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CⅬⅩⅩⅩⅩⅦ 星々の天頂と天底編 中編(3)
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第1章。カシノの憂い
ふたつの月が、眠くなるような穏やかな光で、皇都の街並みを照らしている。
その月明かりのもと、夜の見回りをしていた新帝国軍留守居の將キョウショウが、
そのまま旧南宮の執務室に向かい、軽くその扉を叩く。
「どうぞ。」
なかから、イルム執政官が声で応じる。
扉を静かに開け、なかに入るキョウショウ。
さっそく、片手を上げて挨拶をするカシノ司祭に気付く。
「お、カシノ。来ていたの?」
「活版印刷で出来た初の本を、見本として持ってきてくれたのよ。」
と、カシノの代りにイルムが答える。
「アマトくんとヨスヤ教導士のふたりがつくった、禁書館の記載帳の第1巻部分を
印刷し製本したのだけどね。」
カシノは、イルムの言葉に、自分の言葉を追いかけさせる。
キョウショウは、イルムとカシノが、来客用の机の左右の対面に座っていたので、
部屋の端から、自分専用と化している折り畳み椅子を持ちだし、
ふたりの斜め前の地点で変化させ、軽やかに腰を落とす。
「キョウショウも見てみる?」
イルムが手渡してきた本の中身を、キョウショウは素早く目を通す。
「思ったより、はっきりう写るんだ。これは、読みやすい。」
そして、キョウショウはイルムの方に返そうとするが、
イルムの右手がカシノを指し示したので、改めて両手でカシノに手渡す。
「このような本が量産され、敵国に配布されるようになったら、
下手な軍隊を派兵するより、効果的な兵器と化すだろうね。」
キョウショウは、つい、新帝国軍の將としての感想を述べる。
「本による知識も情報も兵器扱い?やれやれね。」
キョウショウらしい感想を聞き、カシノは薄く苦笑いを浮かべる。
無論、本にそういう劇薬の側面があることは、
カシノもイルムも十分に理解している。
「まずは、新双月教の精神と理念を伝えるのを、第一にさせていただくわ。」
「だろうね。で、カシノ、その許可を執政官殿にいただくために、
わざわざ夜、来たわけでもないでしょう?」
キョウショウは、ふたりの雰囲気から、本当の話合いが
まだ始まってないのを察し、カシノに水を向けてみる。
「まあね。イルムに聞きたいのは、この王国連合との睨み合いの後のこと。
こちらにラティスさん、それに、影にラファイアさんがいて、
逆に相手に、風の伝説級妖精のリスタルか、同じ伝説級の妖精がいない限り、
王国連合軍と戦端が開く事は、実際ないと思うわ。」
「怖いのは武国と、いえ暗黒の妖精アピスとおさん方の戦いに
発展しないかという事、違う?」
「教皇猊下も、双月教国国民の安全と同じくらい、それを心配している。」
「ん~。明日にでも、猊下にお会いしないと、いけないわね・・・。」
そう答えたイルムは、いったんカシノから視線を外し、そして話を続ける。
「ラティスさんも、ラファイアさんも、そしてアピスも、積極的に動くとしたら、
自分の契約者に、火の粉が飛んできたときだけでしょうね。」
「超上級、極上級と、魔力が強くなればなるほど、妖精さんというのは、
同族同士での戦いを、避けるようにしているのではないかしら。」
「ただ、超上級妖精というのは、わたしも、リーエさんしか知らないから、
推測でしか語れないけれど。」
「カシノ、わたしもそう思うわ。」
キョウショウも、イルムの考えに同意する。
「ラティスさんや、ラファイアさんが、破壊の権化とならないのは、
契約者のアマトくんの影響も大きいけど、基本的にその前提があるようね。」
「だったら、創派の変のときの、リスタル、ルービス、それにエメラルアの行動は
どう説明するの。」
カシノが当然の疑問を、イルムにぶつける。
「カシノ、歴史資料の大半が破棄されているので、
確実に、これだとは言えないけど・・・。
わたしは、創派の変のときの3妖精の魔力が、
今で言う、極上級妖精本来のレベルでなかったと思うわ。」
「つまり当時は、超上級妖精レベルだった。
だから、超上級妖精として、より契約者の意思に左右された。
オフトレの乱のときの、ラファイスやアピスもね・・・。」
「だとすると、100年単位の年月が過ぎて適応し、妖精もこちらの世界で
実体化できるようになり、自分の意思で自由に動けるようになったと・・・。」
カシノは、思わず漏れ出た言葉で、イルムの話を遮ってしまう。
「あ、すまない、イルム。」
「気にしないで、カシノ。」
イルムは、話を続ける。
「人間の数より、妖精の数は、はるかに多いと類推できるわ。
そして、今までわたしが見、経験した範囲から、極上級妖精たちは、
他の妖精ために、その妖精たちの生き残る術を、破壊することを避けている。」
「そして、その求める究極は、人間世界の平和ね!!」
≪ハハハ、そのご高説、本当におもしろいな。≫
不意に、扉の外に潜んでいた、強大な魔力の持ち主の精神波が走った。
第2章。エメラルアの麗姿
執政官室の扉が、上品にス―ッと開いていく。
3人が見た事のある姿が、しずしずと優雅に入ってくる。
「「「シレイア殿!!」」」
しかし、次の瞬間、この姿に揺れが発生し、
長身・藍色の瞳・青色の髪・白雪色の肌、超絶美貌の水の妖精に変化する。
≪ラファイス、あなたも姿を見せたらどう。
わたしは皇都をかき乱す気も、あなたと戦う気もないわ。≫
響く精神波に呼応し、溢れ出る白金の光粒を纏わせ、白光の妖精も顕現する。
しかし、人間たちが感知できないその裏で、
伝説の妖精たち同士、凄まじい駆け引きが行われていた。
エメラルアは感覚を、究極に研ぎ澄まし、自分の時間の感覚を、
数百万倍、数千万倍に引き延ばし、感覚上の時間の歩みを超制動させ、
すきあればと、滅殺の一撃を試みている。
≪なにを遊ぶ・・・。エメラルア!≫
だがラファイスも、同じ感覚の時間軸に、意識を飛ばしてきたことに気付かされ、
エメラルアは、感覚上の時間を一気に加速させ、
元の時間の流れに、自分の意識を復元していき、
何事もなかったかのように、ふるまっている。
「ラファイス。わたしは、レウスが自分を取り戻し、
そしてエルナが亡くなったことを、
新帝国の執政官殿に、伝えに来ただけよ。」
「・・・エルナ殿が・・・!」
そう語る、水の妖精の超絶美貌に、翳りが浮かんだのを見取り、
イルムら三人は、故人に対し黙祷の礼を、自然におこなった。
「人の子らよ、エルナのために、礼をとるか。・・・ありがとう・・・。」
およそらしくない言葉が、エメラルアの口から発せられる。
・・・・・・・・
だがなぜか、ふたりの妖精の圧が、高まってゆく・・・。
「本当に、それだけか。エメラルア?」
ラファイスは、冷たい視線をエメラルアに投げている。
「本当よ。でもね、この街に入る時に、ラティスもどきの分身体にも、
疑われて、止められるし・・・。」
「数千年にわたる行いが悪いからね、あなたは!」
「けど、そんな記憶を注入するなんて、ラティスかラファイアか知らないけど
酷いと思わない、ね、ラファイス!?」
人間たちを無視して、妖精界の頂点に位置するふたりは、互いを探り合う。
「それで、分身体さんに誠心誠意を尽くして、訪都した理由を説明していたので、
この部屋に来たのが、少し遅くなったわ。」
「でも、おかげで、執政官殿のお話を聞けたわけだし・・・。」
「ラファイス、あなたもそうでしょう。」
「わたしは、契約者のノエルが、安心できる環境があれば、いいだけよ。」
「あなた、アピスとやり合った時も、
それで結果的に、人間たちを救ったじゃない。」
「まあ、いいわ。けど、わたしたちの真実に迫る人間がいるとはね・・・。」
魔力の拮抗する、ふたりの人外の膨大な圧にあてられ、
人間たちは何の反応もできない。
「イルム。あなたたちには、色々と借りがあるから、特別に教えてあげる。」
「わたしも、アピスも、ルービスも、そして、そこにいるラファイスも、
あのラティスも、ラファイアも、人間の平和なぞ、もう望んでいないわ。
それがやれる機会を、千年を超える年月、妖精は人間に与えてきたしね。」
「さてと、ルービスのところにも、お伝えに行かないといけないし、
わたしは去ることにするわ。結界や障壁は外から中へ入るのは、めんどうだけど、
その逆はなぜか簡単・・。」
エメラルアの姿が透明化してゆく・・・、
「レウスの意思次第では、今度も敵としてまみえることになるかもね・・・。」
次の瞬間、エメラルアの表情が凍る。
「・・・そのときは許せよ・・・!」
エメラルアの麗姿は、完全に消える。
それを確認して、ラファイスの麗容も透明化していく。
「カシノ。アピスとラティス・ラファイアが、本気で魔力を交えることは、
今回はまずないわ。それは、このわたしが保証する・・・。」
圧が消えていく、それでも3人は動けないでいた。
ふたつの月が、眠くなるような穏やかな光で、皇都の街並みを照らしている。
その月明かりのもと、夜の見回りをしていた新帝国軍留守居の將キョウショウが、
そのまま旧南宮の執務室に向かい、軽くその扉を叩く。
「どうぞ。」
なかから、イルム執政官が声で応じる。
扉を静かに開け、なかに入るキョウショウ。
さっそく、片手を上げて挨拶をするカシノ司祭に気付く。
「お、カシノ。来ていたの?」
「活版印刷で出来た初の本を、見本として持ってきてくれたのよ。」
と、カシノの代りにイルムが答える。
「アマトくんとヨスヤ教導士のふたりがつくった、禁書館の記載帳の第1巻部分を
印刷し製本したのだけどね。」
カシノは、イルムの言葉に、自分の言葉を追いかけさせる。
キョウショウは、イルムとカシノが、来客用の机の左右の対面に座っていたので、
部屋の端から、自分専用と化している折り畳み椅子を持ちだし、
ふたりの斜め前の地点で変化させ、軽やかに腰を落とす。
「キョウショウも見てみる?」
イルムが手渡してきた本の中身を、キョウショウは素早く目を通す。
「思ったより、はっきりう写るんだ。これは、読みやすい。」
そして、キョウショウはイルムの方に返そうとするが、
イルムの右手がカシノを指し示したので、改めて両手でカシノに手渡す。
「このような本が量産され、敵国に配布されるようになったら、
下手な軍隊を派兵するより、効果的な兵器と化すだろうね。」
キョウショウは、つい、新帝国軍の將としての感想を述べる。
「本による知識も情報も兵器扱い?やれやれね。」
キョウショウらしい感想を聞き、カシノは薄く苦笑いを浮かべる。
無論、本にそういう劇薬の側面があることは、
カシノもイルムも十分に理解している。
「まずは、新双月教の精神と理念を伝えるのを、第一にさせていただくわ。」
「だろうね。で、カシノ、その許可を執政官殿にいただくために、
わざわざ夜、来たわけでもないでしょう?」
キョウショウは、ふたりの雰囲気から、本当の話合いが
まだ始まってないのを察し、カシノに水を向けてみる。
「まあね。イルムに聞きたいのは、この王国連合との睨み合いの後のこと。
こちらにラティスさん、それに、影にラファイアさんがいて、
逆に相手に、風の伝説級妖精のリスタルか、同じ伝説級の妖精がいない限り、
王国連合軍と戦端が開く事は、実際ないと思うわ。」
「怖いのは武国と、いえ暗黒の妖精アピスとおさん方の戦いに
発展しないかという事、違う?」
「教皇猊下も、双月教国国民の安全と同じくらい、それを心配している。」
「ん~。明日にでも、猊下にお会いしないと、いけないわね・・・。」
そう答えたイルムは、いったんカシノから視線を外し、そして話を続ける。
「ラティスさんも、ラファイアさんも、そしてアピスも、積極的に動くとしたら、
自分の契約者に、火の粉が飛んできたときだけでしょうね。」
「超上級、極上級と、魔力が強くなればなるほど、妖精さんというのは、
同族同士での戦いを、避けるようにしているのではないかしら。」
「ただ、超上級妖精というのは、わたしも、リーエさんしか知らないから、
推測でしか語れないけれど。」
「カシノ、わたしもそう思うわ。」
キョウショウも、イルムの考えに同意する。
「ラティスさんや、ラファイアさんが、破壊の権化とならないのは、
契約者のアマトくんの影響も大きいけど、基本的にその前提があるようね。」
「だったら、創派の変のときの、リスタル、ルービス、それにエメラルアの行動は
どう説明するの。」
カシノが当然の疑問を、イルムにぶつける。
「カシノ、歴史資料の大半が破棄されているので、
確実に、これだとは言えないけど・・・。
わたしは、創派の変のときの3妖精の魔力が、
今で言う、極上級妖精本来のレベルでなかったと思うわ。」
「つまり当時は、超上級妖精レベルだった。
だから、超上級妖精として、より契約者の意思に左右された。
オフトレの乱のときの、ラファイスやアピスもね・・・。」
「だとすると、100年単位の年月が過ぎて適応し、妖精もこちらの世界で
実体化できるようになり、自分の意思で自由に動けるようになったと・・・。」
カシノは、思わず漏れ出た言葉で、イルムの話を遮ってしまう。
「あ、すまない、イルム。」
「気にしないで、カシノ。」
イルムは、話を続ける。
「人間の数より、妖精の数は、はるかに多いと類推できるわ。
そして、今までわたしが見、経験した範囲から、極上級妖精たちは、
他の妖精ために、その妖精たちの生き残る術を、破壊することを避けている。」
「そして、その求める究極は、人間世界の平和ね!!」
≪ハハハ、そのご高説、本当におもしろいな。≫
不意に、扉の外に潜んでいた、強大な魔力の持ち主の精神波が走った。
第2章。エメラルアの麗姿
執政官室の扉が、上品にス―ッと開いていく。
3人が見た事のある姿が、しずしずと優雅に入ってくる。
「「「シレイア殿!!」」」
しかし、次の瞬間、この姿に揺れが発生し、
長身・藍色の瞳・青色の髪・白雪色の肌、超絶美貌の水の妖精に変化する。
≪ラファイス、あなたも姿を見せたらどう。
わたしは皇都をかき乱す気も、あなたと戦う気もないわ。≫
響く精神波に呼応し、溢れ出る白金の光粒を纏わせ、白光の妖精も顕現する。
しかし、人間たちが感知できないその裏で、
伝説の妖精たち同士、凄まじい駆け引きが行われていた。
エメラルアは感覚を、究極に研ぎ澄まし、自分の時間の感覚を、
数百万倍、数千万倍に引き延ばし、感覚上の時間の歩みを超制動させ、
すきあればと、滅殺の一撃を試みている。
≪なにを遊ぶ・・・。エメラルア!≫
だがラファイスも、同じ感覚の時間軸に、意識を飛ばしてきたことに気付かされ、
エメラルアは、感覚上の時間を一気に加速させ、
元の時間の流れに、自分の意識を復元していき、
何事もなかったかのように、ふるまっている。
「ラファイス。わたしは、レウスが自分を取り戻し、
そしてエルナが亡くなったことを、
新帝国の執政官殿に、伝えに来ただけよ。」
「・・・エルナ殿が・・・!」
そう語る、水の妖精の超絶美貌に、翳りが浮かんだのを見取り、
イルムら三人は、故人に対し黙祷の礼を、自然におこなった。
「人の子らよ、エルナのために、礼をとるか。・・・ありがとう・・・。」
およそらしくない言葉が、エメラルアの口から発せられる。
・・・・・・・・
だがなぜか、ふたりの妖精の圧が、高まってゆく・・・。
「本当に、それだけか。エメラルア?」
ラファイスは、冷たい視線をエメラルアに投げている。
「本当よ。でもね、この街に入る時に、ラティスもどきの分身体にも、
疑われて、止められるし・・・。」
「数千年にわたる行いが悪いからね、あなたは!」
「けど、そんな記憶を注入するなんて、ラティスかラファイアか知らないけど
酷いと思わない、ね、ラファイス!?」
人間たちを無視して、妖精界の頂点に位置するふたりは、互いを探り合う。
「それで、分身体さんに誠心誠意を尽くして、訪都した理由を説明していたので、
この部屋に来たのが、少し遅くなったわ。」
「でも、おかげで、執政官殿のお話を聞けたわけだし・・・。」
「ラファイス、あなたもそうでしょう。」
「わたしは、契約者のノエルが、安心できる環境があれば、いいだけよ。」
「あなた、アピスとやり合った時も、
それで結果的に、人間たちを救ったじゃない。」
「まあ、いいわ。けど、わたしたちの真実に迫る人間がいるとはね・・・。」
魔力の拮抗する、ふたりの人外の膨大な圧にあてられ、
人間たちは何の反応もできない。
「イルム。あなたたちには、色々と借りがあるから、特別に教えてあげる。」
「わたしも、アピスも、ルービスも、そして、そこにいるラファイスも、
あのラティスも、ラファイアも、人間の平和なぞ、もう望んでいないわ。
それがやれる機会を、千年を超える年月、妖精は人間に与えてきたしね。」
「さてと、ルービスのところにも、お伝えに行かないといけないし、
わたしは去ることにするわ。結界や障壁は外から中へ入るのは、めんどうだけど、
その逆はなぜか簡単・・。」
エメラルアの姿が透明化してゆく・・・、
「レウスの意思次第では、今度も敵としてまみえることになるかもね・・・。」
次の瞬間、エメラルアの表情が凍る。
「・・・そのときは許せよ・・・!」
エメラルアの麗姿は、完全に消える。
それを確認して、ラファイスの麗容も透明化していく。
「カシノ。アピスとラティス・ラファイアが、本気で魔力を交えることは、
今回はまずないわ。それは、このわたしが保証する・・・。」
圧が消えていく、それでも3人は動けないでいた。
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