上 下
4 / 60

同室者は幼馴染み

しおりを挟む
長く感じる沈黙は責任者の笑い声によってぶち壊れた。それはそれは、ぼろくそ言ったこっちが引くほどの大きすぎる笑い声だった

「アハハハハッ!!!!...悪ぃ、俺にそんな説教すんのはお前が初めてだからよ」

「......はぁ...」

「キモッ」

「あ?なんだよ芹沢...入れよ、寮の説明してやるか」

案内されるがままに部屋に入ったけど...
もうね、内装が凄い...だってただでさえ広いのにテーブルだとかソファーだとか高級店でも一番高いだろってのが揃ってんだぜ?ビビらない奴がいるなら紹介して欲しいぐらいだ
もう俺の心はかなりのダメージを受けてます。あ、このソファーメッチャフカフカだ

「雪兎...で、あってるか?」

「はい...降谷雪兎です。美鷹鐵太郎さんは親代わりでいろいろお世話になりました」

「降谷?美鷹じゃないのか?」

「鐵太郎さんの弟が俺の親父で俺が七歳ぐらいの時に母親と消えました」

俺の説明に責任者の村瀬さんは首をかしげた。まぁ、これだけで分かるんならすごいもんな。事細かに説明するのはねんどくさいから、いろいろはぶいたけど、伝わればいいんだ

「..............」

「あの、村瀬さん?」

「おい、村瀬」

「...つまり...お前宇槍町から来たのか...?」

「はい。そうです」

「嘘だろ!?あそこってヤバいとこだろ!?」

「今は結構まともになりましたけど?」

「マジかよ......まぁ...問題を起こさなければいいけど」

うん。俺は問題は起こさない。俺のまわりで勝手に起きるんだ。そして俺がいつも主犯にされるんだ。だから、俺自身は問題ないのだ
それから寮の説明を受けた。三階からが生徒の生活する場所で二階は食堂、一階は色々な販売店をしているとのこと。自炊もできるが殆どの生徒が食堂を利用しているとのこと。まぁ、俺料理するの好きだから自炊が多くなると思うけど...
で、何か問題があればこの責任者の部屋に来ればある程度のことはなんとかしてくれるらしい

「で、俺はここのOBで責任者をやってる、村瀬薫(むらせかおる)だ」

「どうでも良い質問ですが、レンさんとはどういった関係なのでしょうか」

「ただの腐れ縁です」

「幼なじみって奴だ」

「雪兎様、気をつけてくださあ。この男は節操なしのレイプ魔です。一夜限りの関係を持ちすぎる馬鹿なので雪兎様にも危害が及ぶかもしれません。もし何かされたなら私が対処しますので必ずご連絡ください」

「おい、変な情報教え込むんじゃねぇ...テメェこそその見た目を利用して多くの奴を下僕にしてたじゃねぇか。テメェの方がよっぽど危険だわ」

「あぁ!?んだと」

「はっ...事実だろ」

長くなるかな...
まぁ、蓮也さんがどんな学生生活を送っていたかなんて興味ない。俺が蓮也さんと初めて会ったのは親が亡くなってすぐの時だったから...かれこれ十年近い付き合いだ。目の前で繰り広げられている喧嘩を見ていたら俺の幼馴染みのことを思い出した。宇槍町に引っ越す前までいつも一緒だった。いつもケンカに巻き込まれて、まわりから避けられていた時も幼馴染みだけがいつもそばにいてくれた 

「ったく、変わんねぇな」

「テメェもな」

「終わりましたか?」

「あ?......あぁ...お前の部屋は2052号室だ。今の時間なら...同室者がいるはずだ」

あ、そうなんだ。まぁ、明日が入学式だしな...あ、そーいやあること言われてたな

「なぁ~、レンさん」

「はい」

「午後にさ、理事長のとこ行けって言われてんだけど...案内してくれる?」

「ッ...分かりました。何時に?」

「......14時?」

「分かりました。それまでこの馬鹿のところにいます」

蓮也さんの了承をもらった俺は急いで部屋を出た。まぁ、あの二人の感じから多分だけど...
お邪魔ものは早くなったほうが得策だからな



──残された二人は...

「ホント、お前が来るとは思わなかった」

「話してなかったからな」

「いろんな奴を下僕にしてた奴が俺だけは一途に思ってるんだからなぁ...当時の奴らが知ったら大騒ぎになるぞ?」

「知られないようにやってるから、大丈夫だ」

「なぁ、久々にキスしようぜ」

「...聞くな、バカ」

「ハハッ...お前からしろよ」

「.....高くつくぞ」

「分かってる」

向かい合いながらラブラブする二人がいたという...




────────────────
こんにゃちは!腐でーす(*´ω`*)

学園小説初ですが、頑張って書き上げたいと思いまーす

村瀬薫と芹沢蓮也は学園卒業と同時に付き合うことになり、蓮也は村瀬と二人っきりの時に甘えたになります。つまりはツンデレ?ですかね

ツンデレ×一途だと、私は思っています

誤字・脱字がありましたらご報告、お願いします

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

男だけど女性Vtuberを演じていたら現実で、メス堕ちしてしまったお話

ボッチなお地蔵さん
BL
中村るいは、今勢いがあるVTuber事務所が2期生を募集しているというツイートを見てすぐに応募をする。無事、合格して気分が上がっている最中に送られてきた自分が使うアバターのイラストを見ると女性のアバターだった。自分は男なのに… 結局、その女性アバターでVTuberを始めるのだが、女性VTuberを演じていたら現実でも影響が出始めて…!?

元会計には首輪がついている

笹坂寧
BL
 【帝華学園】の生徒会会計を務め、無事卒業した俺。  こんな恐ろしい学園とっとと離れてやる、とばかりに一般入試を受けて遠く遠くの公立高校に入学し、無事、魔の学園から逃げ果すことが出来た。  卒業式から入学式前日まで、誘拐やらなんやらされて無理くり連れ戻されでもしないか戦々恐々としながら前後左右全ての気配を探って生き抜いた毎日が今では懐かしい。  俺は無事高校に入学を果たし、無事毎日登学して講義を受け、無事部活に入って友人を作り、無事彼女まで手に入れることが出来たのだ。    なのに。 「逃げられると思ったか?颯夏」 「ーーな、んで」  目の前に立つ恐ろしい男を前にして、こうも身体が動かないなんて。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

真冬の痛悔

白鳩 唯斗
BL
 闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。  ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。  主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。  むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

平凡くんと【特別】だらけの王道学園

蜂蜜
BL
自分以外の家族全員が美形という家庭に生まれ育った平凡顔な主人公(ぼっち拗らせて表情筋死んでる)が【自分】を見てくれる人を求めて家族から逃げた先の男子校(全寮制)での話。 王道の転校生や生徒会、風紀委員、不良に振り回されながら愛されていきます。 ※今のところは主人公総受予定。

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

処理中です...