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第1転生人発見

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「あれ?俺また何かやっちゃいました?」

い、いたー!テンプレのセリフを言う転生者!

あ、どうも皆さんこんにちは。本田望結です。昨日、妖精(おっさん)に追いかけられたあと、幸運にも森を抜け出すことのできた私は、近くにあった街へと入ることが出来ました。

街へとはいるなり、何故かいきなり悲鳴が?何ここそんなに治安悪いの?とか何とか思っていたら、目の前にいきなり巨大な氷の塊が。氷の中では人相の悪いお兄さん達がカチコチに凍っている。周りの人が瞠目する中1人の若い男の人がきょとんとした顔で

「あれ?俺また何かやっちゃいました?」

と言った。

・・・

間違いない転生者だ。スマホの転生者一覧にも載っている。

街の人達は

「S級ライセンス保持者か?」

「大魔道士でもあの氷塊を作り出すのは難しいぞ…」

とかヒソヒソ言ってる。うんうんテンプレテンプレ。

「お、お、お前なんだよその力!おかしいんじゃないのか?!」

あ、氷漬けを免れたらしい強面のお兄さんが怯えながら若いお兄さん(転生者)に叫んでる。

「おかしいって・・・弱すぎるって意味だよな?」

「「「「強すぎるんだよ!!!」」」」

街の人達が口を揃えて叫んでる。うーんテンプレすぎる。ていうかこの台詞よくよく聞いてみると、なんか世間知らずもいいとこじゃない?普通常識的に考えて街の中に巨大な氷塊を作り出すって・・・

・・・

いやまって、そういえばここ異世界か。転生したばかりならこの世界の魔法のレベルもわかんないし、そもそも常識通用しなくね?それなら今の発言にも頷ける

・・・わけない。

普通人を氷漬けにしたら死んじゃうでしょ!足下だけを凍らせて足止めするならまだしも、全身を氷漬けにするなんて殺す気満々じゃん!

それよりもなんであの人たちは氷漬けになってるの?! コミュ障だけど勇気を出して街の人に聞いてみよう


・・・

「ああ、あいつら盗賊らしくてあそこに居る女の人を攫おうとしたんだ。そんなときにあの兄ちゃんが奴らを氷漬けにしたのさ」

街の人が指さす先には怯える髪の長い女の人が居た。

なるほど。あの人たちは顔だけじゃなくて本当の悪人だったわけね・・・そんであの転生者はあの女の人を助けようとしたと・・・

まあ一応良いことをしたのか。いやでも氷漬けにするのはさすがにやりすぎじゃ・・・

っと待った。私の役目は転生者の体の一部を持ち帰ることだ。こんなことを考えていてもしょうがない。

でもとりあえず神様たちが私たちの世界の人をやむ終えず転生させなければいけないことができた場合、その世界の常識をしっかりと教え込ませなきゃいけないルールを作るよう、あの三女神さまたちに進言してみよう。

さて、私は仕事仕事。

・・・

思ったんだけどどうやってあのクソ強い転生者から体の一部を手に入れればいいんだろう。
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