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女神曰く。チート魔法が使えるからって最強とは限らない

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はいどうも皆さんおはこんばんにちは。転生者相手に何のチートスキルもなしで体の一部を持って帰って来いと女神さまたちに命じられた本田望結です。

・・・

いや髪の毛とかでいいとか簡単に言うけどさ、何のチートスキルも持たない私が簡単に取れると思ってるの?!

無理でしょ!! 

町中にあんなでかい氷塊を作り出しても平気な顔をしているあの人から髪の毛奪い取るとか、チートどころか何の特殊能力も持っていない私なんか変な動きした瞬間殺されるって!

とかなんとか思っていたら、スマホに着信が。

『進捗はどうですか望結さん?』

この声はラケシスさんか。丁度よかった。あの強すぎる転生者相手にどうやって身体の一部を取れば良いのか聞いてみよう。

・・・

『うーんと・・・どの転生者ですか?』

ラケシスさんに聞かれたので私はスマホに入っている転生者一覧ファイルの中から先程のお兄さんに振られている番号を伝える

『あーこの人ですか。大丈夫ですよ。この人転生させた人たちの中では一番弱い方ですから。』

は?

いや、は?

あんな巨大な氷塊を一瞬で作り上げといて?
それでもけろっとした顔をしていて?

あれが最弱?

『ええ、この方は転生をする際に魔法を使えるようにして欲しいとしか願わなかったので、魔法しか使えません。』

ええ・・・それ十分強いじゃん

『確かに望結さんからしたら魔法は強力かもしれませんが、身体能力は一般人と変わらないので望結さんでも勝ち目はあります。』

ん?ちょっと待って。

身体の一部を取る方法を聞いていたのに、いつの間にか勝負をする流れになってきているのは気がするんですけど。

『え?戦って気絶させてから身体の一部を取るのではないのですか?』

違うよ!何でそんな脳筋戦法取らなきゃいけないんだよ!ていうか私は運動神経皆無だし、格闘技の経験もないよ!

『それでしたら魔法薬を作るための材料として髪の毛を要求するのはいかがでしょうか?』

なるほど。倒して奪うよりも確実性があるかもしれない。
でもなあ・・・

「そう簡単に髪の毛くれたりしますかね?」

『大丈夫ですよ。彼は転生前、友人に騙され1000万円もの借金をした挙句、オレオレ詐欺で500万取られるほど騙されやすい方です。』

・・・

いやいやいやいや、転生前にそこまで騙されることがあればもう騙されることはないでしょ!ていうか今なんか魔法が使えるようになってるんだから魔法で嘘判別とか出来るんじゃないの?!

『いえ、転生直後にとある詐欺集団に金貨50枚ほど騙し取られています。それに彼は嘘判別魔法を習得していないので、嘘がばれる心配もありません。』

・・・

おお、神よ人の良心につけ込み髪の毛を奪うこの私をお許しください。

『許します』

あんたじゃない!!
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