9 / 15
久しぶりの外は楽しい
しおりを挟む
わぁ!お花が風に揺られ気持ちよさそう!あ、噴水ミッケ!……あっちは木がきれいな形だ。庭師って凄いんだね!
「ねぇ、外って気持ちいいね」
ニアは一泊置いて答えてくれた。
「ええ、そうですね。ですが外も意外と危険なことが潜んでいるものなので覚えておいてくださいね」
ニアが意味深なことを言った。外は確かに危険なことも多いって聞いたなぁ。そう言えば冒険者と呼ばれる職業があるらしい!街の外や王都外にでて魔獣を退治したりしてお金を稼ぐ腕に自身がないと難しい職業だって。一度見てみたいなぁ。ニアは知ってるのかな?
「冒険者って知ってる?冒険者ギルドって所で登録するんだって。魔獣を倒すなんてかっこいいよね!騎士みたいで憧れそう」
車椅子を押してくれていたニアがピタリと足を止めた。あれ?どうしたの?
「一体…そうゆう情報どこから持ってきたんでしょうか。知ってますよ。私も時々依頼しますし、便利が良いので」
依頼したことあるんだ!!ニアは欲しいものとかやっぱりあるんだね。何か今もあるのかな………
「ニアには欲しいものってあるの?」
足を止めていたニアはゆっくりと歩き出し、何十秒もおいてから答えた。
「そう……ですね。私が欲しいのは後悔した過去をやり直せるチャンスでしょうか。時を戻すことは出来ないので無理なのですが」
ニアも後悔した事があるらしい。僕にも勿論あるよ。身体が弱く産まれてしまったことだね。
「そっかぁ。僕もあるんだ。身体が弱く産まれたことでね、迷惑をかけてるから。母様も僕が嫌いだって言ってたし、双子の妹も。婚約者もこんな僕が嫌だって婚約を破棄したよ。………一生一人かもしれないね」
静かに聞いていたニアは僕を抱き上げベンチに座らせてくれた。隣に座るように手で促すと了承とばかりに座ってくれた。
「……あなたの体調が戻って普通の生活になってもずっとチャンスが巡らなければ私がいい人を紹介しましょう…」
ニアは優しいよね。僕が体調が良くなってもまた戻る可能性もあるわけだからなかなか巡らないと思うよ。なら、いっそ王族の席抜けちゃうのが楽なのかもしれないなぁ。
ふぁ~。眠く…なって来……ちゃ…た。
♢♢♢ウィリアムが寝落ちした後のニア♢♢♢
銀髪さんが肩に寄りかかってきた。どうやら寝落ちしたらしい。今日は春らしい気候だったから眠くなったんでしょう。私は部屋に運び毛布をかけて、自身に割り当てられた部屋に入る。ベットのフチに座り込み仮面を外して楽な姿勢になる。
「後悔…………ふぅ…一気に2つの事をすると疲れますね。どうも私も疲れが溜まってるようで柄にもなく弱音を吐いてしまいましたね」
銀髪さんが生活に困らない体に戻せば私は世話係を辞めるつもり。もともとその予定だったんだけど………思ったより銀髪さんの心に私が存在してるようであっさりとやめさせてくれると良いんだけど。私は自身の前髪で隠している右目に触れる。この目だけ貰い物だからか全く言うことを聞かない。目の色を変えることができなかった。
「願わくは銀髪さんの人生に幸ありますように」
私は祝福の言葉をかけ、銀髪さんの人生が幸せであるように少しだけ虚空に願ったのだった。
「ねぇ、外って気持ちいいね」
ニアは一泊置いて答えてくれた。
「ええ、そうですね。ですが外も意外と危険なことが潜んでいるものなので覚えておいてくださいね」
ニアが意味深なことを言った。外は確かに危険なことも多いって聞いたなぁ。そう言えば冒険者と呼ばれる職業があるらしい!街の外や王都外にでて魔獣を退治したりしてお金を稼ぐ腕に自身がないと難しい職業だって。一度見てみたいなぁ。ニアは知ってるのかな?
「冒険者って知ってる?冒険者ギルドって所で登録するんだって。魔獣を倒すなんてかっこいいよね!騎士みたいで憧れそう」
車椅子を押してくれていたニアがピタリと足を止めた。あれ?どうしたの?
「一体…そうゆう情報どこから持ってきたんでしょうか。知ってますよ。私も時々依頼しますし、便利が良いので」
依頼したことあるんだ!!ニアは欲しいものとかやっぱりあるんだね。何か今もあるのかな………
「ニアには欲しいものってあるの?」
足を止めていたニアはゆっくりと歩き出し、何十秒もおいてから答えた。
「そう……ですね。私が欲しいのは後悔した過去をやり直せるチャンスでしょうか。時を戻すことは出来ないので無理なのですが」
ニアも後悔した事があるらしい。僕にも勿論あるよ。身体が弱く産まれてしまったことだね。
「そっかぁ。僕もあるんだ。身体が弱く産まれたことでね、迷惑をかけてるから。母様も僕が嫌いだって言ってたし、双子の妹も。婚約者もこんな僕が嫌だって婚約を破棄したよ。………一生一人かもしれないね」
静かに聞いていたニアは僕を抱き上げベンチに座らせてくれた。隣に座るように手で促すと了承とばかりに座ってくれた。
「……あなたの体調が戻って普通の生活になってもずっとチャンスが巡らなければ私がいい人を紹介しましょう…」
ニアは優しいよね。僕が体調が良くなってもまた戻る可能性もあるわけだからなかなか巡らないと思うよ。なら、いっそ王族の席抜けちゃうのが楽なのかもしれないなぁ。
ふぁ~。眠く…なって来……ちゃ…た。
♢♢♢ウィリアムが寝落ちした後のニア♢♢♢
銀髪さんが肩に寄りかかってきた。どうやら寝落ちしたらしい。今日は春らしい気候だったから眠くなったんでしょう。私は部屋に運び毛布をかけて、自身に割り当てられた部屋に入る。ベットのフチに座り込み仮面を外して楽な姿勢になる。
「後悔…………ふぅ…一気に2つの事をすると疲れますね。どうも私も疲れが溜まってるようで柄にもなく弱音を吐いてしまいましたね」
銀髪さんが生活に困らない体に戻せば私は世話係を辞めるつもり。もともとその予定だったんだけど………思ったより銀髪さんの心に私が存在してるようであっさりとやめさせてくれると良いんだけど。私は自身の前髪で隠している右目に触れる。この目だけ貰い物だからか全く言うことを聞かない。目の色を変えることができなかった。
「願わくは銀髪さんの人生に幸ありますように」
私は祝福の言葉をかけ、銀髪さんの人生が幸せであるように少しだけ虚空に願ったのだった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない
たま
恋愛
気が付いたら異世界、深魔の森でした。
何にも思い出せないパニック中、恐ろしい生き物に襲われていた所を、年齢不詳な美人薬師の師匠に助けられた。そんな優しい師匠の側でのんびりこ生きて、いつか、い つ か、この世界を見て回れたらと思っていたのに。運命のつがいだと言う狼獣人に、強制的に広い世界に連れ出されちゃう話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
二度目の人生は異世界で溺愛されています
ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。
ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。
加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。
おまけに女性が少ない世界のため
夫をたくさん持つことになりー……
周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる