上 下
30 / 36
第一

久々の旅で拾い物

しおりを挟む
魔王のハロスさんに拉致られ、なんとか逃げ出した矢先、帰り方が分からずとりあえず歩いているカーティルことラリックです
最近、本名の方だしてないから殆どの人忘れてないか若干心配がってます...作者バカ
俺にとっては関係ないけど
まぁ、とにかく歩るってればいずれつくだろう精神で歩き始めたのだが周りの景色がずっと同じだから


「...ふぅ......同じ景色ばっかだと進んでんのかがわかんねぇ」


一直線に歩いているはずなのにその場で足踏みをしている気分になる。今が夜なのか朝なのかも分からない
それでも歩みを止めずに進み続けていると少し開けたところにでた


「変なとこだな...ん?」


少し進んでみると真ん中に白い物体があった
警戒しながら近づいてみればそれは、大きな卵だった。表面は研磨された宝石のようにスベスベとしていて少し光を放っている。恐る恐る触ってみれば温かい


「...育児放棄?...いや、どこかに行っているのか?」


なんの卵かは分からないがついさっきまで暖められていたのだろう
なら、この開けた場所は何かしらの魔物の巣だろう。だとしたら、すぐに離れた方がいいな...
子育て中の動物は通常時より神経質になる。場合によっては攻撃してくる
親が戻ってくる前にこの場所を去ろうとしたら突然突風が上から吹いてきた。とっさに守りの態勢を取ってしまったため何が来たか分からずにいると


『我の子になにをしている』


低く、威圧的な声が聞こえた
ゆっくりと顔をあげてみると、白いドラゴンがいた
真っ白で自ら発光しているのか輝いている。体も大きく20mぐらいはあるんじゃないかってぐらい大きい。でも、よく見てみれば体の鱗が所々無い上に右目が潰れている


『聞いているのか。我が子になにをしていた』


「なにも...たまたまここを通ったら卵があった。生きているか確認して、離れようとした...それだけ」


『...死んだ卵に興味ないと?』


「....?...死んだ卵?」


『...この卵は我が伴侶が500年前に産み落とし、私に託したものだ。私は500年間暖め続けた...だが、ヒビが入るどころか大きさも変わらず鼓動も聞こえない...この卵は死んだのだ...』


この竜は何をいっているんだ?
ほんのりとはいえ卵は暖かい。それが他人の与えた温もりではなく卵自身の発熱だということぐらい分かる
この竜はその熱を無視した上で言っているのか?


「なぜ、この卵が死んだと決めつける」


『貴様、聞いてなかったのか...鼓動がない卵など死んだ以外なんと言う』


「この卵は、生きている...卵自身が熱を作っている...それを見て見ぬふりをしているのはお前だろ」


『!...な...んだと...』


目を見開きながら竜は卵に前足をおき卵を撫でるように足を動かした。そして卵に顔を近づけ鼓動を確認するように耳をすませていた
しばらくして竜は喉を鳴らしながら涙を流した


『確かに...生きている......我の子は...死んでいなかったのだな...』


「...確認できたなら、よかったな」


『まて...貴様はなぜ、死んでないと......今まで本当に鼓動も温もりもなかったのに...』


「...さぁ、孵化の方法なんて知らねぇし」


『...もしから.....』
 

一言そう言って、竜は俺の前に前足を差し出してきた。なんだろうと思いその足を見ていると、触れ、っと言ってきた。竜の意図がわからず言われたとおりに前足に手を乗せてみた


『....なるほど......そういうことか』


「...お前はなにがしたいんだ?」


『お前、我が子の母になれ』


........は?




─────────────────
こんちは、腐です

長い間更新せず申し訳ありませんでした(´;ω;`)








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

奴隷商人は紛れ込んだ皇太子に溺愛される。

拍羅
BL
転生したら奴隷商人?!いや、いやそんなことしたらダメでしょ 親の跡を継いで奴隷商人にはなったけど、両親のような残虐な行いはしません!俺は皆んなが行きたい家族の元へと送り出します。 え、新しく来た彼が全く理想の家族像を教えてくれないんだけど…。ちょっと、待ってその貴族の格好した人たち誰でしょうか ※独自の世界線

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

弟いわく、ここは乙女ゲームの世界らしいです

BL
――‥ 昔、あるとき弟が言った。此処はある乙女ゲームの世界の中だ、と。我が侯爵家 ハワードは今の代で終わりを迎え、父・母の散財により没落貴族に堕ちる、と… 。そして、これまでの悪事が晒され、父・母と共に令息である僕自身も母の息の掛かった婚約者の悪役令嬢と共に公開処刑にて断罪される… と。あの日、珍しく滑舌に喋り出した弟は予言めいた言葉を口にした――‥ 。

【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成) エロなし。騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? いいねありがとうございます!励みになります。

処理中です...