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番外篇

テッセラの日々

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俺はテッセラ・ブハウデゥン。シュッツヘルギルドで魔法剣士をしている。魔力は高い方だが魔法を使うのは少し苦手だ
俺の種族はハーフエルフ。父が獣人で母がエルフだった。ハーフエルフは魔力も寿命もエルフとは違い、出来損ないと意に嫌われる存在だった。元より体の弱かった母は俺を産んですぐに他界してしまった。父も俺が五歳の時に病死してしまった。行く当てもなく、町外れにあるスラム街で暮らしていたら、今のギルドマスターのムクゲさんが拾ってくれた
ムクゲさんは俺に戦い方や交渉術などを教えてくれた。ムクゲさんには感謝している。そして、俺はいつしかムクゲさんに恋心を抱いてしまった


「やぁ、テッセラ...最近はどうだい?」


「ムクゲさん......問題ないです。前よりも動きやすくなりました」


「そうか...テッセラは魔力も高いからな...近いうちに剣術と魔法を合わせた攻撃を覚えていこうか」


「はい!」


憧れか、恋心か、当時は区別がつかなかったのだろう。ムクゲさんの役に立つために腕を磨いていた。そんなある日、ムクゲさんと若い男が密会しているところを見てしまった。俺よりも小柄で、可愛くて、ムクゲさんにお似合いの人物だった。その時、俺は悟った。俺が恋心を抱くなど意味のないことだと...
あれからムクゲさんへの恋心はなくなった。だが、ムクゲさんへの憧れや尊敬は変わらずに残っていた。年月が経てば失恋した傷もなくなった


「ん~...今日はどれにしようかな......」


「あら、テッセラさん。この時間に来るなんて珍しいですね」


「おはよ、ハスミス。そろそろ本腰入れないと...宿泊料金が払えなくなってしまうからね」


「そうですか」


ここ最近はのんびりし過ぎた。一応今月分の宿泊料金は払えるがそれがなくなると金銭的に厳しくなる。今のうちに金を貯めなければ...
とりあえず魔物の討伐依頼を選んだ。難易度はそこまで高くないが、油断すると致命傷を負ってしまう
ハスミスに依頼を受託して貰い、いつもの装備をして目的地に向かった


「ふぅ......依頼個数はやったかな?」


目的地について五時間...
探し回って、やっと見つけて、倒して...
なんだか、俺の人生みたいだな...単純作業の繰り返しで、ただ居るだけに成り下がりそうな存在。それに、自分の種族のことでいまだにギルドでは孤立している。シュッツヘルギルドは俺のような落ちこぼれは数多く居るが、そんな奴らにも俺は、異質らしい
何故、種族ってだけで差別を受けなければならないのだ?
遙か昔、人間族は多種族を嫌悪し、排除・奴隷化させていたという。いまだに奴隷制度はあるし種族排除も時々ある。種族が違うだけでやっていることは同じだ...


「...何のために......か...」


魔物の死骸を袋に詰めながらそんなことを考えていると、遠くで誰かの声が聞こえた。この森は入り口どころか、周辺にさえ立ち入りを制限している場所だ。そんなところに...誰が......
ただの興味本位で声のした方へ行ってみれば...


スライムに襲われている子供がいた
その時はまだ、これが運命だとは思わなかった...


──────────────────
どーも、腐でーす

番外編でテッセラ視点で話を書いてみましたが......

キャラが変わるだけで...
書きづらいんですね(°°;)

近々、ラリックの騎士団時代話をあげたいと思っています!

またいつものごとく、誤字脱字がありましたらご報告お願いします




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