残念異能生活日記

紡未夏樹

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三章

26.何かまた面倒そうなやつだな

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「なぁ、俺はいつになったらちゃんとメインとして扱われるようになるんだ?」
健が開始早々メタい発言をぶちかましてきやがった。
「そんなことを言ってるからメインから外されるということに気付け」
俺はいつものように返す。わりと本音だ。
「平塚君、いっそのこと理由もなく消えていくのはどうかしら? あまり登場しない、幻のキャラになりましょうよ」
その立ち位置のキャラって需要あるのか。
「意味なく消えることで、逆に印象に残る可能性はあるぞ」
俺がそれをちゃんと伝えればな。ちなみに面倒だったら伝えない。
「むしろ居るのに台詞無しなんてどうですか?」
それ一番悲しいやつじゃないか、描写外で自由に動けるわけでもないって一番嫌だぞ。
「ちなみに平塚君。今日もドアを開けて誰かが入ってくるわ」
予知能力を変なとこに使うのってどうなんですか。そんなに健に消えてほしいんですか。
「またですか、もうそろそろ慣れましたよ。ちなみに今度は誰が来るんですか? またあの先生が?」
「いえ、誰が来るかまでは見てないわね。あくまでドアを開けて誰かが入ってくるというだけよ」
そんな限定的な使い方も出来るのか。俺の能力ももう少し融通聞けば良いのにな。
「じゃあ、別に俺がどこかに連れて行かれると決まったわけじゃないんですよね?」
「いや、平塚君が話しかけられるとこまでは見えたわ」
「ホントに誰なんですか! 微妙なところだけ見ないでくださいよ!」
まぁ、気持ちは分かるぞ。何がしたいんだろうな。
『平塚健はここかー!』
廊下の向こうから叫び声が聞こえた。声からして恐らく女子だろう。
「来たァァァァ!!!!」
健が絶叫している。
ドドドドド、と大きな足音が聞こえてきた。
──バァン!
扉が吹き飛ばされるんじゃないかというくらいの勢いで開かれた。
ドタドタとツインテールの活発そうな女子が俺に向かってくる。制服が違うから他校の生徒か?
「お前が能力者を大勢従えてるという平塚健か!」
「違う、俺じゃない、あっち。あと別に従ってはない」
俺の冷静な反応か、はたまた人を間違ったことでか、一度少女はキョトン、としてから健に向き直った。
「お前が能力者を大勢従えてるという平塚健か!」
((((無かったことにした!))))
全員一致の心情であった。
「お、おう、俺が平塚健だが、何か用か?」
「用事じゃない! 決闘だ!」

「······は?」
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