15 / 86
第二章 日常、そして非日常
レイラの嗜好
しおりを挟む
私に再び平和な日常が戻った。
いつものように自室で勉強をしていると、レイラが何やら一生懸命輪ゴムを何かに巻き付けている。
「レイラ、何してんの?」
「聞いてくださいます? こちらはなんと、窓のサッシや冷蔵庫の下の埃など、あらゆる細かい場所の埃を取ることが出来る優れものなのですわ。割り箸にキッチンペーパーを巻き付けて輪ゴムでグルグルと巻き付ければ完成なのです。簡単ですわよね。先日、隣の奥様に聞きましたの」
「はは、レイラしっかり主婦やってるね」
レイラは日々の積み重ねのおかげか掃除は人並みに出来るようになった。洗濯と炊事はまだ教えていないが、そろそろ洗濯を教えても良さそうだ。
ちなみに、隣の奥様とは隣の部屋に住む五十嵐さん。四十代くらいの年配の方で、普段からレイラを娘のように可愛がってくれている。
レイラが学校に通わず家にいることも何か事情があるのだろうと詮索はしてこない。ついでに、兄が私より早く帰宅する日は、大抵この五十嵐さんのお宅でレイラを匿ってもらっている。私は悪戯にレイラに言ってみた。
「レイラもそのうち昼ドラ見てキャーキャー言ってそうだね」
冗談のつもりで言ったのだが、レイラは真剣な表情で語りだした。
「あれは奥が深いですわ。不貞はそもそもいけないことですのに、何故だか昼ドラと言うものはそれを肯定するかのような……むしろ本妻の方が悪者になってしまいますものね。どちらを応援しようか今も悩んでおりますの。美羽ならどっち派ですか?」
「え……私は……本妻の方かな?」
正直どちらでも良い。恋愛自体に興味がないのに、そんな結婚後のドロドロにはカケラも関心がない。それでもレイラは必死で語る。
「正統派と言う奴ですね。やはり美羽は真面目なのですね。真面目な美羽には不貞をしなさそうな拓海様がお似合いだと思いますわ」
「え? 何の話?」
「田中様も悪くはないですが、先にわたくしにアプローチしておきながら美羽に切り替えるだなんて失礼な話ですわ。いずれ同じ状況になった時に美羽が悲しむ顔は見たくありませんもの」
美羽も田中が嫌いなようだ。魔王が偽の彼氏だとバレてリクの生写真を勘違いされたことも伝えたが、『放っておきなさい』と悪役令嬢張りな迫力で言われた。
「わたくし、美羽が拓海様と上手くいくようにお手伝いできないかしら?」
「え……私、別に拓海と付き合いたいわけじゃ……」
「今度、隣の奥様と三人で女子会なるものを致しませんこと? 一度やってみたかったのですわ」
「いや……」
五十嵐さんって四十代のオバチャ……年配の方だ。女子と言うには無理があるような。それに、隣の住人に恋バナは恥ずかしい。拓海が家に来た瞬間、隣の家でコップを壁にあてて聞き耳を立てている五十嵐さんの姿が目に浮かぶ。
それならばと私はレイラに提案してみた。
「女子会するならさ、同年代の小夜ちゃん誘おうよ。小夜ちゃん何でも知ってるから話したら面白いよ」
「まぁ、噂の小夜様ですね! 一度お会いしてみたかったのですわ。是非そうしましょう」
「一応受験生だから勉強会という名目にしとこうね」
「もちろんですわ。勉強もお教え致しますので勉強道具持参で女子会致しましょう」
レイラが生き生きとしている。そんなレイラを見ていると、こちらも自然と嬉しくなってくるのは何故だろうか。
私はスマートフォンの画面を開き、女子会の件を打ち込んで小夜にメッセージを送信した。
「レイラ、あっちの世界じゃ出来ないこと沢山しようね!」
「もちろんですわ! ただ……」
レイラは顎に手を当てながら困った顔で考え事をしている。
「どうしたの?」
「いえ、不貞を働こうにも本命の殿方がいないと難しいなと思いまして」
「は?」
「あ、そうですわ! わたくしが既婚男性を誑かす独身女性をすればよろしいのですね!」
私は思わず椅子から落ちそうになった。レイラはどうしても泥沼にハマりたいようだ。レイラの考え方を修正しなければ。
このままでは、乙女ゲームの世界のレイラは冤罪だとしても、現代日本では、れっきとした悪役令嬢に成り下がってしまう。
「レイラ、女子会の時に泥沼恋愛の末の話を聞かせてあげるから、今はそのおそうじグッズを完成させてあげて」
皆忘れているかも知れないが、レイラは割り箸に輪ゴムを巻き付けている途中だ。レイラは思い出したように作業の手を進めた。
「ですが、本当に美羽には幸せになってもらいたいのですわ。わたくしを助けて下さった命の恩人ですもの」
「レイラ……」
「そうだぞ。ついでに俺も世話になっているしな」
「うわッ! どうしていつもそう急に出て来るのよ。寿命が縮んだらどうするの」
突如私のベッドの上に魔王が現れたのだ。しかも、あぐらをかいて先程までそこにいたかのように寛いでいる。
そして私はいつも驚くのに対して、レイラは全く驚かない。魔法の存在するゲームの世界ではこういったことは日常茶飯事なのだとか。
「寿命が縮んだら俺のを分けてやろう」
「そんなこと出来るの?」
話半分で魔王の話を聞いていると、魔王は自慢げに言った。
「出来るぞ。俺くらいになればな、若さも保ったまま長生きできる」
「ガチ? ヤバくない? 不老不死じゃん」
「不老不死ではないがな。そうでなければ番の相手に人間であるレイラは選べない」
確かに、レイラは魔法が使えてもただの人間、私と何も変わらない。寿命が永遠のように長い魔王とは違う。後に残される魔王が辛くなるだけだ。私はふと思ったことをそのまま口にした。
「魔王様と結婚できたら幸せだね。愛する人と同時に死ぬことだってできるんでしょ?」
レイラと魔王が唖然とした顔で私を見ている。どうしたのだろうかと首をコテンと傾げて見ると、魔王は近くに置いてあった本を開いて読み始めた。
「魔王様、本逆さまだよ」
「わ、分かっている。こうやって読むのが今の流行りなのだ」
「魔界は変わってるんだね」
魔王と話していると、レイラがブツブツと何やら呟き始めた。
「美羽は殿方をたらし込むのがお上手ですわね。少女漫画の主人公のようですわ。故意にしているのかしら。分かりましたわ、こう言う時にあざと可愛いなる言葉を使えば良いのですわ。なるほど、では……」
声が小さいのと早すぎて聞き取れないが、レイラは昼ドラのような泥沼展開と同じくらい何かに興味を抱いたことだけは分かった——。
いつものように自室で勉強をしていると、レイラが何やら一生懸命輪ゴムを何かに巻き付けている。
「レイラ、何してんの?」
「聞いてくださいます? こちらはなんと、窓のサッシや冷蔵庫の下の埃など、あらゆる細かい場所の埃を取ることが出来る優れものなのですわ。割り箸にキッチンペーパーを巻き付けて輪ゴムでグルグルと巻き付ければ完成なのです。簡単ですわよね。先日、隣の奥様に聞きましたの」
「はは、レイラしっかり主婦やってるね」
レイラは日々の積み重ねのおかげか掃除は人並みに出来るようになった。洗濯と炊事はまだ教えていないが、そろそろ洗濯を教えても良さそうだ。
ちなみに、隣の奥様とは隣の部屋に住む五十嵐さん。四十代くらいの年配の方で、普段からレイラを娘のように可愛がってくれている。
レイラが学校に通わず家にいることも何か事情があるのだろうと詮索はしてこない。ついでに、兄が私より早く帰宅する日は、大抵この五十嵐さんのお宅でレイラを匿ってもらっている。私は悪戯にレイラに言ってみた。
「レイラもそのうち昼ドラ見てキャーキャー言ってそうだね」
冗談のつもりで言ったのだが、レイラは真剣な表情で語りだした。
「あれは奥が深いですわ。不貞はそもそもいけないことですのに、何故だか昼ドラと言うものはそれを肯定するかのような……むしろ本妻の方が悪者になってしまいますものね。どちらを応援しようか今も悩んでおりますの。美羽ならどっち派ですか?」
「え……私は……本妻の方かな?」
正直どちらでも良い。恋愛自体に興味がないのに、そんな結婚後のドロドロにはカケラも関心がない。それでもレイラは必死で語る。
「正統派と言う奴ですね。やはり美羽は真面目なのですね。真面目な美羽には不貞をしなさそうな拓海様がお似合いだと思いますわ」
「え? 何の話?」
「田中様も悪くはないですが、先にわたくしにアプローチしておきながら美羽に切り替えるだなんて失礼な話ですわ。いずれ同じ状況になった時に美羽が悲しむ顔は見たくありませんもの」
美羽も田中が嫌いなようだ。魔王が偽の彼氏だとバレてリクの生写真を勘違いされたことも伝えたが、『放っておきなさい』と悪役令嬢張りな迫力で言われた。
「わたくし、美羽が拓海様と上手くいくようにお手伝いできないかしら?」
「え……私、別に拓海と付き合いたいわけじゃ……」
「今度、隣の奥様と三人で女子会なるものを致しませんこと? 一度やってみたかったのですわ」
「いや……」
五十嵐さんって四十代のオバチャ……年配の方だ。女子と言うには無理があるような。それに、隣の住人に恋バナは恥ずかしい。拓海が家に来た瞬間、隣の家でコップを壁にあてて聞き耳を立てている五十嵐さんの姿が目に浮かぶ。
それならばと私はレイラに提案してみた。
「女子会するならさ、同年代の小夜ちゃん誘おうよ。小夜ちゃん何でも知ってるから話したら面白いよ」
「まぁ、噂の小夜様ですね! 一度お会いしてみたかったのですわ。是非そうしましょう」
「一応受験生だから勉強会という名目にしとこうね」
「もちろんですわ。勉強もお教え致しますので勉強道具持参で女子会致しましょう」
レイラが生き生きとしている。そんなレイラを見ていると、こちらも自然と嬉しくなってくるのは何故だろうか。
私はスマートフォンの画面を開き、女子会の件を打ち込んで小夜にメッセージを送信した。
「レイラ、あっちの世界じゃ出来ないこと沢山しようね!」
「もちろんですわ! ただ……」
レイラは顎に手を当てながら困った顔で考え事をしている。
「どうしたの?」
「いえ、不貞を働こうにも本命の殿方がいないと難しいなと思いまして」
「は?」
「あ、そうですわ! わたくしが既婚男性を誑かす独身女性をすればよろしいのですね!」
私は思わず椅子から落ちそうになった。レイラはどうしても泥沼にハマりたいようだ。レイラの考え方を修正しなければ。
このままでは、乙女ゲームの世界のレイラは冤罪だとしても、現代日本では、れっきとした悪役令嬢に成り下がってしまう。
「レイラ、女子会の時に泥沼恋愛の末の話を聞かせてあげるから、今はそのおそうじグッズを完成させてあげて」
皆忘れているかも知れないが、レイラは割り箸に輪ゴムを巻き付けている途中だ。レイラは思い出したように作業の手を進めた。
「ですが、本当に美羽には幸せになってもらいたいのですわ。わたくしを助けて下さった命の恩人ですもの」
「レイラ……」
「そうだぞ。ついでに俺も世話になっているしな」
「うわッ! どうしていつもそう急に出て来るのよ。寿命が縮んだらどうするの」
突如私のベッドの上に魔王が現れたのだ。しかも、あぐらをかいて先程までそこにいたかのように寛いでいる。
そして私はいつも驚くのに対して、レイラは全く驚かない。魔法の存在するゲームの世界ではこういったことは日常茶飯事なのだとか。
「寿命が縮んだら俺のを分けてやろう」
「そんなこと出来るの?」
話半分で魔王の話を聞いていると、魔王は自慢げに言った。
「出来るぞ。俺くらいになればな、若さも保ったまま長生きできる」
「ガチ? ヤバくない? 不老不死じゃん」
「不老不死ではないがな。そうでなければ番の相手に人間であるレイラは選べない」
確かに、レイラは魔法が使えてもただの人間、私と何も変わらない。寿命が永遠のように長い魔王とは違う。後に残される魔王が辛くなるだけだ。私はふと思ったことをそのまま口にした。
「魔王様と結婚できたら幸せだね。愛する人と同時に死ぬことだってできるんでしょ?」
レイラと魔王が唖然とした顔で私を見ている。どうしたのだろうかと首をコテンと傾げて見ると、魔王は近くに置いてあった本を開いて読み始めた。
「魔王様、本逆さまだよ」
「わ、分かっている。こうやって読むのが今の流行りなのだ」
「魔界は変わってるんだね」
魔王と話していると、レイラがブツブツと何やら呟き始めた。
「美羽は殿方をたらし込むのがお上手ですわね。少女漫画の主人公のようですわ。故意にしているのかしら。分かりましたわ、こう言う時にあざと可愛いなる言葉を使えば良いのですわ。なるほど、では……」
声が小さいのと早すぎて聞き取れないが、レイラは昼ドラのような泥沼展開と同じくらい何かに興味を抱いたことだけは分かった——。
11
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
くノ一その一今のうち
武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
お祖母ちゃんと二人暮らし、高校三年の風間その。
特に美人でも無ければ可愛くも無く、勉強も出来なければ体育とかの運動もからっきし。
三年の秋になっても進路も決まらないどころか、赤点四つで卒業さえ危ぶまれる。
手遅れ懇談のあと、凹んで帰宅途中、思ってもない事件が起こってしまう。
その事件を契機として、そのは、新しい自分に目覚め、令和の現代にくノ一忍者としての人生が始まってしまった!
かの世界この世界
武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
人生のミス、ちょっとしたミスや、とんでもないミス、でも、人類全体、あるいは、地球的規模で見ると、どうでもいい些細な事。それを修正しようとすると異世界にぶっ飛んで、宇宙的規模で世界をひっくり返すことになるかもしれない。
高校球児、公爵令嬢になる。
つづれ しういち
恋愛
目が覚めたら、おデブでブサイクな公爵令嬢だった──。
いや、嘘だろ? 俺は甲子園を目指しているふつうの高校球児だったのに!
でもこの醜い令嬢の身分と財産を目当てに言い寄ってくる男爵の男やら、変ないじりをしてくる妹が気にいらないので、俺はこのさい、好き勝手にさせていただきます!
ってか俺の甲子園かえせー!
と思っていたら、運動して痩せてきた俺にイケメンが寄ってくるんですけど?
いや待って。俺、そっちの趣味だけはねえから! 助けてえ!
※R15は保険です。
※基本、ハッピーエンドを目指します。
※ボーイズラブっぽい表現が各所にあります。
※基本、なんでも許せる方向け。
※基本的にアホなコメディだと思ってください。でも愛はある、きっとある!
※小説家になろう、カクヨムにても同時更新。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
斬られ役、異世界を征く!!
通 行人(とおり ゆきひと)
ファンタジー
剣の腕を見込まれ、復活した古の魔王を討伐する為に勇者として異世界に召喚された男、唐観武光(からみたけみつ)……
しかし、武光は勇者でも何でもない、斬られてばかりの時代劇俳優だった!!
とんだ勘違いで異世界に召喚された男は、果たして元の世界に帰る事が出来るのか!?
愛と!! 友情と!! 笑いで綴る!! 7000万パワーすっとこファンタジー、今ここに開幕ッッッ!!
外道魔法で異世界旅を〜女神の生まれ変わりを探しています〜
農民ヤズ―
ファンタジー
投稿は今回が初めてなので、内容はぐだぐだするかもしれないです。
今作は初めて小説を書くので実験的に三人称視点で書こうとしたものなので、おかしい所が多々あると思いますがお読みいただければ幸いです。
推奨:流し読みでのストーリー確認(
晶はある日車の運転中に事故にあって死んでしまった。
不慮の事故で死んでしまった晶は死後生まれ変わる機会を得るが、その為には女神の課す試練を乗り越えなければならない。だが試練は一筋縄ではいかなかった。
何度も試練をやり直し、遂には全てに試練をクリアする事ができ、生まれ変わることになった晶だが、紆余曲折を経て女神と共にそれぞれ異なる場所で異なる立場として生まれ変わりることになった。
だが生まれ変わってみれば『外道魔法』と忌避される他者の精神を操る事に特化したものしか魔法を使う事ができなかった。
生まれ変わった男は、その事を隠しながらも共に生まれ変わったはずの女神を探して無双していく
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる