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三章
27.ハーフ?の(性格が)残念な能力者が現れた
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「決闘······?」
部室へ侵入してきた少女が口にした言葉に全員がキョトンとする。
もちろん俺も意味が分からない。
「そうよ! 決闘よ! 聞けば貴方、大勢の能力者を従えてるらしいじゃない」
少女はそう言うと部屋をぐるりと見回した。
いや、さっきも言ったが従ってはないぞ?
「どうやらその話は本当だったみたいね」
まぁ、他と比べたらそりゃ能力者の数は多いだろうな。一ヶ所に四人も集まるなんてそうあることではない。
「少し聞いて良いかしら?」
神流先輩が動く。
「貴女は何者? どうやってここまで来たの? 決闘を申し込む理由は?」
矢継ぎ早に質問をぶつける先輩。
「私は火高エミリア。一度見たものを複製する能力を持っているわ」
おぉ、良いな、その能力。俺もそういうのが欲しかった。
「ここには真正面から入ったわよ? わりと警備はザルなのね」
堂々としてると逆に疑われないとかいうあれか。もしくは話しかけたら面倒になりそうな雰囲気でもあったか。
「そして決闘の理由だけど、私は自分の能力に誇りを持っているわ。しかし、噂では何人もの能力者を従えた、魔王のようなやつが居ると聞いたの。だから、私の栄光の為に平塚健に決闘を挑んで、勝つわ」
いつの間にか健が魔王扱いされていた。
ってか、良く聞いたら決闘の理由が恐ろしく個人的なんだが、それは良いのか?
「平塚健!」
ビシッと健を指差すエミリア。
「な、なんだ?」
急に話を振られた健は動揺している。
「貴方、これだけの能力者を従えてるということは、さぞかし強力な異能力を持っているのでしょうね?」
「グハァ! そ、そうきたか······」
急所に当たった!
そ、そういう勘違いが起こるのか······噂って恐ろしいな。
健が再起不能なため、俺が応対する。
「あー、別にこいつは能力なんて持っちゃいないぞ? あくまで異能力が好きな一般人だ」
「な······そんなことが······」
エミリアが予想外の事実に愕然としている。
まぁ、仕方ないと言えば仕方ないんだろうな。能力者を従えてる一般人、なんて聞こえが悪いもんな。
まぁ、従えてるという時点で間違いなんだが。
「こ、こうなったら、ここのナンバー2を出しなさい!」
相手は魔王じゃなくて良いのか。
「ほら、誰なの!? 早くしなさい!?」
いや、ナンバー2も何も、副部長すら決めてないんだよな。
「祐希、行くべき」
歩香が俺を出しやがった。
「いや、俺むしろ一番弱くないか!?」
絶対影に潜った方が強いって!
「貴方がナンバー2ね? 良いわ、勝負よ」
「いや、だから何で俺!? 話聞いてた!?」
絶対こいつ早とちりとか多い性格してるだろ。
「そうね、ここは貴方が行くべきね」
神流先輩まで推してきた。
俺に逃げ場はないのか。
「ほら、やっぱり貴方ね。勝負の日程は今週の日曜日、この学校よ」
何か勝手に決められた。けど、
「日曜日はこの学校開いてないぞ? 不法侵入でもするつもりか?」
というか開いてても不法侵入だよな。
「そ、そうなの。······でも土曜日だと······予定を······」
何かブツブツ言っている。
「本当に決闘するんですか?」
「ん、あぁ、やるらしい。俺はもう諦めた。こういうのは断るよりも、さっさと終わらせた方が早いやつだしな」
断るのに時間がものすごいかかったりするしな。
「面白そうだからお姉ちゃん呼んでもいいですか?」
「それは構わないが、日程は決まって──」
「来週の土曜日よ! 来週の土曜日にしましょう! その日なら予定が空いてるわ!」
何やら決まったらしい。
今完全に予定って言ったよな。
「場所は変わらずこの学校よ! じゃあ、来週の土曜日また会いましょう!」
それだけ言うとまたドタドタと走り去って行った。
これはまた面倒なことになりそうだ。
部室へ侵入してきた少女が口にした言葉に全員がキョトンとする。
もちろん俺も意味が分からない。
「そうよ! 決闘よ! 聞けば貴方、大勢の能力者を従えてるらしいじゃない」
少女はそう言うと部屋をぐるりと見回した。
いや、さっきも言ったが従ってはないぞ?
「どうやらその話は本当だったみたいね」
まぁ、他と比べたらそりゃ能力者の数は多いだろうな。一ヶ所に四人も集まるなんてそうあることではない。
「少し聞いて良いかしら?」
神流先輩が動く。
「貴女は何者? どうやってここまで来たの? 決闘を申し込む理由は?」
矢継ぎ早に質問をぶつける先輩。
「私は火高エミリア。一度見たものを複製する能力を持っているわ」
おぉ、良いな、その能力。俺もそういうのが欲しかった。
「ここには真正面から入ったわよ? わりと警備はザルなのね」
堂々としてると逆に疑われないとかいうあれか。もしくは話しかけたら面倒になりそうな雰囲気でもあったか。
「そして決闘の理由だけど、私は自分の能力に誇りを持っているわ。しかし、噂では何人もの能力者を従えた、魔王のようなやつが居ると聞いたの。だから、私の栄光の為に平塚健に決闘を挑んで、勝つわ」
いつの間にか健が魔王扱いされていた。
ってか、良く聞いたら決闘の理由が恐ろしく個人的なんだが、それは良いのか?
「平塚健!」
ビシッと健を指差すエミリア。
「な、なんだ?」
急に話を振られた健は動揺している。
「貴方、これだけの能力者を従えてるということは、さぞかし強力な異能力を持っているのでしょうね?」
「グハァ! そ、そうきたか······」
急所に当たった!
そ、そういう勘違いが起こるのか······噂って恐ろしいな。
健が再起不能なため、俺が応対する。
「あー、別にこいつは能力なんて持っちゃいないぞ? あくまで異能力が好きな一般人だ」
「な······そんなことが······」
エミリアが予想外の事実に愕然としている。
まぁ、仕方ないと言えば仕方ないんだろうな。能力者を従えてる一般人、なんて聞こえが悪いもんな。
まぁ、従えてるという時点で間違いなんだが。
「こ、こうなったら、ここのナンバー2を出しなさい!」
相手は魔王じゃなくて良いのか。
「ほら、誰なの!? 早くしなさい!?」
いや、ナンバー2も何も、副部長すら決めてないんだよな。
「祐希、行くべき」
歩香が俺を出しやがった。
「いや、俺むしろ一番弱くないか!?」
絶対影に潜った方が強いって!
「貴方がナンバー2ね? 良いわ、勝負よ」
「いや、だから何で俺!? 話聞いてた!?」
絶対こいつ早とちりとか多い性格してるだろ。
「そうね、ここは貴方が行くべきね」
神流先輩まで推してきた。
俺に逃げ場はないのか。
「ほら、やっぱり貴方ね。勝負の日程は今週の日曜日、この学校よ」
何か勝手に決められた。けど、
「日曜日はこの学校開いてないぞ? 不法侵入でもするつもりか?」
というか開いてても不法侵入だよな。
「そ、そうなの。······でも土曜日だと······予定を······」
何かブツブツ言っている。
「本当に決闘するんですか?」
「ん、あぁ、やるらしい。俺はもう諦めた。こういうのは断るよりも、さっさと終わらせた方が早いやつだしな」
断るのに時間がものすごいかかったりするしな。
「面白そうだからお姉ちゃん呼んでもいいですか?」
「それは構わないが、日程は決まって──」
「来週の土曜日よ! 来週の土曜日にしましょう! その日なら予定が空いてるわ!」
何やら決まったらしい。
今完全に予定って言ったよな。
「場所は変わらずこの学校よ! じゃあ、来週の土曜日また会いましょう!」
それだけ言うとまたドタドタと走り去って行った。
これはまた面倒なことになりそうだ。
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