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夏だ!監禁された!③

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姐さんの店はいくつかあって、殆どがキャバクラとかバーとかの酒飲み場。俺がバイトしていた女装キャバクラは闘技場フェイクの店だから姐さんが本社として居るのはこの店
まぁ、フェイクって言ってもなんちゃってフェイクだからな。闘技場でもうけたお金で楽しませるみたいな?そんな感じ
いつもならバイクでいく道を車内から見るのは案外新鮮だ

「ボス、まもなく到着します」

「...なぁ、四人は...」

「既にお待ちしております」

「デスヨネ」

呼び出しておいていない...なんてことはない。何より今運転している人がめっちゃ切羽詰まっている顔してるから事故んないか凄く怖い

「そーいや、なんで姐さんの店に来いってメールが届いたんだろ?」

「そ...それ...は」

「あ、なるほど。俺しばらく監禁されんのね」

運転手さんめっちゃわかりやすい。分かりやすいがゆえに、俺の心にダメージがくるだ
あー...帰りたい

「まもなく到着します」

「...なぁ、お出迎えがいるように見えるんだが...つか多くね?」

「ボスが一週間以上いなかったからです」

「学校だからしかたないだろ」

むちゃくちゃなこと言うな...
まぁ、俺が長期間いなくなることなんてそんななかったけど...そこは、我慢してくれないのかな?.
とりあえず、姐さんの店についたけど...
いつものバイト仲間に加えて闘技場のスタッフ、各支配人の傘下の奴らまでいて、アイドルの出待ちみたいになってる
いま降りたら鼓膜が破けるぐらいの声が響いてんじゃね?


「さぁ、ボス」

「嫌だ。今、降りたら鼓膜死ぬ」

「強くしてください」

「鼓膜は強くなりません」

「早くしてください。あの人たちを何とかしてください」

「あいつら、なにしたの...」

誠は想像つく
勝手に俺のところに来たんだもん
闘技場の支配人って結構忙しいみたいで、まだこの町にいたころは常に俺のところに四人組の誰かが来ていないかの連絡が一日三回は来ていた。その時は来てたり来てなかったりしてたけど、それでも連絡があった
さて、現実逃避はこれぐらいにして、腹くくって降りるか...

「よっこいせ「「「「ユキ!!!!」」」」...うっせぇ!!」

「うぉぉぉぉおおお!!!ボス!!!!!」

「やっときてくれた!!!ボスぅぅう!!!!」

「早くお通ししろ!!!!」

「....うっせぇ」

予想通りの騒がしさにずっと耳に指を突っ込んでいるの気づいてんのかな?
それより、なんで、全員泣きながら俺を中に入れようとしてんの?生け贄みたいじゃん
俺が中々動かないからバイト仲間の一人が俺を担いで店の中に入るし...
って、なんでVIPルームに連れてくんだ!そこは、お持ち帰り禁止のうちでヤれる唯一の部屋じゃん!!

「ユキ、強く生きて」

部屋の前で降ろされて、お姉さんにそう言われた
ははは...強く生きてって...














めっちゃ帰りてぇ...



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