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第一
ギルドマスターと依頼
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ティミヤさんをギルドの多くの人達がいる場で投げ飛ばしてしまった俺は何故かムクゲさんと王都に来ている。王都は国王が住むエリアで国の中央部に位置している。国王が住むエリアだからギルド周辺の市場より賑わっている。しかもかなりの品数だ。おそらく他国からの輸入品の多くがこの市場に集まり余ったものは貯蔵か端のほうにある店に売っているのだろう
「カーティル君、顔色が悪いようだが?」
「...問題ありません......」
「そうか...無理しないで無理だったら言ってくれ」
「......はい」
まだ、何故俺が連れてこられたのか分からない。けど王子が何故ギルドにいたのかはだいたい分かる気がする。俺が元々いた国でも王子が二人いて一人は騎士団へもう一人は王の後継人として生活していた。もしそれと同じならティミヤさんは一種の訓練としてギルドにいるのかも知れない
王宮の門の前まで来たが、持ち物検査や身分の証明で時間がかかったせいで俺のストレスは溜まっていく一方だった。王族が嫌いで貴族も王宮内にはわんさか居やがる...
「カーティル君...本当に大丈夫かい?これから国王にお会いするんだが...」
「...大丈夫です......」
「いや、そんな顔をされていると不安しかないんだが...」
「......普段と変わりありません...」
「いや...はぁ...わかった。君は何も喋らないでくれ」
「......了解しました」
門が開きムクゲさんに続いて中に入った。門をくぐると綺麗に整備された庭が現れた。警備の人が一定のスピードで見回りをしていた
ムクゲさんの後をついていく形で場内に入ったからまわりから凄く見られていた。居心地が悪いとか、そんな軽いものじゃなくて吐き気がするぐらいの嫌悪感がこみ上げてきた。しばらく歩いていると重厚感ある扉の前についた
「カーティル君はここで待っててくれ」
「.......はい」
「それと、気分が優れないなら外にいると良いよ...さっきより顔色が悪くなってるから」
そう言いながら俺の頬を撫でてからムクゲさんは扉の中へ入っていった。ムクゲさんが出てくるまで待っているつもりだったけど城の中にいるだけで気分が悪くなってきた俺は元来た道を辿って外に出た。整備された庭の中央にあった木の近くまでいき木陰に座りこんだ。王族が住んでいるって思うだけで嫌になる。この世界では無縁でいるつもりだったのに...
「カーティル君」
「...ムクゲさん....」
「大丈夫かい?さっきより顔色は戻ったけど...やっぱり君も王族が苦手なのかな?」
「...もって......ムクゲさんも...?」
「うん......子供の時、王族に鱗を狙われて追われたことがあるんだ...その時、父親が捕まって...それ以降行方不明なんだ」
ムクゲさんの言葉に胸が痛くなった。理不尽な理由で追われたり捕まったりする苦痛はよく知っている。王族や貴族はその苦痛を知らない...分かろうとしないから酷いことを平気でするのだ
だいぶ落ち着いてきたのでゆっくり立ち上がればムクゲさんから王宮にきた理由を聞いた
「実はこの国の王は少し先の未来を予知することが出来るんだ。ほぼ百発百中の未来予知なんだが...明日、この王国より南西に10キロ離れたところに魔族の大群が現れる。この国に大群が来ないように討伐を頼まれたんだ」
「...ぇ...大丈夫ですか?」
「大丈夫。ギルドの奴らは二日酔いはすぐ治るし、俺も出むくから討伐に関しては問題ない」
「......討伐に関してはってことは...そのほかの...例えば討伐中に起こる国内の問題...とか?」
「...驚いたな......意外と鋭いな...その通りそれで今回の先陣討伐は俺とカーティル君とテッセラ、その他のもので第二陣を結成するつもりだ」
二段構えのメリットは複数の問題を抑えることが出来ること。しかしデメリットもあってパワーバランスを考えなければ崩れてしまう。なので二段構えに関してはかなり頭脳の良い奴でなければうまいぐわいに出来ないのだ
「そして、君をここに連れて来た理由は、この城は展望台の代わりにもなっていて国を見わたすことが出来る...来たばかりの君に国の形を知って貰おうと思ってね」
なるほど...
ムクゲさんの言うとおり国の形を知らなければ国を守ることは出来ない。俺はゆっくりと辺りを見わたした。この国は緩い楕円形で国は壁で囲われている。そしてその先には森や山がありここは山に囲まれているも思ったが反対側のずっと先にはギリギリみえるぐらいの距離に湖っぽいものが見える。南西は湖っぽいものが見える方角で中間部には森があり逃げ隠れしやすい場所がいたるところにあった
あんな逃げやすい場所で討伐するからには何かしらの策があるのか?
「カーティル君、顔色が悪いようだが?」
「...問題ありません......」
「そうか...無理しないで無理だったら言ってくれ」
「......はい」
まだ、何故俺が連れてこられたのか分からない。けど王子が何故ギルドにいたのかはだいたい分かる気がする。俺が元々いた国でも王子が二人いて一人は騎士団へもう一人は王の後継人として生活していた。もしそれと同じならティミヤさんは一種の訓練としてギルドにいるのかも知れない
王宮の門の前まで来たが、持ち物検査や身分の証明で時間がかかったせいで俺のストレスは溜まっていく一方だった。王族が嫌いで貴族も王宮内にはわんさか居やがる...
「カーティル君...本当に大丈夫かい?これから国王にお会いするんだが...」
「...大丈夫です......」
「いや、そんな顔をされていると不安しかないんだが...」
「......普段と変わりありません...」
「いや...はぁ...わかった。君は何も喋らないでくれ」
「......了解しました」
門が開きムクゲさんに続いて中に入った。門をくぐると綺麗に整備された庭が現れた。警備の人が一定のスピードで見回りをしていた
ムクゲさんの後をついていく形で場内に入ったからまわりから凄く見られていた。居心地が悪いとか、そんな軽いものじゃなくて吐き気がするぐらいの嫌悪感がこみ上げてきた。しばらく歩いていると重厚感ある扉の前についた
「カーティル君はここで待っててくれ」
「.......はい」
「それと、気分が優れないなら外にいると良いよ...さっきより顔色が悪くなってるから」
そう言いながら俺の頬を撫でてからムクゲさんは扉の中へ入っていった。ムクゲさんが出てくるまで待っているつもりだったけど城の中にいるだけで気分が悪くなってきた俺は元来た道を辿って外に出た。整備された庭の中央にあった木の近くまでいき木陰に座りこんだ。王族が住んでいるって思うだけで嫌になる。この世界では無縁でいるつもりだったのに...
「カーティル君」
「...ムクゲさん....」
「大丈夫かい?さっきより顔色は戻ったけど...やっぱり君も王族が苦手なのかな?」
「...もって......ムクゲさんも...?」
「うん......子供の時、王族に鱗を狙われて追われたことがあるんだ...その時、父親が捕まって...それ以降行方不明なんだ」
ムクゲさんの言葉に胸が痛くなった。理不尽な理由で追われたり捕まったりする苦痛はよく知っている。王族や貴族はその苦痛を知らない...分かろうとしないから酷いことを平気でするのだ
だいぶ落ち着いてきたのでゆっくり立ち上がればムクゲさんから王宮にきた理由を聞いた
「実はこの国の王は少し先の未来を予知することが出来るんだ。ほぼ百発百中の未来予知なんだが...明日、この王国より南西に10キロ離れたところに魔族の大群が現れる。この国に大群が来ないように討伐を頼まれたんだ」
「...ぇ...大丈夫ですか?」
「大丈夫。ギルドの奴らは二日酔いはすぐ治るし、俺も出むくから討伐に関しては問題ない」
「......討伐に関してはってことは...そのほかの...例えば討伐中に起こる国内の問題...とか?」
「...驚いたな......意外と鋭いな...その通りそれで今回の先陣討伐は俺とカーティル君とテッセラ、その他のもので第二陣を結成するつもりだ」
二段構えのメリットは複数の問題を抑えることが出来ること。しかしデメリットもあってパワーバランスを考えなければ崩れてしまう。なので二段構えに関してはかなり頭脳の良い奴でなければうまいぐわいに出来ないのだ
「そして、君をここに連れて来た理由は、この城は展望台の代わりにもなっていて国を見わたすことが出来る...来たばかりの君に国の形を知って貰おうと思ってね」
なるほど...
ムクゲさんの言うとおり国の形を知らなければ国を守ることは出来ない。俺はゆっくりと辺りを見わたした。この国は緩い楕円形で国は壁で囲われている。そしてその先には森や山がありここは山に囲まれているも思ったが反対側のずっと先にはギリギリみえるぐらいの距離に湖っぽいものが見える。南西は湖っぽいものが見える方角で中間部には森があり逃げ隠れしやすい場所がいたるところにあった
あんな逃げやすい場所で討伐するからには何かしらの策があるのか?
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