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腐のつく友達

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保健室で仮眠を取って頭がスッキリした頃にはお昼休憩の時間になっていた。先生にお礼を言って保健室を出たが昼休みなだけあって人の往来がかなりあった。とりあえず辰兄に午後は出られることを伝えて、その後で昨日完成させた親睦会の起案書を提出するか...
職員室に向かう途中でいろんな生徒とすれ違ったけど全員がニヤニヤと気持ち悪い笑みをしていてちょっとだけイラッとした。職員室に着くと先生達の視線が集まって居心地が凄く悪い。まるで珍獣でも見るかのようで...

「降谷...もう大丈夫なのか?」

「はい。心配をおかけしました」

「いや、大丈夫だ。あまり無理すんなよ」

「...はい。わかりました」

「あぁ、昨日有栖川が提出してきた予算案だが...正気なのか?」

正気なのかって?あれじゃ問題があるのかな?意味分からない同窓会やら仕事をしない委員会なんかに金かけてどうするんだろ?足りないっていうんなら抗議なり自腹なりでなんとかすればいいじゃん。なんて、思ってその予算にしたんだけど...

「何か問題でも?」

「各親衛隊の予算をここまで少なくしたのはお前が初めてだったからな...問題はないと思うが......報復とかがあるかも知れないぞ」

「その程度なら問題ありません。いざという時には先生方に了解を得ていると言って彼ら自身で先生方に抗議するように言いますよ」

「そ...うか...」

報告が終わったので生徒会室に行く前に教室に行くことにした。教室に入ると昨日以上に酷くなっていた。落書きは多彩な色を使われており中に入れておいた教科書もズタボロになっていた。ひっどーい
新しい教科書を頼むための証拠としてズタボロにされた教科書の確認をしていたら一人の生徒がビクビクしながら声をかけてきた

「...あの......」

「あ、昨日の」

「その.....」

「あ、これについてはなんとも思わないから。むしろ勝手にしろって思ってるから。教科書は...担任か理事長に新しいの頼めばいいかな?」

「......すみません」

「謝んなくていいよ。君が悪いわけじゃないし」

俺より小さいし小柄な生徒だな...
まわりの奴らは俺に声をかけたこの生徒を睨んでいた。なんで声をかけたんだ?って目をしている

「いいのか?」

「...ぇ」

「俺に声かけたからまわりからすげぇ睨まれてるけど」

「...ぁ...ちょっと」

腕を引っ張られて男子トイレに連れ込まれた。ってか小さいのに結構力あるんだな...
誰も居ないことを確認したその子はいきなり頭を下げてきた

「いきなりすみません!僕、高橋雫たかはししずくといいます......その...乾隆宏様親衛隊の一人です...」

「ふーん」

「...その......二日前に定例会議があって...突然隆宏様がきて......生徒会長の座を外部の平凡に無理矢理奪われたって...それに反応した三日月隊長が...」

「俺のとこに来たのね」

なるほど、あの時出て行った理由はそれだったのね...
そりゃ、すぐに噂も広がりますわ...ってか

「仕事しないで問題ばっか起こす奴に生徒会長の座なんて...ねぇ?」

「僕は...友達に誘われて入ったので...幽霊会員みたいな状態ですし...」

「ふーん...それで?俺はどうしろと?」

「多分...降谷さんが生徒会長を辞めない限り.......続くかも...」

「へー、ソウナンダ-」

想像はしてたけど、やっぱりそうなんだ...
しつこい男はモテねぇぞ~!
しかし、これはこれで問題だな...高橋君が俺にこんなに話しちゃったら高橋君の立場が危ぶまれてしまう。俺と同レベルのイジメを受けてしまうかもしれない...そーいうのを取り締まるのも風紀の仕事だけどその風紀が仕事をしていないのだ。どうすればいいのだ?

「あの...降谷君は...本当に、無理矢理...会長の座を?」

「んなわけあるか。入学前日に理事長が無理矢理決めたこと。俺は承諾しただけだし...好き好んで生徒会やるかってんだ」

「......そうですよね」

「だから、文句とか言いたきゃ理事長様に言ってくれよ。あの人が決めたんだから」

そうだよ。こうなったのは俺を生徒会長にした理事長のせいだよ。俺は頼むね☆って言われたからやっているだけであって文句を言われる筋合いはない。第一俺は被害者だ。問題ばっか起こす乾隆宏の変わりをしているんだから

「さすがに....理事長様に...文句は」

「言えないから俺に言ってるのよね?」

「はぃ...理事長の紳也様はカリスマ性溢れるお方ですから...一生徒は目を合わせることすら出来ません」

「へ~紳也さんってそんなにすごいんだ~」

「紳也さん!?」

「うん。俺の保護者の知り合い」

「えぇ!?」

メッチャ驚かれてるけど...
俺だって知らなかったし...そもそも理事長と鐵太郎さんはどういう経緯で知り合ったんだろ...昔の悪友とかかな?まぁ、そのうち聞くことにするか
あ、そうだ。起案書だしに行かないと...

「...あの!」

「うおっ...どったの」

「僕!降谷君の...友達に...なりたいです!」

「え?いや、俺はいいけど...いいの?そんなことして高橋君の立場危なくならない?」

「それなら大丈夫です!」

なにが大丈夫なんだ?それにさっきと違って目がキラキラしてるし...
なんで?

「もし何か言われたら潜入捜査だと言えば疑われることはありません!何より腐男子の僕にとっては隆宏様と降谷君が対立しているシチュは萌えです!」

「うん?ちょっとまって...え?腐男子?」

「はっ!もしかして風紀委とのハーレムの可能性も!?いや...理事長様や無口で不器用な担任の華宮先生との禁断の恋の可能性も!?あぁ~素晴らしすぎる!!」

「おーい、こちらに戻ってきてくれますか?」

「ぁ...ごめんなさい...」

「いいよ...俺の知り合いにも腐女子とか腐男子がいるから...ついでに言えばオカマもいるし...」

ほんと、あの人たちって凄かった...
俺を主人公にした本を書くからってお店に押し寄せては姐さんとの絡みを頼まれたことあったな...俺は嫌だっていったのに姐さんはノリノリで二時間ぐらい裸に近い状態でいろんなポーズをされたな...あの時は途中で統彦さんになってマジで犯される直前までやられたんだよなぁ

「何ですと...なんておいしい状況!!」

「いや美味しくないからね...怖いんだぞ」

「え?どういうことですか?」

「...いや...忘れてくれ...俺まだ仕事終わってないから...もう行っていい?」

「はい...それで....」

「クラスに友達が居るのは助かるしいっちゃんだけだとね...ありがたいよ」

「...いっちゃん?」

「自分で考えて...じゃ」

やっとできた一人目の友達が腐男子......
この先、大丈夫だろうか...






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