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魔物のお出まし③

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高橋君や石倉君に数学と英語を教えてもらいながら部屋にいる時間は復習をして、とうとうテスト当日になってしまった。水凪時学園では大きな試験は前後期合わせて二回だけだが一ヶ月に一回各教科で小テストがあったり年一の学力診断テストがあったりと意外とテストが多い。そして生徒会に所属している人たちは小テストを免除されている

「嫌だ...なんで初日から英語と数学があんの?」

「苦手な教科は最後の方が辛いですよ?」

「だからって初回からなんて嫌~」

今日は三時間で英語・国語・数学となっている。今日の日程が終わり机に突っ伏している俺に高橋君が声をかけてくれる。今回は二人のヤマが当たったので半分ぐらいは解けたけど応用、作文はどうにもならなかった。それっぽいことは書いたが絶対に間違っている
どうでもいいことだけど俺が復帰してから陰口がなくなっていて机も新しいものが与えられた。先生いわくテストだからカンニング疑いがあると言うことで新しいの机になったらしい

「降谷君、この後どうするの?」

「生徒会に行って親睦会の資料の最終確認して、当日のルートを先生と検討する」

「そうなんだ...頑張ってね」

「ありがと」

伸びをしてから教室を出て生徒会室に向かった。入院時にけりをつけておいたおかげか生徒会は変わり仕事を積極的にしてくれるようになった。と言ってもほぼ初心者状態だからやれる仕事は少ないけどそれでも俺の負担が少なくなったから良しとしよう。生徒会室に入ると既に先輩方が書類整理だとかをやっていた

「テストはどうでしたか?」

「...国語は自信ありますよ」

「じゃ、英語と数学はどうなんだ?」

「..........さぁ?」

分からないからあやふやにしておいた。てか多分赤点ギリギリだと思うし。自分の席に座っていくつかの書類に目を通してサインをして有栖川先輩にまわした。その後で親睦会の資料の最終確認をして、幾多かのルートの提案書を作成した。本当は先生達と検討したかったがテスト期間と言うことで生徒は職員室入室禁止になっている

「こんな道あるんだ」

「安全かつ迅速に通れる道って意外とあるんですね...知りませんでした」

「すっごーい!こんなルート初めて見た!」

「ほんとだな」

「この辺りは安全な道が多いので時間通りに着くのを基準にしていますからね」

裏道使えば危険度があがるけどさすがにそれはなしにした。どうしてもというときの緊急時の進路として使うことにした。使わないだろうけど...
提案書が終わりやることがなくなったので寮に戻ることにしたが...

「おい、送れ」

「はい?」

「バイク通学してンだろ?」

「そうですけど、バイクの2人乗りは法律で禁止されています。なのでできません」

「...俺送るより交通ルールをとるのかお前は...」

「当たり前じゃないですか」

何を言ってんだこの人。理事長との約束でバイクを運転するときは交通ルールを守ってのること。もし破ったら卒業するまで徒歩にするって言われたし
送りは車でするように言って部屋を出た。まだお昼を少し過ぎた時間...
作るのめんどくさいから食堂でいいかな?なんて考えながら歩いていると前方からダッシュで来る物体が目についた

「降谷君!!助けてください!!」

「高橋君。まずは落ち着いてくれ。落ち着いてから事情を話してくれ」

涙目で助けを求めてきた高橋君を落ち着かせながらどうしたのかを聞くと、二日後の家庭科の試験で料理をするらしく料理のできる人から教えてもらいたいと...
前期試験は一週間あって今日と明日が筆記試験で明後日からは実技の試験がある。体育なら組み手だとか持久走だとかで家庭科なら裁縫や料理とか...まぁ、点がつきやすい物をやらされるのだ。で、今回の実技は体育が組み手、家庭科が料理、情報がデータ整理、会話がオススメのものに対するプレゼンだ

「降谷君が知っている人で料理が出来る人を紹介してください!!」

「俺出来るけど?」

「本当ですか!?」

「うん」

料理の合格ラインは見た目と味で採点されて...担当者が認めればいいんだっけ...簡単で合格ラインに到達すると言えば


高橋君の送迎車をバイクで追いながらメニューを考えた











    
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