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目に見えている者だけが真実とは限らない
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翌日、私はライドとタマミを連れて森の中を歩いていた。なぜならばこの森に住む妖精を探すためだ。昨日地図をエリックさんと一緒に確認して貰ったところ、間違いなくこの森はおばさん(妖精)の行っていた森に間違いないという。
と、言うことで、私は朝から森の奥へと足を踏み入れた訳なんだけど・・・
「ヒィ!・・・あ、なんだ鳥か・・・」
何というかかなり不気味な森だ。真昼まであるはずなのに、日の光は森の中にほとんど入ってきていない。それに、背の低い木が行く手を阻むように生い茂っているせいでなかなか思うように前に進めない。
しばらく森の中を歩き回ってみたが、いっこうにこの森に居る妖精は見つかりそうに無い。
疲れてきたので、近くにあった切り株に腰掛けて休んでいると、周辺の探索に行っていたタマミが何かを咥えて戻ってきた。
「なにこれ?綺麗な石だけど」
それは綺麗な、淡い緑色の光を放つ石だった。大きさとしては親指の爪くらいの大きさで、どことなくエリックさんの持っていた魔力石に雰囲気が似ている。
「くれるの?」
「キュオン!」
「ありがとうねタマミ」
私はお礼がてらタマミを撫でる。集落に戻ったらエリックさんにこの石のことを聞いて見よう。それに綺麗な石だから首飾りにして貰おう。そう思って立ち上がった瞬間
「え?」
私は首をかしげた。なぜなら目の前にさっきまでは無かった道が出来ていたからだ。それも獣道のようなあれた道では無く、人が苦も無く通れそうな綺麗に整備されている道だ。
「あ!ちょっとライド!」
私の横をするりと抜けてライドはその道を行ってしまった。それに続いてタマミもライドについて行ってしまった。すると2人は急にふっと消えてしまい私はパニックになった。
すぐに追いかけなきゃとは思うけど、道の先は真っ暗で何があるか分からないから足がすくんでしまう。
でもやっと見つけた妖精へ続くかも知れない道だ。行くしか無い。
そう思って私は一歩踏み出し
「ふぇ?・・・えええええええ!!!?」
真っ逆さまに落下した。
・・・・・
・・・
「・・・ゥ・・・ォウ・・・ヴォウ!!」
「・・・ォン・・・キュオン!!」
「・・・ん?・・・ここは?」
ライドとタマミの必死な鳴き声と、甘い香りで私は目を覚ました。
どれくらい気を失っていたんだろう。私は真っ逆さまに落っこちて・・・大分高いところから落ちた気がするんだけど、何処も怪我してない。
周りはさっきまでの不気味な森とは打って変わって見晴らしの良い綺麗な花畑が広がっている。一体何がどうなっているんだろう。
「クゥーン」
「キューン・・・」
ライドとタマミは不安そうな顔で私を見てくる。私は安心させるために二人の頭を撫でる。
「さて、じゃあ妖精探しに行こうか」
「ヴォウ!」
「キュオン!」
そう言って妖精探しを再開しようとした瞬間、私の目にある物が映った。
「あれは・・・」
と、言うことで、私は朝から森の奥へと足を踏み入れた訳なんだけど・・・
「ヒィ!・・・あ、なんだ鳥か・・・」
何というかかなり不気味な森だ。真昼まであるはずなのに、日の光は森の中にほとんど入ってきていない。それに、背の低い木が行く手を阻むように生い茂っているせいでなかなか思うように前に進めない。
しばらく森の中を歩き回ってみたが、いっこうにこの森に居る妖精は見つかりそうに無い。
疲れてきたので、近くにあった切り株に腰掛けて休んでいると、周辺の探索に行っていたタマミが何かを咥えて戻ってきた。
「なにこれ?綺麗な石だけど」
それは綺麗な、淡い緑色の光を放つ石だった。大きさとしては親指の爪くらいの大きさで、どことなくエリックさんの持っていた魔力石に雰囲気が似ている。
「くれるの?」
「キュオン!」
「ありがとうねタマミ」
私はお礼がてらタマミを撫でる。集落に戻ったらエリックさんにこの石のことを聞いて見よう。それに綺麗な石だから首飾りにして貰おう。そう思って立ち上がった瞬間
「え?」
私は首をかしげた。なぜなら目の前にさっきまでは無かった道が出来ていたからだ。それも獣道のようなあれた道では無く、人が苦も無く通れそうな綺麗に整備されている道だ。
「あ!ちょっとライド!」
私の横をするりと抜けてライドはその道を行ってしまった。それに続いてタマミもライドについて行ってしまった。すると2人は急にふっと消えてしまい私はパニックになった。
すぐに追いかけなきゃとは思うけど、道の先は真っ暗で何があるか分からないから足がすくんでしまう。
でもやっと見つけた妖精へ続くかも知れない道だ。行くしか無い。
そう思って私は一歩踏み出し
「ふぇ?・・・えええええええ!!!?」
真っ逆さまに落下した。
・・・・・
・・・
「・・・ゥ・・・ォウ・・・ヴォウ!!」
「・・・ォン・・・キュオン!!」
「・・・ん?・・・ここは?」
ライドとタマミの必死な鳴き声と、甘い香りで私は目を覚ました。
どれくらい気を失っていたんだろう。私は真っ逆さまに落っこちて・・・大分高いところから落ちた気がするんだけど、何処も怪我してない。
周りはさっきまでの不気味な森とは打って変わって見晴らしの良い綺麗な花畑が広がっている。一体何がどうなっているんだろう。
「クゥーン」
「キューン・・・」
ライドとタマミは不安そうな顔で私を見てくる。私は安心させるために二人の頭を撫でる。
「さて、じゃあ妖精探しに行こうか」
「ヴォウ!」
「キュオン!」
そう言って妖精探しを再開しようとした瞬間、私の目にある物が映った。
「あれは・・・」
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