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探しているものは思わぬところから見つかる

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え?何でここにスバルさんがいるの?しかもスバルさんはエプロンを着て、料理を運んでいて、所謂給仕らしきことをしてる。どうしてここにいるのか聞いてみると

「ああ、俺この宿屋で料理人として働いているんだ。」

とのことだった。という事は、昼間屋台で働いていて、そのあとはこの宿屋で働いているってことなのか。仕事が好きなのかな?とか思っていたら

「いや、宿屋の経営が危ないから屋台で調味料を売って宿屋の財政の足しにしているんだ。」

思ったよりも深刻な理由で屋台をやっていたらしい。

・・・・・

・・・

私とライド、そしてタマミは食堂の奥のほうにある広い席へと案内された。なんでも使い魔同伴の宿泊者のための席らしい。幸いにも私以外に使い魔を連れている人はいないようで、広いスペースをゆったりと使うことができる。

それで、出てきた晩御飯は・・・エビフライだった。結構大きい。他に丸い焼きたてのパンやポタージュと思われるスープ、そしてサラダが出てきた。

離れたところにいる宿泊客が何かざわついているなと思ったら、私以外のお客さんはエビフライを見て驚いていた。エビに衣をつけてフライにするなんて!だの、こんなに衣がサクサクになるなんて!とか言っていた。私は見慣れているからエビフライ自体にはあまり驚かなかったけど、食べた瞬間そのおいしさに驚いた。

サクサクの衣、そして肉厚でジューシーなエビの甘味!私が今まで食べたエビフライの中で一番おいしいかもしれない!特にこのエビ!とてもいいものを使っているんだろう。

ライドたちにはエビを茹でたものが与えられているけど、嬉しそうに勢いよく食べている。タマミははじめ見慣れないからか敬遠していたが、一口食べた瞬間ものすごい勢いで食べ始め、あっという間に全部食べてしまった。そのうえ足りなかったのか、ライドの分まで横取りしようとしているが、ライドにしっかりとブロックされてしまいしょんぼりとしている。

そんなこんなでおいしい料理に舌鼓を打っているところへ、スバルさんが私の所へやってきた。

「どうだい?気に入ってくれたかい?」

「はい、おいしいです!!」

「ああ、そのエビ、魚屋を経営している叔母さんが転移魔法で送ってくれたんだ。何せ王都で一番の魚屋だからね。味はお墨付きだよ。」

え?叔母さんが王都で一番魚屋?もしかして・・・私は思い切って、王都イザベラにある魚屋さんについて知っているかどうか聞いてみたところ

「ん?君、叔母さんのこと知っているの?」

ビンゴ!やっぱりこの人が魚屋さんのおかみさんが言っていた甥っ子だ。ということは・・・

「王都で“オコノミヤキ”という料理を広めたのもあなた?」

「ああそうだよ。」

予想もしていなかったところで探していた転生者を見つけてしまった。

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