそ皆さんを騙すような形になってしまい、申し訳ありませんでした。あの時、男の子に間違われている方が安全だと思って否定しなかったんです」
「いや、それは当然だ。警戒しない方がおかしい。気にしなくても良い」
桃弥の言葉に朱璃の緊張がほぐれ、表情が柔らかくなった。そして先ほどの桜雅の言葉を思い出し少し笑った。
「どうかしたのか?」
「先ほど桜雅様は、私が女だとお判りになった時、異国の民は成長すると女に変わるのかと仰って」
「……」
馬鹿だ。友人であり家臣である桃弥も弁明の余地もない。朱璃が気を悪くしていなさそうなのが救いだ。
「琉晟も見てたやんなーーあれは可笑しかったなぁ」
側にいた琉晟に、同意を求める朱璃。薄茶色の綺麗な目を細め頷く琉晟に桃弥はとても驚いていた。先程会った時も感じたのだが、以前に比べて雰囲気が随分と柔らかくなった。と言うか別人?
琉晟は10年位前に、景雪が突然家に連れ帰った。過去に辛い目に会い、記憶を失い、言葉を発する事が出来なくなっていると泉李が言っていた。人間不信という言葉に縁のなかった桃弥は自分がいかにお気楽なのか幸せなのかと気付いたきっかけとなる出来事であった。そのころは琉晟の周りには見えない壁が存在していたが、少しずつ小さくなっているように思える。
『でも、私は貴方がデコピンをした方が驚きましたよ』
手話を見て桃弥が聞き返す。
「デコピンしたのか?」
「はいっ 思いっきり」
「あいつどんな顔してた?」
『豆鉄砲を食らった顔というのがぴったりのお顔ですね』
「うわー見たかったなー」
笑い転げる桃弥に朱璃は内心ホッとしていた。景雪に酷い目に遭わされたのに、こうして何も無かった様にしている桃弥の心の広さに感心したと言っても良いだろう。
「でもさー本当に大変だっただろ? 言葉もわからないのに、あんな変な人のそばに置いていかれて本当に良く頑張ったな」
3年前、今にも泣き出しそうな顔をしていた朱璃が目に焼き付いており、元気に再会できた喜びがこみ上げてきた桃弥は朱璃の頭を撫でた。
「……景先生も琉晟も本当に良くして下さいました」
3年前は弟分的な感じだったのに、なんだろこの抱擁力。一瞬ドキッとし朱璃は目を泳がせた。なんかいい男になってる。
「琉晟も大変だったろう。ありがとう」
恐らく殆ど琉晟が面倒をみたに違いないと確信しての言葉である。
朱璃はどこまでも優しい桃弥に胸が熱くなった。
「桃弥様、本当にお優しいですね」
「な、なんだ急に」
「だって景先生に酷い目に遭わされたのに、さらっと水に流して、私や琉の心配をしてくださいました。普通ならそんなにすぐ切り替えられないと思います」
褒められて(しかもこんなに可愛い子に)悪い気はしないが、今の言葉、凄く引っかかる。
「………!」
桃弥は思い出した。今までの悪戯の中で間違いないなくワースト3には入る あの壺事件をどうして自分は忘れて、心ウキウキと自ら訪問したー!?
そうだ。莉己様が言ったんだ。兄上が女性を連れてきたと。それで嬉しくて……。そのあと朱璃が女だとわかって。
桃弥は自分の思考回路に呆然としていた。我ながら呆れて物も言えない。
しかも、朱璃は優しいと勘違いしてる。
穴があったら入りたい。
突然赤い顔をして、なにやら苦しげに頭を抱えてしゃがみ込んだ桃弥に朱璃は慌てた。琉晟を見ると、苦笑して心配いらないと言う。
「莫迦な奴……。成長してねーな」
長椅子で寝ている景雪の呟きは3人には聞こえなかった。
しばらくして桃弥が顔をあげた。
「取り乱してすまなかった」
「いえっ、そんな、私こそ失礼してしまったのでは」
「違うんだ! えと、お前は悪くない」
桃弥が溜息をついて、朱璃に少し先の縁側に座る様に促した。そして自分も隣に座った。
「あのな、さっき俺が優しいって褒めてくれただろ?あれな、誤解なんだ」
桃弥が何を言おうとしているのか予想出来ず、朱璃は首を傾げた。
「情けないんだけど、あの壺ことすっかり忘れてここに来ただけなんだよ。あのことはまだ許せないし、そんなに出来た男じゃない」
「どうしてすっかり忘れたんですか?」
「うん。兄上が女性を連れていると聞いてだな、まさかお前だと思わず、嬉しくなったんだ」
桃弥の曇った表情を見つめ朱璃はうなづいた。景雪が数年前に恋人を亡くした事は本人から聴いて知っていたので桃弥の考えがなんとなくわかったからだ。
「すいません。ぬか喜びさせてしまって」
「謝る必要はない。勝手に勘違いしただけだしな」
「ふふふっ、桃弥様はやっぱり優しいし、いい男です」
結局のところ、壺の怒りよりも兄の幸せの方が勝ったというだけである。単純で騙されやすいかもしれないが、物の本質は本能で押さえることができるタイプに思える。
「いや、全然だめだ。常に冷静沈着であるべきなのに、直ぐに騙される」
落ち込む桃弥が気の毒になり朱璃は桃弥の頭を撫でた。
「騙すよりいいと思います。桃弥様は悪くありません。むしろ、もっと怒ってもいいんですよ。たまにはやり返さないとっ! お手伝いしますよ!」
桃弥は武官としてかなり優秀なのであろう。でなければ第3公子の側近になる訳がない。恐らく、こういう素直で優しい気質ではあっても、厳しく冷静な部分も持ち合わせているだろうと朱璃は思った。
しかし、桃弥自身の目標はもっと上にあって自分に厳しい。朱璃は桃弥の気持ちが少しわかる気がして、心臓がコトリと脈打つのを消すように明るく言い放った。
実は桜雅、桃弥、朱璃の歳下組は 周りからの要求が過大だったり、皆にからかわれる事が多かったりとで自己評価を下げている。残念なことに師が優秀過ぎるだけでなく性格に問題あり(鬼畜)という点が何よりも不幸の原点だった。
それゆえ彼等は支えあって成長し、祗国の歴史に名を残す名将となっていく運命なのだが、扉が開かれるのはもう少し先のことである。
「お、おう。お前も、やり返したい時は力になるからな」
「ありがとうございます」
2人がニコニコとし出したのを見て琉晟が目を細めた。
『お茶が、入りましたよ。さあ。どうぞ』
甘い菓子を見て頬を緩めるちびっ子らの様子を確認してから景雪は2人に背を向けるように寝返りを打ち、やがて穏やかな寝息をたて始めた。
15
お気に入りに追加
5,031
あなたにおすすめの小説
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
【完結】ペンギンの着ぐるみ姿で召喚されたら、可愛いもの好きな氷の王子様に溺愛されてます。
櫻野くるみ
恋愛
笠原由美は、総務部で働くごく普通の会社員だった。
ある日、会社のゆるキャラ、ペンギンのペンタンの着ぐるみが納品され、たまたま小柄な由美が試着したタイミングで棚が倒れ、下敷きになってしまう。
気付けば豪華な広間。
着飾る人々の中、ペンタンの着ぐるみ姿の由美。
どうやら、ペンギンの着ぐるみを着たまま、異世界に召喚されてしまったらしい。
え?この状況って、シュール過ぎない?
戸惑う由美だが、更に自分が王子の結婚相手として召喚されたことを知る。
現れた王子はイケメンだったが、冷たい雰囲気で、氷の王子様と呼ばれているらしい。
そんな怖そうな人の相手なんて無理!と思う由美だったが、王子はペンタンを着ている由美を見るなりメロメロになり!?
実は可愛いものに目がない王子様に溺愛されてしまうお話です。
完結しました。
できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる